16/10/13
ウツで10代のうちに人生を壊され、道路に寝そべり、線路に寝そべり、もう二度と夢を見ないと決意したウツ男が、あることを意識するだけで
「180度変わった」と言われるまで成長したハイジャンプストーリー part1 ~永遠に罪が消えない『あの日』~

告白します。
たぶん、読んでいくうちに心苦しくなると思います。
なので、
辛くなったら読むのをやめてください。
でも、僕は書くのをやめません。
僕には、
『生きづらい世の中を、生きやすくするスキルの提供』
というミッションがあるからです。
何かしら、誰かの勇気の一歩となることを願って綴ります。
今では、関わる人老若男女が僕のことを
「若いのにすごいね」
「さすがだね」
「こんな若者に出会ったことがない」
「若いのにしっかりしてる」
「歳の割には落ち着いてるね」
「あなたの未来が楽しみ」
「自分の息子もあなたのようになってほしい」
「うちの従業員もあなたのように意識高くなってほしい」
と、ありがたいことに褒めてくださいます。
たくさんのありがたいお言葉を頂きます。
でも、
僕、こう見えて実はウツ男でした。

17歳のときに学校・部活・友達・恋愛・家族すべてをシャットダウンしました。
すべての始まりは、中学3年生からです・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
中学3年生の時に親友が
突然ウツになりました。
本当に突然でした。
何の前触れもなくその日は訪れました。
いえ、本当は突然でもなかったかもしれません。
一番近くにいた僕がただ気付かなかっただけなのかもしれません。
僕と親友は中学ではバスケ部で、
自分でいうのもなんですが
僕と親友のおかげで
当時、その中学の歴史上で一番強いバスケ部でした。
(以下、親友を「シュン」と呼びます。)
特に、シュンに関してはバスケセンスはピカイチで
身長も高くイケメンで
皆から親しまれる、才能を持った人でした。
そんな僕の鏡であったシュンがあんなことになるだなんて
想像もつきませんでした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ある日、いつも通りのバスケの朝練で
シュンが暗く、何も話さない日がありました。
周りの友達に
「どうしたか知ってる?」
と聞いても皆分かりませんでした。
あの時、僕が最初に声をかけて気にしていれば
シュンは自殺未遂までしなくてすんだかもしれません。
シュンは日が経っていくにつれ元気がなくなり
ついには学校に来なくなりました。
当時、彼女がいて学校では有名なほどラブラブでした。
その彼女に聞いても
「原因は分からない」と言われました。
彼女に聞いたときに初めて
「うつ病」
という言葉を耳にしました。
それまでは病気だと思わず、考えもしなく、
ただただ心配してただけでした。
そのとき
「シュンはウツなんだ」
と大きくショックを受けました。
僕や周りの友達は今までそんな経験もなく
どうしたらいいか分かりませんでした。
当時中学3年生です。
シュンは学校を休みがちでしたが、
しばらくして午後から登校して授業には出ず
学校のカウンセリングルームに通うようになりました。
そこの先生は今まで出会った中で
一番素晴らしい先生で、人間的に素晴らしい方でした。
僕もシュンもその先生を信用してました。
シュンはしばらく学校に来なかったので
学校に来て顔が見えるだけでも僕は嬉しかったです。
放課の時間は毎回
カウンセリングルームに遊びに行きました。
でも、シュンは口がまったく開かなくなり喋りたくないのか
話せなくなったのか分かりませんが
会話ができなくなっていました。
紙に字を書いて会話するようになりました。
それでも、顔が見られることが何よりも嬉しかったです。
部活の方にも出るようにはなってくれました。
大会も近く、シュンなくして
勝つことはできなかったので僕は嬉しかったです。
でも、その大会でシュンは
左腕を包帯でグルグル巻きにして来ました。
衝撃でした。
なにも言葉が出ませんでした。
中学3年生の僕にはあまりにも衝撃な事実でした。
しばらくずっと、
包帯が取れることはありませんでした。
もしかしたらシュンは何かを訴えてたのかもしれません。
誰かに聞いてほしかったのかもしれません。
そんなこと考えもせず僕は
ただそっとしておくのが一番だと思っていました。
そんなある日、僕はいつも一緒にいる友達6人を
家に泊まりにおいでよと呼びました。
もちろん、シュンも一緒です。
その日の夜、みんなが寝てるときに1人の友達(ヒデ)に
「話がある」と呼び出され
一階のリビングに降りました。
ヒデは気まずそうに口を開き、こう言いました。
「彼女を好きになってしまった」
最初僕は何を言っているのか分かりませんでした。
どうやらヒデはシュンの彼女を好きになってしまった、
