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第8話 ヨーロッパで、願う恋。【小児科ナースが天国に行った子ども達と地球2周半、暗闇の奥に見えたとんでもなく輝く世界*】

Image by Olia Gozha

第8カ国目、チェコ

きょうだいになった私たち

【プラハ】

プラハにある橋の上では
可愛い雑貨が売られていたり
明るい音楽の音色が響く。
この橋を渡ると、更に可愛らしい街並みが現れる。

オーケストラを聴きに行ったり、ワッフルやパンやアイスやベーグルを頬張ったり、可愛い雑貨や街に癒されたり、男女問わず、毎日最高のワクワクをくれる魔法の街!!

小さい頃に読んだ絵本にでてきた、小さな家もあった。

そして、チェコのソーセージとビールは
世界トップレベルの美味しさ!!


【チェスキークルムロフ】

プラハからバスで3時間。
この街に入った瞬間からもう
1人でニヤニヤが止まらないくらいに
たくさんの”可愛い”に出逢う。

まるで、絵本の中にいるみたい!!!

こんなに可愛い街を作った
ヨーロピアンのセンス、好き!!


街に、家に、雑貨に
恋をしてしまいそう!!



【障がいのある子ども達のサマーキャンプのお手伝い】

チェコの田舎町で毎年行われるキャンプのお手伝いをさせてもらうことになった。

活動時間は7時半から23時半。夜中も交代で見回りをして…と、障がいを持った小・中学生の子ども達全てのお世話をするからキャンプ中はなかなかハードだったが、ここでもかけがえのない仲間との出逢いが待っていた。


今回はチェコ、イギリス、イタリア、ベルギー、スペイン、韓国、ポーランド、ハンガリー、トルコ…いろんな国から来たメンバー。

障がいのある子ども達のサマーキャンプには
障がいのない子も参加していた。


障がいを時別なものとして捉えてしまう前に
「個性」として受け入れ合う。


子ども達はみんな本当に個性豊かで、音楽が鳴れば思いっきり歌って踊り、楽しい時は思いっきり笑い、悲しい時は思いっきり泣く。


車椅子を押しながら砂利道も凸凹道もくぐり抜け…パトカーに見守られながら夜中に4キロの散歩をしたり、折り紙ワークショップを開いたり、夜遅くまでキャンプファイヤーをして語り合ったり。


子ども達には、折り紙のピカチュウが大人気!鶴に飛行機に箱にコアラに、子ども達が遊んでる時の表情ってすごいキラキラしててとっても素敵!

 

肝試しでは、子ども達の肝が座りすぎていて全然驚いてくれず。代わりに一緒に隠れていたイタリア人男子達を驚かしたら、飛び上がるほどビックリしていて大成功!!


コミュニケーションがスムーズにとれなくても「伝える」ことを諦めずに何度も何度も表現し、理解しようと耳を傾け合うみんな。


障がいは、大きな個性だと思った。
大変なことも困難も
難しいこともたくさんだけど…


彼らの笑顔は

とびっきりに輝いていたから!!


障がいがあることをハンディというなら、障がいがないこともハンディと呼ぶのかもしれないね。障がいがあるからこそわかることも、感じられることも、できることも、この世界にはたくさんあるから。


そして、子ども達は障がいの有無関係なく思いっきり生きていて、誰よりも思いっきり笑う!!


幸せは、何にも左右されない。


唯一幸せを左右するものがあるとしたら
それは「世界を見つめる心の角度」。


子ども達とみんなで一緒に踊ったり笑ったりしてたら、チェコ語の壁とか障がいとか、なんかどうでもよくなって。みんなで手をつないで踊って歌っていたら、ただ温かい気持ちになって、涙が出るほど笑ってた。


Workcampメンバーには、色々な国の料理を教えてもらったり、チェコの折り紙の本が難しすぎてグチャグチャになった折り紙をみてみんなで爆笑したり。


まるできょうだいのように仲良くなっていた私たちは、ウノのルールが国によって違いすぎて、毎日のように面白いケンカもした。(特にハンガリーのルールは凄まじかった。)


英語が苦手で「I don't know.」が口癖になったイタリア人、状況を全く理解してないロシア人、恋愛話で意気投合した相棒ベルギー人、グローバルで食欲旺盛な韓国女子に、唯一ちゃんとした英語を話すイギリス人、お喋りで気分屋なスペイン人、マイペースで可愛いトルコ人カップル…など。


