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14/6/13

たった一つの出来事で運命は変わる

Image by Olia Gozha

「将来、プロ野球の選手になるんだ!」

思えばこの一言が、僕の運命を変えたのかもしれない。



カキーン!走れ走れー!!!!


その音が僕を虜にするのに時間はかからなかった。

僕が9歳の頃、通っていた小学校から聞こえる金属音と大きな声。野球という名前は知っていたものの、実際にやったことがない僕は白球を追いかけている僕よりも身体が大きい先輩たちに憧れた。


「ねえ、野球部に入ってもいい?」

「やるからには一生懸命やるんだぞ」


9歳の夏そんな簡単なやり取りで僕の野球人生が始まった。




それから、365日のうち300日くらい毎日と言っていいほど野球をしていた。

もちろん練習は辛かった。けど、それ以上に野球が楽しかった。ただひたすらあの白球を追いかけるのが生き甲斐だった。

近所の人「司君は本当に野球が好きなのね。」

「うん!将来はプロ野球の選手になるんだ!!」


子供の頃というのは自分は何にでもなれると純粋に思っていた。

仮面ライダー、ウルトラマン、○○レッド、テレビに出る人。その中でも僕が惹かれたのはプロ野球選手。もちろん必ずなれると思っていた。


12歳4番ピッチャー

13歳シニアリーグに入部

14歳部内での僻みに耐えながらもレギュラーを取ったが

15歳監督からの嫌がらせに耐えかね秋に退部

15歳中学3年のシニア引退の時期より少し前に退部したが、県外の高校から野球推薦の誘いがきて、悩んだ結果、県内屈指の強豪校へ進学を決意。

苦しかったが自分の夢に向けて順調にキャリアを積んでいった。

「高校ではもっと頑張りなさいよ」

「うん。頑張る」




そして高校へ入学

甲子園出場、ドラフト1位で巨人へ。そんな夢を抱いた僕は期待と不安のなか、硬式野球部へ入部した。























高校入学してひと月も経たない4月の下旬。


あの事件が起きた


全国新聞に掲載されるほどの暴力事件。3年生から1年生への毎年恒例となっているシメというものなんだろう。1年生はトレーニングルームに集められ、部屋を真っ暗にされ、その場に正座をさせられ、耳元で上級生の怒号が聞こえ、叩かれる。背が高く、左利き、投手という野球をやるものにとっては誰もがうらやむ条件を持っていた僕は誰よりもやられた。しかも目を瞑ったままだったので、何で叩かれたとか、全くわからない。唯一分かったのはバットを使っていたということ。

このまま死んでしまうんじゃないかと覚悟を決めたくらい怖かった。

時間にして2時間くらいだろう。ずっと正座をして耐えていた。死と隣り合わせになりながら…。

その時、部屋の扉が開いた

警察「君たち、何しているんだ。」


警察だった。きっと近所の人が通報したのだろう。

助かった。もうだめかと思っていた。そしてその日は夜も遅かったので、次の日事情聴取を受けた。


もちろん野球部は春期大会出場辞退。全国新聞にも暴力事件があったと掲載された。

事情聴取された日、顧問の先生と生徒指導の先生が家にきてこう言った


顧問「卒業までこのようなことがないようにいたします」

生徒指導「きちんと司君を卒業できるまで守ります」


その言葉を両親も信じ、僕は野球を続けた。


自分の夢を叶えるため。両親の喜ぶ顔が見たいために…。

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