◆第四話◆ ~お金がないって、ウケる!?~
私「つわりは今日で終わりーーーっ!!!」
ペルたんの言う通りに宣言してつわりを終わらせた妊娠8週。
つわりがグンと軽くなり、これで一安心かと思いきや、ペルたんの主張は止まらなかったのです。
早々に家事を手放してはみたものの
今度は仕事中にペルたんからの声がカラダの中で響くようになりました。
胎児(ペルたん)「ママ、ねむいよ。」
自宅をサロンにして整体の仕事をやっていた私は、特に通勤時間も必要なく比較的自由なお仕事スタイルをとっていました。
そして仕事に関しては大好きな仕事なので、妊娠してもやれるだけやりたい!という気持ちが大きかったのです。
だから産前働けるギリギリまでは働こうと思っていました。
だから最初はペルたんの声も気のせいだと思いスルーしようとしてしまっていたのですが・・・
胎児(ペルたん)「ママ、もっと施術を減らして!止まって!もっと寝たい!」
どんどん声は強くなっていきます。
ペルたんを妊娠することは計画していたわけではありませんでしたから
特に妊娠直後は妊娠前から入っていたご予約で毎日がっつり埋まっていて。
いつもの身体であれば余裕で対応できるのですが、妊娠初期の大きく変化していく身体には正直負担があったのは確かです。
お仕事してクライアントさんの施術をしたりお話したりしていること自体は楽しい。
それでも終わるとどっと眠気が出てきてそれ以上何もできない。
カラダはもっと休みたいと言う。
胎児ペルたんや子宮からの主張で最初に葛藤したことは「止まる」ということでした。
今までずっと「頑張る」ことを続けてきた私にとっては
「動く」ことよりも「止まる」ことの方が恐怖だったのです。
動いている方が分かりやすい変化や成果が見えて、ある意味安心なんですよね。
特に私は自営業。
さらには夫も自営業です。
産休などの保証もなく、お互いに仕事の波もある。
タイミングの悪いことに、ちょうどその頃は夫の仕事の波が少し停滞している頃でした。
私が産休前に稼いどかなきゃ。
正直そんな焦りもありました。
そして大好きでやっているはずの施術を減らせと言われたことにショックもありました。
それでも止まれ減らせ寝たいと主張するペルたんに話しかけてみると・・・
私「ねぇペルたん。止まれっていうけどさ、今すぐ止まれってこと?」
胎児(ペルたん)「そうだよ。何度も言ってるじゃない。」
私「だってクライアントさんも私の施術を楽しみにしてくれているしいずれ産休を取らせてもらうんだから今はできるだけやっておいた方が・・・」
胎児(ペルたん)「ママ?他の誰かのためじゃなくて、ママはどうしたいの?」
私「う・・・でもお金のこともあるし今のうちに稼いどかなきゃ。」
胎児(ペルたん)「だいじょうぶだよ。ママとペルたんはどうしたいの?」
私「・・・もっと休みたい。」
明らかにカラダは休息を欲していました。
でもその時は不安要素の方が大きかったのです。
まだペルたんを信じきれずにいました。
私「ペルたん、本当に施術を減らして大丈夫なの?」
胎児(ペルたん)「だいじょうぶだってば。ママは疑り深いなぁ。ペルたんのこと信じてよ。」
私「だって私も施術メインでやってきてるし私の都合で休んだりしたらお客さん減っちゃうかもよ?」
胎児(ペルたん)「ママは本当にそれが心配なの?」
私「うーん。それもだけど、パパの仕事も今ちょうど少ない時期だし。このままだと2人とも仕事なくなっちゃったらどうすんの!?」
私の中では深刻な心配事でした。
そんな私にこの後ペルたんが放った一言に、私は驚きのあまり腰を抜かしそうになったのです。
胎児(ペルたん)「・・・仕事ないとか言って・・・ウケる〜〜〜〜〜(笑)」
私「!!!!??」
なんだこのキャラは!!?
