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15/11/22

送ったらうざいメッセージ、うざくないメッセージ 後編

Image by Olia Gozha

男性は納得出来ない様子だ。メッセージのやり取りは続く。

男性「今日の気温を考えたら、スーツは暑いよ。それにデートだから普段着でいいだろ。」

「別に、私はスーツで来てって言ってない。なんか感じが違うって言っただけ」

なにー!イライラっ!私までイライラする。

あくまで女性の方は

「私は何も主張をしていない」


というスタンスをとっている。

このように、男性は暗に女性がダメ出しをして指図をしようとするのを嫌がる。


男性は、はぁとため息をついて半ば愚痴るように私に言った。

「今日の普段着が残念だったって言ってくれたほうがまだマシでした。」

「ですよねー。どっちにしてもいい気分はしないけれども、率直に言ってくれる方がいいですよね。相手が責任回避して自己主張するのってなんかイヤラシイですよね。」


婚活をこじらせる女性の嫌な共通点は、
「主張するけれども、責任をとらない。」こと。

女性特有の共感力という素晴らしい能力が100%悪い形で出ている。


「私が嫌な思いをしたことをあなたは100まで言わなくても共感しなさい」


と押し付けているのだ。

「私が嫌な思いをした」という自分の気持ちを押し付けている。すっきりするのは女性だけだ。


男性は

「これも見て下さいよぉー」



と言って別のLINEも見せてくれた。


「ねぇ、なんか不満があるなら、その場で言ってくれないかな?会った後に色々メッセージで読むのは、正直しんどいよ。」

「私、その場だと言葉がパッと出てこないんだけれど、家に帰ると整理されてだんだん言語化されていくの。」

「その言語化されたものってほとんどダメ出しだよね。書いている言葉だとすごくきつく聞こえるから、直接言って欲しい。LINEでも電話できるじゃないか。」

「電話ってなると、緊張して言いにくいの。」


つまり、と向かって言えないようなことをメッセージという手段を使って伝えようとするのだ。

どうして面と向かって言えないのか。

2つの理由がある。一つは、相手がダメージを受ける姿を見たくないからである。そのメッセージを放てば、相手を傷つけることをどこかでわかっている。目の前で傷つけて罪悪感を持ちたくないのだ。

 もう一つの理由は、相手から反撃を受けないためである。メッセージはとても一方的に書ける。自分が言いたいことを最後まで書いていっぺんに送信が出来る。全部言いたいのだ。だから電話や直接会うという手段をとらない。


いずれにしても、「自分が伝えたいことを伝えてすっきりしたい」というのがモチベーションになっている。


男性は続けた。

「こんなメールもらったら、本当にやる気なくしますよ。」

「なんだか一方的な感じがしますよね。」

「そうなんです。一方的にボカスカ殴られている感じがして、辛くなってくるんです。それで『もううざい!』ってなるんですよ。」

「なるほど!!!!つまり、不満を一方的にメッセージで書いてきたり、ほのめかしたりするメールがうざいってことですね。」

「はい。先ほどお話しましたが、メールの長さの問題ではありません。面と向かって言えない不満をメッセージで書いてくることがうざいんです。」

「スーツの話みたいに、直接不満を言っていないけれどもほのめかしてくるのもうざいっていうことですよね。」

「そうです。ほのめかしも含まれますっ!!」



後日、私はメールマガジンのふりをして彼女にメールを書いた。

「面と向かって言えないダメ出しをメッセージで伝えてはいけない。」というタイトルでたった一人のために送信したのだ。時々私がやる手段である。


すると、彼女からメッセージが来た。素直にリアクションしてくれてよかった。

「こ、これ私はやっていたかもしれません。でもやっぱり問題は話し合って解決をしたほうがいいと思って。でも面と向かって言えないし。だからメッセージを使って伝えていたんですよ。」


私は、彼女に電話をした。

「本当に解決しなければいけない大切な問題は、ちゃんと相手の顔や反応を確認して言わなければいけません。相手の反応を無視して書くのは、自分だけすっきりしたいというエゴなんです。 相手の顔や反応に責任を持てないなら、あなたには問題を解決する資格はありません。無責任に伝えたところで、相手の気持は動かないからです。これをメールで伝えると、言葉がきつくなるので、電話をさせてもらったんです。お時間をとらせてすみません。」

「ああ、電話だと安心しますね。大西さんがどれだけ真剣に考えているのか伝わるので。」


あ、ここで彼女に言うべきことを思いついた。

「相手を傷つけないように言葉を選びながらしどろもどろしゃべったって、その気持ちは伝わりますから。しどろもどろの中に、配慮している気持ちがこめられるので。これからはメッセージじゃなくて会うか電話で伝えるようにしてくださいね。」



その後、彼女は次のお見合いで出会った人と結婚をして現在一児の母だ。

うざいメッセージを送るのをやめたら、母になることができたとも言える。


ちなみに、うざくないメッセージというのはとてもシンプルだ。うざいメッセージ以外のメッセージ全般だ。つまり、うざいメッセージさえ送らなければうざくならない。だからメッセージを書くのに必要以上に萎縮する必要はないのである。


メールがうざいかうざくないかは、婚活が早く終わるか長期化するかに大きな影響を及ぼす。口はわざわいのもとならぬメッセージはわざわいのもとなのだ。

大事なことは書かずに、相手の反応を見ながらしゃべって伝えようっ!




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