一カ月半続いた採点バイト。
個性豊かなご婦人方に囲まれ(可愛がられ)、非常に楽しく仕事をすることが出来ました。最終日はバイト中のあれこれが思い出され、公演千秋楽前のようなおセンチな気分に浸ったほどです。
連日皆さん「飴ちゃん」を配って下さるのですが、その数が10個以上になります。総数ではありません、一日の平均です。そんなに配っておきながら
ご婦人「飴って案外カロリー高いのよね~」
ハムレットの「生か死か」の問題にも通じるものと思います。しかし飴は案外ではなく、案の定カロリー高いです。僕のような飴との関わりが少ない人間は一度にそんなに貰うとどう処理したら良いものか(1日2個も食べれば十分です)途方に暮れるのですが、そこはご婦人方さすがです。「飴袋」なるジッパーのついた袋を持参し、余ったものは他の日に人に配っておられました。そういうことなのかと気づいた時はもう最終日、リュックには飴がパンパンに詰まっています。
もちろん飴ばかりなめているわけではありません。一日500枚程度の答案の採点に勤しんでおりました。特に作文の採点では哲学的な命題とぶつかることが多かったです。
例えば
問題「印象に残っている学校の行事を挙げ、説明と感想を記せ」
この問題では「行事とは何か」、「感想とは何か」という問いにぶつかりました。特に行事に関してはお子さんを持っている方は皆一家言あるらしく、議論になります。身体測定は日程表にあるので行事、学力テストは授業の一環なので行事ではない(しかし日程表にあるところが悩ましい)と選別しているところで、
僕「調理実習はどうですかね?」
ご婦人方「それは授業でしょ!!!」
実は同じ班にもう一人若い男性がいたのですが、休憩時間に「調理実習だって行事だと思いますよね」「うんうん」と慰め合ったのは今となっては良い思い出です。
また聞き取りテストで、本屋になって本を売りたいという女の子の話を聞いてその子に質問を書くという問題があったのですが、
ある小学生「ブックオフに売りに行くのでは駄目ですか?」
いったいどんな子なのだろうかと想いを馳せました。「なせそんなことを問う?」の彼ほどのインパクトはありませんが、生活感のある面白い解答だと思います。