私「いやいやペルたん、仕事なくなったらお金がなくなるよ!?」
胎児(ペルたん)「お金ないとか言って、ウケる〜〜〜〜〜〜(笑)」
私「いやいやいやいやペルたん!!ウケてる場合じゃないし!!!!ペルたんの産まれた後の生活に関わってくるんだからね!?」
胎児(ペルたん)「そうやってママたちは自分で作った不安や心配の中で泳いでるんだね。」
私「自分で作った・・・!?だって今まで体験したことのない環境になるんだもん、不安や心配が出てきちゃうよ。」
胎児(ペルたん)「それがオモシロイのに。」
とっても驚いたと同時にすごく不思議な感覚でした。
ペルたんとこの話をするまでは、どこかお金の不安や、仕事がなくなっちゃうんじゃないかという心配や焦りがあったのに
私の中の一部である胎児(ペルたん)からはそれが「ウケる」なんて言葉が出てくるんです。
胎児(ペルたん)「だいじょうぶだよ。」
私「え、なにが??」
胎児(ペルたん)「ママもホントは大丈夫って分かってるでしょ?それにパパも化けるから大丈夫。」
私「化けるってどういうこと?」
胎児(ペルたん)「まぁ見てなって。だからママはいつもどおりパパのケツ叩いてりゃいいんだって。」
私の中からこんな声が聞こえるなんて、どう考えても不思議でしょうがありませんでした。
だって自分では全然ウケる状況じゃないと思っていたのですから。
何がウケるのかどう大丈夫なのか。さっぱり分かりませんでしたが
この根拠のないペルたんからの「だいじょうぶ」に不思議と気持ちが軽くなっていったのを感じました。
私「ペルたんがだいじょうぶって言うんだから、大丈夫かも!?」
私も頭のネジが一本抜けちゃったのかなぁ(汗)
・・・と、まだ不安はありましたが少しずつ仕事を減らすことにしてみました。
それまでは数ヶ月先とかの予約も受けていたのですが、まずはカラダの声を優先に。
体調がどうなるか分からない先の予約は取らないようにしました。
そのおかげで精神的にも肉体的にも余裕ができ、無事に安定期までゆっくりと休息を取ることができました。
すると面白いことに、施術の時間を減らして時間的な余裕ができたからこそできる
新しいイベントや企画の話がポンポンポンと舞い込んでくるようになったのです。
それも短い時間でたくさんの報酬をいただけるお仕事ばかりでした。
働く時間は減ったけれど、結果的に以前と同じくらいお金は回っていたのです。
そして安定期前に「今はやらない」と決めて休んだからこそ
やらない。やらない。やらない。やらない・・・やる!!!!
みたいな突然のやる気みたいなのも湧いてくる日が出てきました。
妊娠中だからこその波やリズムがあるんですね。
妊娠していない時のリズムと異なるからこそ最初は大いに戸惑いもしましたが
自分のいまのカラダのリズムを掴むこと。
その波に逆らわず乗っていくことは妊娠前も妊娠中も、そして産後の今も同じだなと実感しています。
それにしてもペルたん、「ウケる」とか言って女子高生かよ!!?
胎児ってこんなキャラなの~~~!?
と、この時はちょっぴり驚きました。
でもこうやってペルたんの言うことを聞いて少しずつそれに従うようにしていったら
だんだんとペルたんの発してくることも変化していったのです。
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ついつい頑張りすぎてしまう性格の私に、胎児はしょっちゅう「止まれ」と主張してきました。
一度止まっても、元気になるとすぐにまた動きすぎてしまうのでこの後もペルたんや自分のカラダに何度も叱られたものです(笑)
そんなあれこれはまた今後書いていく予定です。
それにしてもこの時の「ウケる」ほど衝撃を受けた胎児の声はありませんでした!
私にとって深刻な問題だった「不安」や「焦り」や「心配」
それはペルたんにとっては「ウケる」「面白い」こと!!
胎児がお腹の中にやってくる前の「おそら」の世界は「不安」や「悲しみ」などのない世界だと聞いたことがあります。
「愛」や「幸せ」で満たされた世界なのだと。
そんな最高の世界からなぜたくさんの感情がある地上に生まれたがるの!?
考えてみてください。
例えば主人公が最初から最後まで幸せで、満たされていて、何の起伏もない映画を観たいと思いますか?
どちらかと言えば波乱万丈で、山あり谷あり、ドキドキハラハラの映画の方が面白いと感じますよね?
カラダを持って生まれてくることの目的の一つは、感情に良い悪いはなく、そんなドキドキハラハラも全部ひっくるめて体験したい!というのもあるそうなのです。
私たちが頭では感じたくない!と思っている焦りや不安などの感情も、実はたましいのレベルでは「ウケる〜」と言って楽しんでいるのかもしれませんね♪
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◆このお話は、私の妊娠中の時感じていたお腹の中の胎児「ペルたん」とのやり取りを綴っています。
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