昔アメリカはボストンのスターバックスで働いていた時の話。
アメリカのスタバはかなり注文が細かく働いていて真剣がピリピリする。
例えば温度。
105度(華氏)のホッとチョコレートの注文。
160度のラテの注文。
ミルクは170度で泡は175度でとの注文。
7と半分ポンプのバニララテ。。。
氷5個
とにかく注文が細かすぎる。
イライラ度マックスに付け加え私が働いていた店舗はモールに直通した某ホテル内にあり行列が出来る程。ボストンはゲイのメッカなのでゲイがらみの訳の分からない苦情とかも来る。
一度は超肥満なゲイが多分一番大きいカップのベンティサイズのアイスラテをもう一杯無料で飲みたかったのかもう少しで飲みきるってタイミングで苦情を言ってきた。
「ちょっと〜〜〜、、このシュガーフリーバニララテ、ココナツの味がするわ?」との苦情。
そ、そんなココナツシロップ入れてません。。
そこでなんと私をカバーする立場の従業員が「あ、きっと彼女がエスプレッソのショットをプラスチックのコップに最初にいれてコップが溶けてココナツの味がしたのよ」とチンプンカンプンな返答。
ゲイの客は満足そうに!
「きっと、そうよ!!思った通りね!」と満足そうにもう一杯無料でコーヒーをゲットした。
こんな状況下で働いているので心に余裕など全くない。ラテ作りとの格闘、時間と注文の多い変なお客との戦い。精神的にもかなりのプレッシャーだ。。
そんな状況かのスタバでの一日。その日は雨が降っていてお客の数も普段より多かった。
私はたった一人でラテ作りを担当。およそ1メートル程あるエスプレッソメーカの上にはオーダーされたコップがずらりと並びパニック状態が続く。。
そんな時どうみても日本人男性の数人が入店。忙しすぎてあまりゆっくり観察?できなかったが一瞬で日本人!と分かるオーラが出ていた。そのうちの一人は青のおちょぼサングラスを掛けている。
アメリカの建物(モール)の中でサングラスを掛け続けるのは珍しい。
わ〜〜この人怪しい、建物の中でサングラス。。いやらしい雰囲気、とあまり気にも留めずひたすらラテを作っていた。でもその怪しい眼鏡?の持ち主はなぜか私の方をジロジロみてる。。
な、なんだこの人。。
そして私の中のラテバトルがスっと一瞬波を引いた時に新たな思考が。
なんか。見た事あるなこの怪しい人。
そしてじっとこっちを見つめるその日本人男性の顔を良くみてみる。。。。
どこでみたことあるんだっけ?
ラテを作りながら考える、そしてもう一度よくみてみる。
ラテを注文するのに近づいて来た彼。。。
そして心の中で大きな花火が爆発したような音がした!!
や、や、やばい!!!
この人!!!!!
イチローだ!!!
理解が出来た瞬間私はかなりパニクってエスプレッソバーの後ろにしゃがみ込み叫ぼうとした声を必死で押さえなんとか平静を取り戻してラテ作りに復帰。。。
心臓の爆音が口でなってるんじゃないかってぐらい緊張する。
イチローがなんと「あの子日本人かな?中国人かな?」とお連れの方と話している。。。
や、やばい、、私の事話してる、なんて言ったら良いんだろう?
ラテを作りながら必死で考える。
「イチローさん?ですよね?」
「イチローだ!」
「イチローさん初めまして」
色々アイデアは浮かぶがどれもしっくり来ない。相手はこっちの名前を知らないからいきなりイチローさん!と言っても怪しまれる?もう頭の中はグルグルとして何の言葉もでない。
普段シャイとは正反対な私だがイチローの大ファンなのでもう失神しそうなのを我慢しながらなんとかラテを作る。。
そしてイチロー様のラテを作る瞬間。。。
アメリカのスタバでは無脂肪乳と脂肪乳(ノンファットミルク)(ホールミルク)の注文ができピッチャーも2個用意してミルクをスティーマーで温める仕組みになっている。
1メートルに及ぶラテのオーダー。ノンファット、ホールミルクの大きなピッチャーはスティームしてに直に無くなってしまう。
そしてイチロー様のラテを作った時もこの事件が起きた!ホールミルクが無くなった。
またスティームするのに2−3分かかるもう10分以上待たせてる。。
そして名案が浮かんだ!!
そうだ混ぜよう!
そしてホールミルクを頼んだイチロー様のラテの3分の1位はノンファットミルクを足して出来上がり!そんなインチキラテに気付かずイチロー様は嬉しそうにラテを持ってお店を出て行った。。
そして興奮しすぎた私。イチローが店を出た瞬間3歳児のようにジャンプしまくって大喜びしていた。でも悲しいかなその時一緒に働いていた従業員はイチローの事を全く知らなかった。。。
ちっとも盛り上がらない。。。。(涙)
この興奮を誰かに伝えないと!
10分休憩の時隣りにあるお寿司屋さんの板前さんが日本人なので興奮して足って話しにいった!!
「聞いて下さい!聞いて下さい!!!!イチローが来たんですよ!!!!!」
興奮しまくっている私を板前さんが
「まあ、まあ、落ち着いて落ち着いて」と苦笑い。
そんなハイパーな私をみてカウンターでお寿司を食べていた白人男性が私の肩を叩いてきた。
「ちょっと、ちょっと君。なんでそんなにイチローの事で興奮してるんだ?」
なんて失礼な!と思い彼の目をみて
「あなたはイチローに会えたら興奮しないの?」と聞き返すと、、
「しないよ!!だって僕たちチームワークだよ!僕の名前はジェイジェイ!」といって握手してくれた!!なんとその白人男性はイチローが当時所属していたシアトルマリナーズのピッチャーJ.J. Putzさんだった!!彼はアメリカでは有名なピッチャーで後で友達に話したら驚かれた。
ジェイジェイがその後となりに座っていた男性を紹介してくれた
「シゲだ。知ってるか?」と聞かれた。
その日本人男性シゲさんは当時シアトルマリナーズで活躍していた長谷川投手だった。。。
長谷川さんには「君、僕朝スタバ行ったけど見かけなかったね」と気さくに話しかけて下さった。
「午後からのシフトだったので」などと普通に会話をした。。。
なぜなぜなぜ、、イチローとこんな風に話せなかったのだろう!!と後悔する。
アメリカのスタバで日本人が働いてるのは珍しかったのか?だからイチローは私の事を見ていたのか?もう本当に惜しいチャンスを逃した!!写真でもサインでももらえば良かった!!
スタバのコップにサインをしてもらえば良かったなどなど後悔先に立たず。。。。。
そしてイチロー様本当に焦ってインチキラテを出してしまってごめんなさい。
あなたをあれ以上待たせたくなかったのです。。。
許して下さい。。(汗)
今でもあなたの大ファンです!!❤❤❤❤❤