そしてヨーロピアン達は、英語とチェコ語で進んでいく物事を理解してない人も多く、集合場所に、毎回誰かがいない。


なのに何故かまとまりがあって、居心地もよく、彼等の迫力には仰天させられることもあったけど、いつも笑いが絶えないメンバーだった。


何でも話し、ともに笑い、共に困り、たまにこっそり飲んだくれて楽しみ、2週間もずっと一緒にいた私たち。



旅をしていると
世界中にきょうだいが増えていく。


どこの国のどんな人でも
仲良くなるのに頑張る必要なんてなくて
好かれようとする必要もなくて
何かの劣等感を感じる必要もなくて

ただただ自分を自分らしく表現するだけで
結局全部、うまくいく。


肩書きなんていらないし
どれほど賢くすごい事をしてきたか
なんてどうでもいいし
お金の有無も関係ない。


大切なのは

同じ時間を楽しむこと!


そして


自分の心の近くにいつも自分がいてあげること。




第10〜14か国目、ハンガリー・オーストリア・ドイツ・クロアチア・スロベニア

ハンガリーのブダペスト

【素直になると見えるもの】

夜景が綺麗な街としても有名なブダペスト。ドナウ川沿いは特に、夜になると国会や王宮や教会や橋がライトアップする。ブダペストには、温かいプール施設があり、人々はチェスや昼寝をしながらのびのびと過ごしている。

市場は南米よりも格段に清潔だった。腐った肉の臭いもチーズのにおいもしないし、ハエも飛んでないし食品は衛生的だし、お腹を壊す心配はしなくていいし、腐った牛の頭とか牛の鼻と口とか蛙とか、得体の知れない物体とか置いてないし、果物も新鮮!


しかし、私は猛烈に南米の市場が恋しくなってしまった。あの、においをかいだだけでお腹を壊しそうになるくらいに臭い生肉とチーズや、目の前でオバちゃんが作ってくれた温かい料理や、ごちゃごちゃした人だかり。綺麗なヨーロッパは好きだけど、私はやっぱり南米に戻りたい!


素直になると見えるもの
心の奥の本当の音。


それは未来への道標。



オーストリアのウィーン

【川に願いを。】


建物は白塗りが多く、お洒落な街。オペラ座や学友協会を見て写真をパシャリ。ウィーンは、あの絶品のザッハトルテ発祥の地!


ホテルザッハーもデメルも両方食べたけど、両方とっても美味しかった!!

そんな中
ドナウ川に沈み行く夕日を眺め
太陽に願った。


「この恋が、実りますように。」


いや、、、


「大好きな気持ちと
さよならできますように。」


そんな私を笑顔にしてくれたのは、WIENER HOFBURG楽団のオーケストラの音楽と皆さん!!音楽で人をあんなに爆笑させられるなんて本当に凄い。


さすがウィーン!!本物!!大好き!!!



ドイツのミュンヘン

【城に願いを。】

昼間から雨の中、美味しいビールを頬張った!ミュンヘンの街並みも雑貨も本当に可愛くて、キュンキュンしっぱなし!ドイツのビールは、ビール瓶に開け閉めのできる蓋がついているので、水の代わりに毎日ビールを持ち歩けちゃう!

プレッツェルも道で売られている温かいナッツもとってもおいしい。ノンシュヴァンシュタイン城は大雨だったが、お城の中はゴージャス。


でも私はお城よりも何よりも、永遠の愛を願うこの鍵に壮大な憧れを感じた。周りを見れば、仲良しそうな夫婦やカップルが手をつないで笑い合っている。そんな光景を横目に、お城に向かって勝手に願う。


「私も一緒に手をつないで笑い合って生きていける
 未来の旦那さんに早く出逢えますように!!」




クロアチアのドブログニク

【夕日の奥に光った涙】


魔女の宅急便、紅の豚、ポニョを連想させる街
クロアチアのドゥブログニク!!


真っ青なアドリア海と青空と茶色い屋根の家。
可愛い町並みに、可愛い雑貨。
散歩するだけてHAPPYになれる!!


