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16/6/5

とある教室の片隅で 〜Misuzu's Lesson3〜

Image by Olia Gozha

【Misuzu's Lesson3】 最強の自信




パタパタパタ・・・

ガラッ!


『先生ーいるっ?』


『あなたはいつも元気よねー。

階段を駆け上がってくる足音で

あおいちゃんだってすぐにわかったわよ。』


『そうなんだ。

ってそんなことよりも先生に報告があってきたんだ。』


『なにかしら?』


『私ね、なんだか自分のことが好きになってきたの。

自分のキライなところをプラスの視点で見た時に

案外、いいじゃん。って思えたんだ。


面白いのが、

普段ちょっと苦手な子に対しても

自然とそういう風な目で見るようになったのね。


そしたらさ、苦手だって思ってた子と

仲良くなっちゃったの。

ふしぎだねー。』


『その子に対するラベリングを外したのね。』


『ラベリング?』


『一度、この人はこういう人だって

自分の中に認識しちゃうこと。

つまりレッテルを貼るってことね。

そうしちゃうと、あおいちゃんにとってその人は

こういう人だってことになっちゃってるから

それと違う面を見ることができないのよ。

そういうのをスコトーマとも言うんだけどね。』


『ん〜と??』


『わかりやすく言えば

ピンク色のサングラスをかけたら

世界は何色に見える?』


『ピンク』


『じゃ、黒いサングラスをかけたら?』


『黒』


『つまり、そういうこと。

この人はこういう人。

だから私は苦手だって思いこんじゃっていると

本当の姿は見ることができないの。


でも今回、あおいちゃんは

その人に対してもう一度ちゃんとまっさらな目で見たのよ。

だから、その人の違う部分が見えた、というわけ。

その人が急に変わったわけじゃないのよ笑』


『そうなんだ!

知らず知らずのうちに、私は彼女に対してラベリング?してたんだ・・・』


『実は彼女だけじゃなくって

あおいちゃん自身にもラベリングしてるかもよ?』


『えっ?自分自身にも??』


『よく、私ってこういう人だからって言う人いるじゃない?

それから

私はこうであらねばならないって思っている人ね。

意識的にも無意識的にもあるんだけれど・・・


たとえばあおいちゃん、学級委員やってるじゃない?

学級委員はこうあるべき、ってなにか思ったりしてないかしら。』


『あぁ、たしかに。

学級委員はみんなに優しくなくちゃいけない。とか

クラスをまとめなくっちゃいけない。とか

先生の期待にこたえなくちゃいけない。とか

・・・こう考えると色々でてくるな〜。』


『そうよね。

それが悪いわけじゃないのよ。

むしろ、ラベリングすることによって

自分の思い通りの人にもなれたりするの。


私はこういう人間だ。

って理想の自分をラベリングしたら

そういう思考や行動をとっていくようになるし、


逆に

たとえば小さいころに

あんたはおっちょこちょいだね〜なんて言われたら

ケアレスミスを沢山するようになっているかもしれない。


そのラベリングを受け入れたら

人はセルフイメージがそのようになっていくものなのよ。』


『セルフイメージ?』


『セルフイメージってね

自分はこういう人間だ、と思い込んでいる自己像のことよ。

意識の深いところで思っているから

なかなか気づかないこともあるのだけれどね。』


『えーじゃ、もしかして

そのセルフイメージがよくないとどうなるの?』


『そうね〜わかりやすく言うと

自信がなかったり、自己否定感が強くなったりするかな。

逆も然りよ。

セルフイメージがいいと大抵のことはできる、という自信があったり

私には価値がある、といろいろなことを受け取れるわね。』


『えーセルフイメージ、高いほうがいいじゃない!』


『まぁね。

でも、もともとみんな、セルフイメージって高かったのよ。』


『えっ?どういうこと?』


『赤ちゃんがハイハイの4つ足歩行から、成長していくと

足で立とうとするじゃない?

でも、バランスが悪いからすぐに転ぶ。

で、ぎゃーって泣く。

でもまた立とうとするよね。で転んでぎゃーって泣く。

それがエンドレスで繰り返される。


なんでだと思う?


自分が立てるって知ってるからよ。

自分が立てるっていう確信があるからよ。

だから何度失敗しても諦めないし

諦める理由がないのよ。


でもだんだんと成長するにつれてどう?

ちょっとの失敗で諦めたり、自信を失ったりしてない?』


『たしかに。失敗はコワイもん。』


『でも赤ちゃんの時は失敗って思ってなかったよね。』


『失敗って思ってたら諦めちゃうよね。』


『そう考えると、赤ちゃんってめちゃめちゃセルフイメージ、高いと思わない?

立てないはずがないっていう自信がある。

そこに何の根拠もないじゃない?

ある意味、最強の自信かもしれないわね。』


『いつから私たちは最強の自信がなくなっちゃったのかな〜?』


『ん〜きっと他人から刷り込まれたのよ。

何かうまくいかなかった時に人に笑われた、とか

バカにされた、とか怒られた、とか。

くやしくって泣いて、こんな思いをするなら

もう二度と失敗したくないーーーって思っちゃったりとか。

まぁ、要因は沢山あると思うのだけれども。


でもね、もともと私たちは赤ちゃんだったんだから

最強の自信、持ってたのよ。

それを思い出すだけね。』


『それはそうかもしれないけど・・・

そうは言っても今は・・・』


『うん、たしかに思い出すのは難しいかもしれないわよね。

かくいう私も絶対の自信ってないもの。


だからそんな時は“かもの法則“を使うことにしてるわ。』


『かもの法則?』


『そう。

例えば、できちゃう“かも“ね。

うまくいっちゃう”かも”ね。

って思うのよ。


本来ならば絶対できる!って言い切りたいところだけれど

心の内に不安材料があるのに、言い切れないでしょ?

だからそんな時は”かも”を登場させるのよ。


できる“かも”って思えたらちょっと安心するし

いい気分になるでしょ?

このいい気分ってのがポイントなの。


絶対できる!って本当に自信を持って言えるときは

気分もいいはずよ。


何か物事を成す時には

感情をしっかりいい気分にもっていくことが大切ね。』



『じゃ、今日の宿題は・・・


何かにチャレンジする時に

うまくいっちゃう“かも“

簡単にできちゃう”かも”と

ニヤニヤしてから始めてみる。

その結果がどうなったのかを分析してみましょう。』


『はーい。

“かも“ちゃんをばんばん登場させてみまーす』


今日も彼女は笑顔で帰っていった。



さて、これを読んでいるあなたにしつもんです。


Q あなたには絶対の自信がありますか?」


もしなかったら

“かも“ちゃんを登場させてみてくださいね。


何か行動をするときは

いい気分で始めましょう〜♪


そして、その結果がどうなったのか。

ぜひこのメールで返信というカタチで報告してください^^


それではまた!


参考文献【かもの法則】西田文郎著


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