というのです。
しかも彼女もヒデのことが気になっているそうで、
シュンと別れを決めているというのです。
でも、シュンがまだあんな状態だから
別れを言ったらまたひどくなるんじゃないか
と恐れていて言い出せないとのことで相談でした。
僕は残酷な状況に思わず涙が流れました。
普通のよくある恋愛話ではありません。
シュンはウツなのです。
とりあえず3人で話し合おうということになり後日
3人で話し会うことになりました。
ヒデも毎日顔を合わせる
同じバスケ部です。
雨が激しく降る日でした。
公園にシュンの彼女とヒデを呼び出し、
話を聞きました。
卒業したら付き合おうと思っていて、
ただ今は別れるべきではないと思っていると・・。
じゃあ、今はそうするしかないと、
その場はそれで落ち着きました。
なぜならこれ以上シュンが悪化したら
間違いなく
『死ぬ』
と思ったからです。
僕は家に帰って、
雨よりも激しく泣きました。
どうしたらいいか分からなかったのです。
一番いい方法が分からなかったのです。
シュンに言った方がいいのか、言わない方がいいのか
僕には一番いい方法が分かりませんでした。
それからしばらくして僕は友達みんなで
遊園地に行く計画を立てました。
みんな楽しみにしていて朝早起きして
遅刻しないように行こうと
ワクワクしながら計画を立てていたのに
当日の朝に事件は起こりました。
シュンから
「今日行けない。振られた。」
とメールが来たのです。
うわぁ・・・
僕は泣き崩れ、とりあえず友達みんなに
今日は中止と連絡し、
シュンには正直に言いました。
「ごめん、知ってた。けど言えなかった」
と。
そしたら、
「最低だね。もうだれも信じられなくなった。」
と返信が来ました。
今でもそのメールは鮮明に覚えています。
その日は生きてきた中で一番泣いて、
一番自分を責めた日になりました。
果たして一番良い方法はなんだったのでしょうか?
僕はどうしたら良かったんでしょうか?
誰も教えてくれる人がいませんでした。
その日からシュンには
完全にシャットアウトされました。
学校で会っても逃げられ
話しかけても完全無視です。
謝りの手紙を書きました。
シュンの家に行って謝りました。
たくさんメールで謝りました。
とにかく謝りました。
でも、シュンにとっては
謝っても謝っても許されることではなかったんです。
残酷なことにシュンの彼女と
彼女を好きなったヒデは
僕と同じクラスでした。
だけど、僕は責めることもできませんでした。
2人の気持ちも分かったからです。
2人も辛かったのを知っていたからです。
僕の生気は完全になく
クラスでも浮いてました。
そのときちょうど音楽会が近くて
頻繁にクラスで歌の練習がありましたが
僕は陽気に歌う気になんてとてもなれませんでした。
音楽会まで残り2週間となったある日、
いつも通り朝の時間に歌の時間がありました。
担任が見てる前で歌い、
僕はもちろん一口も口を開けることができませんでした。
歌が終わって担任が
「せっかくみんなで一つになって歌っているのに
たった1人のせいで台無しになっています。
先生悲しい。」
と、泣きながら訳の分からないことを言い出しました。
もちろんたった1人のせいでというのは、僕のせいです。
それはクラス中で分かっていることでした。
なぜなら以前ビデオで練習風景を撮ってみんなで見たとき
1人だけ暗く歌ってない僕がいたからです。
担任が泣き出して教室を飛び出しました。
「先生、泣きたいのは俺だよ!
お前に俺の気持ちが分からねえだろ!
こんな時に歌なんか歌えるわけねえだろ!」
これが僕の気持ちでした。
ですが、誰にも言ってなかったので
誰にも気持ちを分かってもらえず
押し殺すしかありませんでした。
完全に孤立しながら
僕はどうしたらシュンに認めてもらえるか考えて
必死に答えを探しました。
今では、いったいなんだその答えはと思いますが、
その頃はもう本当に必死だったんですね。
『音楽会を精一杯歌って最優秀賞を取る』
ことでした。
これがとりあえずシュンに許される行為だと思いました。
それからは男子のリーダーになって
みんなで一致団結しました。
音楽会当日の朝もシュンの家に行き、
お母さんに手紙を渡してもらうように伝えました。
手紙には今できる精一杯のことは
音楽会で精一杯歌うことだと伝え、
観に来てほしいという内容でした。
結局観に来てくれたのかは分かりませんが
音楽会では最優秀賞を取ることができました。
それからは少し関係が戻っていき、
まったく開かなくなったシュンの口が少しずつ開くようになり、
卒業式はお互い笑顔で終わることができました。
高校はお互い違う高校に行ったので
いつ完全に回復したかは分かりませんが
今では素敵な奥さんと可愛い子供が2人いて
フルローンで家を建てました。
これが僕の中学での出来事です。
つづく。