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16/9/23

器用貧乏よ、立ち上がれ! | 「何でも屋」「なにもかもが中途半端」は○○なシーンで価値を発揮する/肩書きの数だけ、未来が拓ける vol.6

Image by Olia Gozha

スポーツ選手、芸術家、アーティスト…

尖った才能のある人はいつの時代も人々の羨望の対象です。


小学生の頃、絵や文章をかくのが好きだった私は、将来は作家になることを夢見ていました。だけど思春期になって、そうやって食べて行ける人は一握りで、自分はもっと堅実な生き方を選ぶ方がいいんじゃないかと「空気を読んで」考えを改めました。小さい頃からの転校経験によって空気を読むことは得意だったのです。


勉強して社会人になって、自分の力を発揮すれば良い!バリバリ働くぞ!次はそんな夢を抱いて大学時代を過ごし、社会に出て数年。あることに気づいてしまいます。


「どうやら仕事の世界でも、尖った能力を持つ人が活躍をするのだ」と。


広告制作会社に勤めていると、誰もがうなるコピーを書き、TCCなどの社外賞を受賞する人、地域活性の大掛かりなプロジェクトを仕掛けてメディアに出る人、業界横断の採用プロジェクトを成功させた人…。社内の社長賞やクリエイティブグランプリでは、同じ顔ぶれの先輩たちが毎回、同じように表彰されていました。


私の社内の評価でいつも上司から言われていた言葉があります。


それは

バランスがいいね。でも大きな実績がないよね」と。


広告制作も、チームをまとめるリーダー業務も、社内の業務改善プロジェクトも、あらゆることをそつなく、合格点レベルにこなす人。それが私の評価だったと思います。

そしてそれがとてもコンプレックスでした。何でも屋は、外すことはないけど、何かに飛び抜けているということはない。

社会に出ても、やっぱり突出した能力のある人が輝くものなんだな…20代後半は、そんなことを考えモヤモヤしていました。



独立してから、ある人に言われた一言に衝撃を受ける

絵をかくことが好きだった頃の自分にもう一度素直になって、映像・動画の仕事で独立してはじめの1年は、自分は映像畑出身ではないことが、やっぱり少しコンプレックスでした。

独学で身につけた映像制作スキル。もちろん、会社員時代から4年以上かけてコツコツスキルを養い、お金をいただいて制作できるから独立したのですが、カメラ、照明、音楽、それぞれに特化して磨き上げてきた映画業界の人たちからしたら技術的にはかないません。


そんなことでもやもやしていた頃、仕事先のとあるwebメディアの編集者の方から、こんな言葉をかけていただきました。


「ネットで動画をつくるとき、私たちが求めているのは映画やTVのようなキレイな絵や凝った編集じゃないことの方が多いんです。少ない人数で、低予算で、パパッと作って反応をみて、すぐに次の動画に反映させる。そのためには役割が細分化された会社だとどうしても反応が遅かったり、too muchだったりする。家子さんは企画も編集もできることが、価値ですよね」


自分では「なにもかもが中途半端」と思ってきたことが、今は価値だと言ってもらえる

スタートアップのように、まずは世に出してみて、反応を見ながらカイゼンしていくやり方が主流の今、身軽さやワンストップということがより重宝される時代なのかもしれません。とくに新しいことを生み出そうとするシーンでは。


身軽でいること、守備範囲を広げること。必殺技は持てなくても、得意技を組み合わせれば、自分にしかできないことが生まれるのだということを、改めて気づかせてくれる出来事でした。

20代後半のモヤモヤしていた自分は気づけなかったことですね。




・・・・実は、ここまでの話は私のblogに書いていたもので、書いたのは2年前。


そしてこの体験が、私に「もっと自分の得意技や経験の枝葉を伸ばしていくことが自分らしいキャリアの可能性につながるんだ」と気づかせてくれた1つのきっかけになっています。


2016年現在、独立してもうすぐ4年になります。

独立した頃は「動画ディレクター」だけだった肩書きも、「自由大学 『伝わる動画学』教授」、「ライター」、「著者」、「オンライン講座講師」、「コミュニティ”野望の商店街”主催」と増えてきました。そのどれもが愛おしく、どれ1つとして嫌々なものはありません。全て自分が選んで歩んできました。(収入も会社員時代よりも増えました)


この話をstorysにまとめようと思ったのも、責任感が強いからこそ任されたことを100%で返し、いつのまにか自分のwillを見失ってしまう、あるいは結果が出ている同僚や先輩と何が違うんだろう?とモヤモヤしている会社員時代の私と同じような人に、届けたいと思ったからです。

大丈夫!!!

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