13/9/15
第三十九話 すいません写真を撮ってもらえませんか?(鳥取県島根県編8月18日)~偶然は神様がくれたボール 運命は女神とのキャッチボール~全国47都道府県ツアーから得たこと

第三十九話
すいません写真を撮ってもらえませんか?
大阪府大阪市⇒鳥取県米子市⇒島根県出雲市編
前回までの補正移動距離 8853.7km
区間移動距離 319.6km
概算総移動距離 9173.3km
≪大阪府大阪市 阪急梅田高速バスセンター≫
8月18日AM10:00
山陰方面へは、JRを使って行くルートと高速バスを使っていくルートがある。
俺は、安さ重視で高速バスを使った。
バスに乗っていたら、旅で出会った女の子達から、Lineが鳴り出した。
「出雲いいですね」
「私も出雲に行きたいんです」
「幸せになるように祈っておいてくださいね」
島根県の出雲大社は、縁結びだけでなく、パワースポットとしても有名である。
何か、役に立つ≪サービス≫は、作れないかと、出雲の街を歩き、調べてみようと思っ
た。
そんな色々を思いつつ、エントリーシートを眺めながら、添削をしていたら、あっとい
う間に鳥取県の米子駅に到着した。
≪鳥取県米子市 米子駅≫
8月18日PM 2:20
駅に着いたら、島根県の出雲市に行く列車まで、1時間ほど時間があった。
そこで、周囲を散策していると、旅行バックを持ったおしゃれな女の子を見つけた。
『どうも。こんにちわ。どちらから、来られたんですか?』
と俺は尋ねた
「岡山へ買い物した帰りなんです。」
『えっ、この辺ではお買いものしないの?』
「岡山の方が、色々なものを買えるので」
こうやって、会話をしていくことは、未知の発見につながる。
『俺は、全国一周して可愛い人を写真に撮っているんですけども、もしよければ…』
「いいですよ。迎えの車来るまでに撮れますか?」
『はい。チーズ』



『また、いつの日か会いましょう』
頭を下げ、俺は島根県出雲市に行く列車のホームに向かった。
≪島根県出雲市 出雲大社≫
8月18日 PM4:30
山陰本線で、1時間強。
列車は、出雲市駅に着いた。
着いたら、直ぐにホテルにチェックインして、荷物を置き、出雲大社に向かうバス停に
向かった。
なんとか、陽がある時間帯に向かいたかった。




ここでは、面白いことがあった。
「すいません。写真撮ってもらえませんか?」
と尋ねられるのである
それも、女性の一人旅やカップルの方から、何人も。
何人目かのときに、俺は口上を作り、言ってみた。
「すいません。シャッター押してもらえませんか?」
『いいですとも。おいらが撮る写真は、一人で映れば、幸せが訪れ、二人で映れば、永遠(とわ)の愛、家族で映れば、家庭円満、健康祈願だよ』
「ほんとですか?じゃあイッパイ幸せ下さい」
『あいよっ』
こんな会話が、飛び交う街になれば面白いだろうなと思った。
出雲大社を参詣した俺は、平成2年に廃止になった大社線大社駅を訪れた。
線路の一部は、サイクリングロードになっており、もうこの線路を走る列車はいない。


線路の上から、望む出雲大社の鳥居と夕焼けの風景を見て、俺もまた来れる様に、走ろ
うと思った。
再び、歩きだして、一畑電車の出雲大社前駅に戻った。
≪一畑電車 出雲大社前からの車中にて≫
8月18日 PM6:40
黄昏ていたら、時間が過ぎるのが早い。
電車に間に合わない。時間も差し迫っており、出雲市へ行く列車は、一時間に
一本。
列車発車7分前に到着し、映画の舞台にもなった車両を撮り、電車に乗った。

その車内では、出雲大社で写真を撮ってくださいと言われた方がいた。
『どうも。お帰りですか?』
「あら。どうも」
『どちらから、出雲へ見えられたんですか?』
大社では、口上に夢中で、そういったことまで話す余裕もなかった。
「神奈川県からなんです。元の同僚に鳥取に会いに来ていて、それで出雲に足を伸ばし
たんです」
『俺も、神奈川なんですよ。今は、全国一周の旅の途中で、約1か月になりますね。』
「何をなさっている方なんですか?」
『小さい会社をやっていますが、学者です。喰うために会社を。逆に何をなさっている方なんですか』
「学校で教える仕事をしています」
こんな感じで、会話は始まった。
聴けば、俺と大学が同じであること。
同期の先生と、鳥取で会って、色々実現してみたい夢ができたこと。
(鳥取の生徒と神奈川の生徒で、一緒に学ばせたい。)
そして、生徒さんに対する想いを色々と聴かせていただいた。
素敵な会話は、どこでも出来る。それを改めて実感した。
出雲市駅に着いて、俺はこう言った。
『良かったら一枚、このカメラで撮らせてもらってもいいですか』
「イイですよ。生徒に、こんな面白いおじさんがいたって言いますね」
『はい。チーズ』

おじさんというフレーズに苦笑いをしながら、彼女は、関東行のバスへ、俺は、ホテルへ、
向かった。
別れ際に会釈をして
『また、会えるといいですね』
と言って別れた。
≪ホテルにて≫
8月18日 PM10:40
この旅、秋田で出会った学生さんと、夜パソコン越しで連絡を取り合う。
昼間エントリーシートを添削していた学生だ。
距離は、離れていても現代の情報機器を使えば、対面式の授業ですら、可能になる。
この旅、そして写真撮影をきっかけに、俺の教え子になった。
だから、全力で尽くすことが、俺の役目だ。
「ミスター(俺のあだ名)。志望する職種への想いを見てください」
『あいよ』
パソコンからデータを見る。
データから、文字に起こし、添削・修正する。
『これは、こういう意味で書いたよ』
「ミスター、ありがとうございます。好きと嫌いが聴かれているんですけど、嫌いがお
もい付きません」
『うん。学生の世界では嫌いはある意味≪悪≫や≪ネガティブ≫だけど、ビジネスの世界では、≪普通≫や≪どちらでもいい≫また≪無関心≫が一番の≪悪≫なんだ』
少しづつだけど、秋田の≪ドリカフェ≫が、始まりつつある。
遠く離れた、島根県で、蒔いた種から、芽を出していることを感じた。