top of page

14/5/24

犬は永遠の一歳児。犬を大切にしよう。

Image by Olia Gozha



小学生の時、ウチに犬が来た。

白い和犬の雑種で、「シロ」と名付けた。

はじめの頃は学校から一目散に帰り、いつも一緒に遊んでいた。


けれど、飼い方を知らなかった。

正しいエサの与え方も、散歩のさせ方も、しつけの仕方も、

何も知らなかった。


父は会社で、母はお店で忙しく、そして僕は友達との遊びに夢中で、

シロへの関心は薄れていった。

やがてシロは病気になり、とても可哀相な死に方をさせてしまった。


最後の日の朝、保健所からクルマがやって来た。

母は高級品だった鮭缶をお店から持ってきて、シロに与えた。

そして「ごめんね」と言った。

僕は激しく後悔した。


● ● ●


それから30年後、

仕事でペットフードや関連グッズのECサイトを立ち上げることになり、

当時二子玉川にあった「ねこたま・いぬたまパーク」へ毎週通った。


打ち合わせが終わると、敷地の隅にあった「子犬と子猫コーナー」に立ち寄り、

時間の許す限り子犬をながめていた。

そしてある日、生まれて3カ月の豆柴を衝動的に買った。

「ラッキー」と名付けた。


ラッキーは、もう13歳になる。

ここには書けないいろんなことがあった。

ラッキーが人間の言葉を話せたら、と何度思ったことか。


犬は永遠の一歳児だという。

子どもがいない僕は、何かを大切にするということをラッキーから教わったように思う。


犬を大切にしよう。


●ねぇ、マリモ(『いぬのえいが』より)

←前の物語
つづきの物語→

PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

急に旦那が死ぬことになった!その時の私の心情と行動のまとめ1(発生事実・前編)

暗い話ですいません。最初に謝っておきます。暗い話です。嫌な話です。ですが死は誰にでも訪れ、それはどのタイミングでやってくるのかわかりません。...

忘れられない授業の話(1)

概要小4の時に起こった授業の一場面の話です。自分が正しいと思ったとき、その自信を保つことの難しさと、重要さ、そして「正しい」事以外に人間はど...

~リストラの舞台裏~ 「私はこれで、部下を辞めさせました」 1

2008年秋。当時わたしは、部門のマネージャーという重責を担っていた。部門に在籍しているのは、正社員・契約社員を含めて約200名。全社員で1...

強烈なオヤジが高校も塾も通わせずに3人の息子を京都大学に放り込んだ話

学校よりもクリエイティブな1日にできるなら無理に行かなくても良い。その後、本当に学校に行かなくなり大検制度を使って京大に放り込まれた3兄弟は...

テック系ギークはデザイン女子と結婚すべき論

「40代の既婚率は20%以下です。これは問題だ。」というのが新卒で就職した大手SI屋さんの人事部長の言葉です。初めての事業報告会で、4000...

受験に失敗した引きこもりが、ケンブリッジ大学合格に至った話 パート1

僕は、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ、政治社会科学部(Social and Political Sciences) 出身です。18歳で...

bottom of page