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15/6/27

【第1話】19歳で父親になって葛藤に苛まれていたぼくがとあるNPOに出会って人生が変わった話。

Image by Olia Gozha

「19歳で父親になった話」のエピソード2


「19歳で父親になった話」をSTORYS.JPに投稿してから早2年。

『19歳で父親になった後、その後どうなったの?』

『その後の話が聞きたい!』

というコメントを多方面から頂戴しておきながら、筆不精のぼくはなかなか筆を取れずにいたのですが、友人や後輩が続々とストーリーを公開しているのを見て、そろそろ続編を書こうかなという気持ちになってきました。

「ホームがアウェイ」じゃなくなった。

結婚を決めた直後からマスオさん生活がスタートして「ホームがアウェイ状態だった」というのは以前のストーリーでも書きましたが、これは長男が誕生したことによってみるみるうちに変わっていきました。

やはり「孫」という共通の話題ができたことや、それまでは「血の繋がっていないただの男」だったぼくが、「かわいいかわいい孫の父親」になったことで、見方が無意識のうちに変わったのかもしれません。

いや、それ以上にぼくが勝手にはめていた「心のリミッター」が外れて、自分から積極的に義父母に話しかけられるようになったのかもしれません。

いずれにせよ、長男が生まれたことによってぼくにとって「アウェイ」だった「ホーム」(自宅)が「帰るべき住処」としての「ホーム」に変化していったのです。

20歳の父親に早速訪れた試練。

そうして「父親」になったことによってポジティブな側面はたくさんありました。

「子育て」なんて当然はじめてのことだったので、できないことばかり。

出産に立ち会って「出産において男がいかに無力か」ということは痛感したので、

せめて子育てくらいはできる限りのことをしよう、と思ってはいたものの、

「どうやったらいいか?」がさっぱりわからない。

そんな中、早速試練が訪れました。

長男が生後2~3か月くらいの時に、妻の高校時代の友人がアメリカに飛び立つので、

彼女を見送りに高校の友人たちと一緒に成田空港まで行く、というものでした。


「「行ってもいい?」」

という妻に対してぼくは

ぼく「「もちろん!長男はオレが見ておくから大丈夫だよ。オレに任せて行っといで!」」

といい旦那さんアピール。

なんだかんだ子育てについては妻にまかせっきりになっていた自分を変えるチャンス!

とも思いました。

ただ、いざ引き受けてみると大変で大変で。

いつも、24/7一緒にいるママがいなくなったことでやっぱり長男は不安になるのですよね。

おとなしくしていたり、ご機嫌にしているなーと思ったのもつかの間、泣き出す長男。

抱っこしてあやしてもダメ。

「お腹すいているのかな?」と思って哺乳瓶に予め搾乳しておいた母乳を入れてあげてもダメ。

咥えはするものの、ちっとも飲んでくれない。

ますます泣きじゃくるわが息子。

「あー!もう無理だよ!どうしたらいいの?」

当時若干20歳だった新米パパには太刀打ちができない状況でした。

諦めた瞬間、スヤスヤ眠った長男。

思えば、ぼくは長男をコントロールしようとしていたのです。

「早くミルク飲んで、寝てくれないかな。」

なんて。

赤ちゃんの直感は鋭いもので、そういうぼくの気持ちを見抜いていたのですね。

そのせいか、眠ることはおろかミルクすら飲んでくれずに泣きじゃくる長男。

そんなこんなであっという間に1時間以上は経ったかと思います。

そこまで来てようやくぼくは「コントロール」することを諦めました。

「分かった。分かったよ。ここまで来たら、トコトン付き合うよ。」

そうして諦めた直後、さっきまで一切ミルクを飲んでくれなかった長男が、

驚くようにグイグイミルクを飲んでくれました。

「わー!!飲んでる飲んでる!!」

さっきまで全く相手にされていなかった若干20歳の父親が、ようやくわが息子に認められた瞬間。

1時間以上もの死闘が手伝ってか、なぜだか涙があふれてきたのを覚えています。

その後、お互い疲れ切ったのか寝室で寝かしつけている間に気付けばぼくも寝落ちをしてしまっていて

気付いた頃には妻が帰って来ていました。

「ただいまー!ありがとうね!どうだった?大変だった??」

「おかえりー!ん?全然大変じゃなかった!というのはウソだけど、良い一日だったよ!」

この日以降、ぼくは「パパのやる気スイッチ」が入ったかのように、これまで以上にすすんで

長男を見るようになりました。

試練を乗り越えることで、父子の絆が強くなる、ということを感じた20歳の夏でした。

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