「今日の予定は?」と聞かれたら


「この街一番の綺麗な夕日を見ること!」


そんな毎日を過ごしていた。

夕日が大好き!夕焼け空のパパラッチ!
この街の夕日は、海へと沈む。


一人きりで夕日が見たかった私は
人の少ない穴場を探し求めて半日歩き…
やっと見つけたこの景色!
この地球上で、気軽に1人になれる場所は少ない。


しかーし


帰り道は暗闇と茂みの中
ハリネズミやフクロウや猫に出くわし
ものすごい勢いで襲ってきた犬に噛まれた。


1人になれるところが少ないのは
それなりの理由があったようだ(笑)


そんな中、この街でついに失恋をした。
言う前から結果はわかっていても
初めて自分から伝えることができた。


「ずっとずっと、
 大好きだったよ。」

日本との国際電話で終わった、儚き恋。
やっと、終わりにすることができた。


目の前には
幸せそうな夫婦や家族たち。


心が曇っていると
普段なら嬉しくて幸せなはずの光景も

寂しくて、悲しかった。



「生きるのって、苦しいね」


「そうだね。それが
 生きるっていうことだから。」


大好きって、
言わせてくれてありがとう。


愛することを、
教えてくれてありがとう。


誰よりも幸せになれ!
私の、大好きな人!



スロベニア

【私に笑顔をくれたもの】

ここ、スロベニアで
ワークキャンプに参加!!


「長くつ下のピッピ」発祥の地で
子どもフェスティバルのお手伝い*


小さい子ども達から大人まで楽しめる
可愛いマーケットに手作りの遊園地のような遊び場。


世界各国から集まったメンバーと
可愛い子ども達に世界の文化紹介!!!


失恋直後の私は
あまり心から笑えない。


寂しさに負けないように
今を楽しめるように
必死に目の前の景色を
見つめる日々。


涙をこらえて
青空を見て
希望探しを続けるんだ。


そしたらほら、見つけたよ。


子ども達の笑顔って
キラキラしてる。


寂しかったはずが
悲しかったはずが


見ているだけで
こっちまで笑顔になれちゃうんだ。


湖も綺麗
自然も綺麗
優しい仲間もここにいる。


「寂しい」を見つめる時間を
「楽しい」を見つめる時間に
シフトチェンジするだけで
見える景色はどんどん変わるけど


偽笑顔も本物笑顔も
両方大事。


寂しさも楽しさもどんな景色も
全てがこの世界で生きる理由。



27歳のお誕生日。


日付が変わる瞬間を一緒に起きて
毎晩やっているお決まりのゲームで
出逢ったばかりのみんなと大爆笑!!!


手作りケーキやプレゼントまで準備して
迎えてくれた、とびっきりの仲間たち!


悲しいことがあっても
こんなに嬉しいこともある。


感情を封印するのは
やめにしよう。


思いっきり泣いて
思いっきり笑って


涙も笑顔も全部含めて

「この瞬間」しかない「今」を
 心の底から味わおう!!

カッコわるく。
思いっきり、不器用に。


そうやって重ねた日々はきっと
誰かの笑顔にもつながっている。


”On rainy days
 carry the sunshine
 in your heart."




一時帰国

【恋は女の子を素敵にする】

日本に着いたら
キンモクセイの香りがした。


生きて帰ってこれたことに
不思議な感覚がした。


思いっきり生きたら
倒れることだってあるし
思いっきり生きることを
やめたくなることだってある。


でも、それでもまた、立ち上がる
そうしてまた前を向いて
ここから始まる物語を
思いっきり楽しく描き始めるんだ。


「この痛みもこの寂しさも
 生きているから感じるんだ!!!」


痛みを知ったらもっと優しくなれる。
思いっきり泣いたら
後は思いっきり笑うだけ。


夢にまで見た久々の日本食と
温かいお風呂と
愛犬のわんたろう。


そして、家族や友達との再会を果たし
元気を取り戻した私はまた前を向く。


もっと自分でちゃんと輝けるように
もっと素敵な女性になれるように
いっぱいいっぱい心を磨こう。


恋はたとえ失恋でも、
女の子をちゃんと素敵にする*


よーし、気持ちを切り替えたら
思いっきり生きる旅、再開再開ー!!!


次はトルコへ大ジャンプ!



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