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13/11/4

今の自分は開業獣医師、高校時代は授業聞かずに茶道ばかり 第3回

Image by Olia Gozha

高校3年 クラス分け

高校3年になると理系・文系でクラスわけがあった。

高3までの内容はすでに高2までで終了していたので、高3は受験一色だった。

理系2クラス、文系2クラス、その他1クラスというように分けられた。私は理系だった。

その当時の獣医学科は半分理系で半分文系だった。つまり、2次試験の選択科目の数学は「基礎解析」「代数幾何」でおおよそ理系らしくなかった。

今ならば、獣医学科はバリバリの理系で医学部と肩を並べるレベルだ。定員が30人とかなので余計に狭き門かもしれない。

私は、諸事情により私立は選択外だったので国公立のみを狙っていた。。。。

といえば格好が良いけれど、狙うというレベルではなかった。何せ、高3のときの模擬試験の偏差値は30台で到底獣医学科レベルではなかった。

身の程知らず

ぴったりな表現だった。

化学がわかりません。。。

化学をどうしても避けて通ることができなかった。

共通一次試験(今で言うセンターです)でも出る、二次試験では当然でしょのように出る。そんな中でもありがたい大学があった。

生物・化学からどちらか選択。そんな私にとってありがたい大学を選択したので、選択肢は自動的に3大学に絞られてしまった。

最初の分子や原子のところは本当に楽しかったのに、

「アボガドロ数」

ここからさっぱりわからなくなっていった。。。雪崩現象でどんどんわからなくなっていってしまった。

悪いことに、化学の先生との相性も最悪で言われることがすべて耳をスルーしてしまう。無機化学は嫌だったけど、有機化学はまだ救いようがあった。化学構造式は長いし、覚えることが多いけど、ベンゼン環の形だったり銀鏡反応という言葉の響きだったり、違った意味で好きだった。

ほとんど有機化学で点数を稼いでいるような状態だった。

物理は鉛筆ころがし

物理は本当にこの世のものと思えなかった。。。

ばね、振り子、坂道。。もう知らないしと言いたい位、意味不明の科目だった。

よく考えれば小学生のころから滑車とか、振り子とか嫌いだった。それをずっと引きずったまま高校生になっていた。小学生のころに、ちゃんと取り組んでおけばここまでの拒否反応もなかったのかもしれない。

定期試験は範囲が決まっているので、その範囲内で計算を除く部分で何とか落第せずに済んでいた。

模擬試験となるとわけが違う。。。

なんと、連続ゼロ点記録を更新していた。

5回連続になった時点で、「やっても無駄じゃないか?」と割り切った。

阿弥陀くじは時間がかかるので、鉛筆の頭の部分を削り数字を書いた。

1.2.3.4.5.6

共通一次試験は選択で、数字を記入すれば良い。計算が必要なものももちろんあるけれど、つまり数字を書き込むことには変わりない。

試験中はひたすら転がした。

そして、マークシートに迷わず書いていった。

結果。。。

50点満点の物理で32点取った。

悲しいというか、現実というか。。。

私の努力よりはるかに運のほうが勝っていた。

高校のお茶会は気合が入りまくり

高校の茶道部はまさに本物志向だった。

やはり、裏千家の当時お家元のご子息が設立されたので、本物しかなかった。

毎年秋の文化祭のときにお茶会が催されるのだけど、これが大変だった。

お茶会の時にはお茶碗、お花、お菓子、お軸(掛け軸とは言わない)などの作者や名前などを全て暗記で説明し、質問に答える必要がある。

暗記項目が非常に多く、日常的でない名前に言葉遣いが多いのでろれつが回りにくい。

前もってわかれば頑張って覚え練習もできるのに、当日でしかも荷物が届かないと誰もわからない。

しかも、この荷物が裏千家から直々に届く。粗相があったら一大事!!!!!

壊すなんてもってのほか、欠ける・傷が入る・ひびが入る・ゆがむ・汚す・紛失。。。。

とにかく、これに類することがあったらどうしようと腹が痛くなった。しかも、私は部長だった。

茶道の心得のある着物をお召しになったご年配のお客様も沢山お見えになるので、胃がキリキリした。

お茶を点てる人=亭主 亭主の正面に座る方=正客 正客の隣=次客

と名前がありますが、正客のお茶碗は200万円、次客のお茶碗は100万円。。。。。

そう簡単にお茶の先生から言われたときは、正直「触りたくない」と思った。


大量に黒板に書かれる本日のお茶碗やお軸の名前、作者、意味。。。。。。嘘やろ~と思うほど多く、達筆すぎて読めなかった。

「すみません、なんて書いてありますか?」とお茶の先生に聞くたびに、「?」みたいな表情。

たびたび聞くので、「???????」ますます、怪訝そうな顔になる。

「申し訳ありません、達筆すぎて読めません。」

というと、「早く言いなさい。」といわれる始末。びびり過ぎて聞けなかったんですけど。


無事お茶会が終わって、みんなが疑問に思ったこと。

この、お道具は洗ってお返しするのか?

「どうすればいいですか?」と、顧問に聞くと「洗いましょう。」

「先生が洗ってくださいますか?」と、顧問に聞くと「よろしくね。」とにこやかだった。


あんなにお茶碗を洗うことにびびったことはない。あんなに水分をふき取ることに気を遣ったこともない。だって、タオルで拭くと傷が入る。。。そんなお茶碗。


もう、一生そんな機会に恵まれることもなさそうだけど、本当に贅沢な茶道部でした。





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