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16/10/10

偽り

Image by Olia Gozha

僕は自分を偽って生きていた。

自分の評価を上げるため、嫌なことも我慢し、ニコニコと笑っていたり、誰にでも優しく接したりと、本当の自分を隠していた。

だが、ある日のこと。同じクラスのAという女子にバレたのだ。

僕は公園に誰もいないことをいい事に、愚痴や疑問などを言って、1人泣いていた。

そこを見られたのだ。

次の日の昼休み、Aに話しかけられ立ち入り禁止の屋上へ行った。

どうせ、弱味を握った事をいいことに、取引などをするつもりだろう。そう思っていた。

が、Aは取引などは一向にしなかった。

僕が口を開こうとした時、ふわりとAに頭を撫でられた。

「無理しないで。泣いていいんだよ。」

その言葉で僕の中の何かがプツリと切れた。

涙が溢れて止まらない。

言葉も溢れて止まらない。

Aはそっと頭を優しく撫でるだけで、ずっと相槌をうちながら聞いていてくれた。

やがて涙も止まり、ありがとうと伝えその日は早退した。

次の日からは心が軽くなり、身が軽くなった。

Aには本当に感謝しているし、今でも親友だ。

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