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13/2/28

株式会社読書について

Image by Olia Gozha

昔の会社の先輩の杉岡彦士さんと、20年くらい前に飲んでいるときに「株式会社読書ってのを創りたんや」と言われてなるほど~と思いながら色々と夢想したことがあった。その話の数年後、偶然だが在籍していた会社からダ・ヴィンチという本の雑誌が出たのを覚えている。

本読みにとって、次に何の本を読むかというのは重要なこと。

図書館や書店をうろつきながら本に出逢うという行為は至極の時間。ネットで書名を見かけてちょいと気になり検索し辿り着く、というのも捨てがたい。満員電車で前の人が読んでいる本の背表紙のタイトルが気になって気になって…なんてこともある。

気取った言い方をすれば、セレンディピティである。偶然の出逢いである。本が読んでくれ、とこちらに語りかけてきたのではなかろうか、というような運命の出逢いさえある。

いっぽうで、他人から勧められた本というのもよい。その本を読んだことで、紹介してくれたその人の人となりが少しわかった気がしたりする。あの人が力説してくれたこの本の良さ、わかったりわからなかったり。それもまたよい。

好きな作家、というのもある。

太宰、漱石、梶井基次郎、横溝、ダブル村上、司馬遼、コナン・ドイル。だいたい読んでいるつもりが、読んでないタイトルを見つけて小躍りしながら読む。あ、これ読んでないやと買ったが実はダブっていたという苦い経験もある。好きな作家は安心感もあるが、え?こんなのも書くの?という意外性にも出逢えたりする。太宰の「皮膚と心」を初めて読んだ時は、あまりの可愛さに驚いた。(その後、太宰は結構可愛いものを書く、ということがわかったのだが)

さて、はじめの話。

株式会社読書は、読書人に役立つあらゆる情報を提供する架空の会社である。20年前は「結局どうやって儲けるんですか?」って話に答えは出なかったように記憶をしているが(酒飲みの与太話ですから)、今はそれで収益をあげている会社がある。その筆頭は、僕も書評(というほどではないので「感想文」としておく…)をアップしている「読書メーター」http://book.akahoshitakuya.com/ だ。プロの読書家(?)によるノンフィクションの書評が読める「HONZ」http://honz.jp/ も収支トントンになっているとのこと。

つまり現在は、読書に関する情報を提供するということに純化しても、収益を上げることができる世の中になったのだ。

これはすごいことだと思う。

そして、20年前の夢想からもとい、僕たちのつくる「株式会社読書」をそろそろ真剣に考えてもいいのではないかと思えるようになった。今のところどんなサービスを提供し、どうやって収益をあげるのか、まったく白紙ではあるが。

読書は人を豊かにする。

そして読書家に喜んでもらい、支えられるサービスをつくれるなら、その豊かさに若干なりとも貢献できるのではないかと思う。それはとても素敵なことだ。

1年後か数年後か、いつになるのかわからないが…

株式会社読書が提供する、まったく新しい読書家のためのサービスにご期待下さい。

なんちて。

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