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17/1/21

中卒鬱病引きこもりニートのダメ人間が子供10人の大家族の父親になってしまった話

Image by Olia Gozha

スラム街の様な地区で生まれ育った俺は、中学の頃は少しグレていた。

中学3年のある日、授業中に眠っていた俺に、数学教師が「お前このままだと高校に受からないぞ」と言ってきた。

俺は「高校は行かないから別にいいよ」と言って、生活態度は変えなかった。

高校受験も受けずにそのまま中学を卒業して、地元の土建屋に雇ってもらったが、なかなか続かず、3か月ぐらいで職を転々とするような感じで生きていた。

仕事が続かなかった理由は特にない。

人間関係が嫌だったわけでもなく、仕事が楽しくないわけでもなく、強いて言えば、朝起きれなくてそのまま仕事に行き辛くなって辞めてしまう感じだった。

職を転々としているうちに、(自分は地球上で一番のダメ人間なんじゃないか・・・)と思い込むようになり、引きこもるようになっていた。

引きこもり始めるとあれよあれよと鬱っぽさが強くなり、死にたいと思う日々が増えていった。

死ぬ勇気もないので将来のことを考えていると、新聞の折り込みチラシで通信教育のチラシが入っているのを見て、とりあえず英語の教材を注文してみた。

届いたのはCDが30枚ぐらい入っているだけの教材だったかな、これを聞くだけ、みたいな教材。


三日ぐらい聞いた甲斐もあってか、今では「ペンパイナッポーアッポーペン」は言えるようになった。

そんなこんなで『なんじゃこの教材は!!なめとんか!!こんなんで英語が喋れるようになるなら誰も苦労しないだろ!!』と憤慨してそのCDは捨てた。


そして、(他に何か将来に役立つことはないか?)と考えていたら、パソコンの通信教材があったので、それをやろうと思って、申し込んだ。

数日後にパソコンが届いて喜んでいたら親父が怒って「仕事もしないのにこんな高いの買ってどうするか!!」と言って、送られてきたパソコンをその日に強制送還してしまった。

ちなみにこの話は1997年ぐらいの話かな、俺が16歳の頃だから約20年前ぐらいか、当時パソコンは高価だったしインターネットも普及していなかったので、今考えるとスラム街で貧乏暮らしをしていた俺たちからすると、かなり恐ろしい買い物だったかもしれない。

そりゃ、温厚な親父でも怒りますわ。

しかも、当時俺はタイピングすらできなかったし、猫に小判である。

(※ちなみに今現在俺はタイピングもできるようになって、インターネットアフィリエイト収入が年収200万円ぐらいあります。)


そんなこんなでお先真っ暗になった俺は、(とりあえず、土建屋では働きたくない、なんだか知らないけど将来性がない気がする、なんでもいいから中の仕事をしないといけない)と思って、ツタヤとかダイレックスみたいなお店のアルバイトの面接を受けまくった。

20件ぐらい受けたが全部受からなかった。

俺は本当にダメ人間だ、死んだほうがマシだ。

そう思いながらもIT企業とかの面接も受けていた。

中卒でタイピングもできないのにIT企業の面接を受けていたわけである。

今考えると笑える。

しかし、当時俺は本当に建築関係の仕事をしたくなくて、抜け出すためにはどうするかってことしか考えていなかった。

もちろんIT企業に受かるわけもなく、面接を受けるあてもなくなった俺は、また引きこもった。

なんやかんや、中学を卒業してから3年は経っていた。

同級生たちは高校を卒業して進学なり就職なりしていただろう。

俺は引きこもっていた。

※引きこもっていたと言っても友達がいなかったわけではなく、小さいころから遊んでいたスラム街の悪そなやつらとは遊んだりはしていた。


で、18歳の頃、中学の頃から付き合っていた彼女が、俺の子供を出産した。


仕事はやらないのにヤルことはやっていたわけである。



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