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夫婦で同時期に入院された方々がいた
診断は、夫婦ともに末期ガンであった
余命としては、旦那さんの方が早いと言われていた
しかし実際は奥さんのほうが早く亡くなられた
奥さんが亡くなる前の数日間は、旦那さんや娘さんが病室につきっきりであった
旦那さんも決して状態は良くないので、点滴をしながら
自分の部屋と奥さんの部屋を往復しながらつきそっていた
そして数日後に奥さんは亡くなられた
旦那さんは病院から外泊をして、奥さんの葬儀の喪主をつとめた
そして娘さんにこう言った
「俺も少ししたらこうなっちゃうんだな。。。」
葬儀は終わり、旦那さんは病院に戻ってきた
だいぶ無理をしたのだろう、明らかに体調は悪そうな状態であった
今度は娘さんが旦那さんに付き添い続けた
その数日後、旦那さんは亡くなられた
亡くなる前の日、旦那さんは自分にこう言った
「今まで娘とは絶縁状態で、会うことすらほとんどなかったんだ。
それがこの病気になって、こんなに話すようになるなんて。。。
この病気になってかえって良かったことだよ。」
そう話す旦那さんの表情は笑顔であった
どんなに仲が悪くても、家族はかけがえのないものなんだとつくづく感じた
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