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14/9/27

自分にしかないものを探して

Image by Olia Gozha

ひとりの踊り手として認められたい

身内や、スタジオのメンバーが認めてくれても、私を知らない人に踊りで感動させる事が出来なければ、一人前とは言えないと思う。

私は特別美しい容姿でもなく、特別秀でた技術がある訳でもない。

やっと見つけた自信も、儚いものだった。

私にとっては努力の塊みたいなものだった。

毎日踊りの事だけ、テクニックの事だけ考えて練習して、エジプトにまで行ってやっとのことで身につけたテクニック。なかなか出来る人いないし、これで私にしかできない事ができた!と思っていた。

だけど、後に続くエジプト行きのダンサーさん達。

テクニックってみんなもそのうち出来るようになるし、世界の舞台を見れば上には上がいる。

私が自信をつけたはずのテクニックなんて、特別私にしかできない事でもなんでもなかった。あれだけ欲しかったものなのに、そこに自信や強みを持っても、脆すぎて常に脅かされる不安も同時に持つことになる。


テクニックも、容姿も、強みにならないのであれば、どうしたらいいの?

この私が、何も特別な才能や強みがないことは、きっとデメリットではなく、余計な所に自信をつけないためでもあったのかもしれない。


答えが見つかった今はそう思うことが出来る。

メイクや衣装も剥ぎ取って、全く動かない私に残るものは、音楽を聴いて感じる心しか残らない。


誰にも触れないし、真似できない。


音楽を聴いて思い浮かべる風景、感情、香り、自分が感じた全ての美しさをどこまで伝えられるのだろうか。それを表現することに全てのエネルギーを込めて、生きる力を伝えること。

情熱、愛、癒し、希望、楽しみ、幸せ、快楽。

人の生きる力は心の中の感情だから。

健康であっても自殺してしまう人がいるように、心の中に光がなかったら生きる意味をなくしてしまう。

人の心に光を灯すこと。生命力を与えることが仕事。

自分の感性を表現する事に全力を尽くす事。それが唯一私にしかできない事をする方法なのかもしれない。

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