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14/6/9

就職から逃げる

Image by Olia Gozha

とりあえず通う事にした専門学校。

適当に選んだ割には

真面目に学校には行ってたと思う。

他にやることもなかった…というのもあり。

適当に選んだ学科だったが

Photoshopとかイラストレーターを使って

絵を描いたり写真の合成とか

デザインの事も学ぶ学科だったが

これが意外と面白かった。

動画編集もやった。

自分でシナリオ考えて絵コンテ書いて

撮影して編集して

なんて事もやった。

一年の終わりになると、

就職活動で周りが慌ただしくなってくる。

「あー…就職したくねぇな」

ずっと思っていた。

まだ遊びたいなと思っていた。

とりあえず同じクラスのやつと一緒に

動画制作会社に面接には行ったが

家からも遠かったし

そもそも働く気はゼロだった。

受け答えもネガティブな返答しか

しなかったと思う。

スーツを着るのもいやだった。

髪を切るのもいやだった。

就職をする事に異様な抵抗があった。

なぜ働かなくてはいけないのか?

なぜ履歴書びっちり書いてスーツ着て

どうでもいい大人の前で緊張しながら

面接をしなければいけないのか。

受かるかどうかも分からない会社の

うざい面接官から

うざい質問を丁寧に受け答えしなくてはならない苦痛。

その苦痛を乗り越えた先に待っているのは

社畜になるという更なる苦痛。

そう考えると本当に嫌だった。

こんなに嫌な事を何十社とするのが普通というのが

意味が分からない。

就職活動というものは

後にも先にもそれ一回のみ。

二度とやりたくないあんなものは。

フリーターの方がよっぽどましだと

真剣に思っていた。今でもそう思っている。

就職活動というフレーズは

今も聞くだけで嫌悪感を感じる。

だから逃げたった。就職から。

そして2年の4月くらいにこんなことを考え始める。

「バンドで飯が食えたらいいな」

昔から、自分の好きな事をやって

お金を稼いでいるミュージシャンに憧れていた。

(特にL'Arc〜en〜Ciel)

やりたくもない仕事やって安月給もらうよりも、

自分の好きな事やって大金を稼いでる方が夢があるし。

しかも応援してくれるファンもいっぱいいる。

自分のためにやっている事が相手のためになっている。

自分が死んでも、作った作品は残り続ける。

それが出来るんだったら絶対そっちの方がいいや。

と思っていた。

本音を言うと「就職したくない」

という気持ちの方が勝っていた。

それから担任と、親に音楽がやりたいと言って、

音楽の専門学校に行くことを決めた。

就職から逃げるように。。

よく親はOK出してくれたなと今になれば思う。

専門行って、また専門だし笑

音楽の専門学校も

調べていくと色んな種類があって

舞台を作ったり演出をしたりする

裏方専門のところもあれば

楽器のプレイヤー専門として学ぶところもあって。

俺はバンドがやりたかったから

プレイヤーとして学べるところがいいなと思って。

普段音楽雑誌を買っていたから

その広告に載っている学校を片っ端から調べた。

どこも似たような感じで

どこ行っても一緒かな…そんな風にも感じた。

当初は東京の学校に行くつもりだったけど

最終的には名古屋にした。

名古屋にした理由は、

「付き合っている彼女と出来るだけ離れたくない」

と、たったそれだけの理由。

当時同じバイト先の先輩と恋愛関係になった。

結局その彼女とは

名古屋に引っ越す直前に別れてしまった。

後で考えれば東京にしといた方が

良かったのかなと思ったり。

音楽をやる環境としては、

東京の方が良かったのかもしれないが

あそこは…住むところじゃないかなと感じた。

都内は特に。住めば都なんでしょうが。

一度体験入学という形で

東京の高田馬場にあるESP系列の学校に

行った事があったが

まぁ駅前が人。人。人。

改札が人で見えなくて

買った切符落としたら終わりだな

なんて思っていた。

ある種の恐怖を感じた。

田舎から上京する人はよっぽど勇気あるなと

思った。

俺はそこまでの勇気はなかった。

そこまでの覚悟もなかった。

音楽を勉強出来るならどこでも良かった。

…そもそも音楽がマジでやりたかった

という訳でもなかったと思う。

失恋の痛みと都会暮らしの不安を抱えながら

名古屋での一人暮らしをスタートした。

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