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13/6/29

私は勉強が嫌いだ。

Image by Olia Gozha

私は勉強が嫌いだ。いや、勉強という言葉が嫌いだと言ったほうが正確だ。

その勉強という言葉に惑わされ、私は高校まで学校の成績が良かった。なんとなく大学にいくもんだと思っていた。それで高校二年生くらいのときに早稲田の参考書なんかを読んでた。まさしく勉強。


しばらくして、両親に早稲田に行きたいといったら、

「行かせてあげれるお金が無い」

と言われた。

「私はそれまでやってきた勉強はなんのためだったんだ。参考書を読んでたのも知ってただろう!」

と親に食って掛かったが、大学に行くことは叶わなかった。


それから私は参考書を捨てて、コンビニのバイトを始め、手当り次第に漫画や小説を読んだり、ゲームばかりやったり、麻雀やパチンコをやったり、女性と遊んだりした。高校には卒業できるギリギリしかいかなかった。そして、十代後半に自分の存在意義について悩んだ。


答えを探そうといろいろなものに手を出してた。そんなある日、麻雀仲間の一人がこういった。

「ギャンブルやるなら、競馬もやらなきゃだめだな。」

競馬をやったことのない私は、「よしじゃあやってみよう」といい、その週の中山競馬場にいった。


その友人に進められて競馬新聞を買って読んだが全く意味がわからない。とりあえず階段のところに座って友人とあーでもないこーでもないと話しながら競馬新聞を読んでいたら、蝿が飛んできて、ある馬の欄に止まった。私は友人に言った。

「おいおい、これって虫の知らせじゃね~の」

「いやいやその馬はこないよ。。。」

というわけで私はその馬の馬券を買った。

つい先日パチンコで手に入れた10万円を全部突っ込んだ。

「この歳で、10万を競馬にぶちこむやついね~よ」

と友人が言った。

「そういう経験がしたいからいいんだよ。どうせあぶく銭だし」


結果その馬券は200万になった。誘ってくれた友人に10万あげた。

十代後半にしては大金を手にしたが、さてどうしたものか。使い道に困った。

それで、何に使おうか考えてたら、テレビでイギリスの旅番組をみて、デヴィッドボウイが好きだったこともあり、イギリスにいってみることにした。

よく使う英会話という本と、英語の辞書を持って、小さなトランクに着るものを詰め込んで、イギリスに飛んだ。


韓国で乗り換えて、イギリス行きの飛行機に乗った。

飛行機の中で、入国審査用の紙みたいのを渡されて名前とかを書いたのだが、職業という欄があった。ん~なにを書こう。。。それで辞書を引いて無職と記入した。飛行機を降りると、入国審査のところでパスポートと審査の紙を渡した。

すると、なんかいろいろ言ってきた。

たぶんこんなことだった。

「お前は無職って書いてあるけど、何しに来たんだ。働きにきたんじゃないだろうな」

「働きにきたわけじゃない。観光だ」

「そんなことは信じられないな。」

「日本でバイトしてお金ためて観光にきたんだ!」

「よし、まぁいいだろう」

英語なんてしゃべったことなかったが、いきなり強制送還されてもこまるから、必死に訴えた。

とりあえず、それで入国はできて、ロンドンのホテルに着いてチェックインした。

それから観光もほとんどすることなく、イギリス中のパブに通い詰めることになるのだが、その話はまた別の機会にしよう。


私は勉強が嫌いだと冒頭で書いたが、成功なのか失敗なのかわからないが見聞を広めたり、知識を増やしたりすることは好きだ。勉強という言葉は、知識欲を減退させる気がする。知識を増やしていくことがどんなに楽しいことなのかということに私は大学にいけなかったことで気付いた。

たぶん、大学に漫然と行かせてもらったら、ここら辺の感覚は養えなかったと思う。まぁそのこと自体に気付いたのは、20代の後半になってからだが。

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