まず、起業しました
私は2013年10月に起業しました。
「B2Bをやろう!お客さんのビジネスの基盤になれるような会社にしよう!」
そういう思いを込めてBizGroundという社名にしました(社名は結構悩みましたが、みんなそうですかね)。
具体的なサービスの構想はなくて、ぼんやりとB2Bのバックオフィス支援をやりたいな、くらいのものでした。。。
自分で登記してみました
「時間的に余裕があるし、安く済ませたいし、そう何度もやることはないだろうから自分で体験してみたいなぁ。」
という理由から、税理士さんや行政書士さんにお願いせずに、自分で会社設立をしてみました。
公証役場に行って定款の認証をうけ、
口座に資本金を振込み、
法務局に登記申請書などの書類を持っていって法人登記を完了させました。
「やってみれば自分でやれるもんだなぁ。」
そういう感想ではあったのですが、
実際結構イライラしたこともありまして・・・。
「株式会社ビズグラウンドって、何カ所に書いたんだよ。自分の名前、住所を何カ所に書いたんだよ。何度も何度も同じような内容を書いて、同じような書類を作って・・・。」
「普通にインプット1つで複数アウトプットを出力してもらいたいもんだよな。」
「これ、会社設立するときに、同じようにみんなが思うんじゃないのかな。じゃ、この必要な文書を自動生成するシステムを作ればいいじゃん!これをサービスにしよう!!」
という流れで、
「会社設立に関する文書を自動生成するサービス」を作ることにしました。
知人に紹介してもらった税理士さんと、
必要書類の雛形や、条件のパターン出しなどをしながら、
知人に紹介してもらったエンジニアさんとシステムに落としていく日々。
と、それとは別に、自分の会社に関する必要書類を出さないといけない。
「税務署向けに複数書類・・・。都税事務所向けにも複数書類・・・。」
「ここもサービス化するけど、どうも一般的には税理士さんにお願いしているようだな。このサービスは税理士さんの会社設立代行とバッティングするな。実際にどんなものなのか、自分でちゃんと体験しておこう!」
税理士さん、すみません。。。
そんなことを考えながら、自社の顧問税理士さんを探すことに。
10人以上の税理士さんにお会いしました。
税理士マッチングサイトを使ってみたり、
ネットで検索してホームページを見て問い合わせてみたり、
登記後にじゃんじゃん届くDMに反応してみたり。
で、実際に税理士さんにお会いしてみたところ、
税理士さんの顧問料って、何でその価格なんだろう?
という単純な疑問が湧いてきました。
わたし「この顧問料は、なぜこの金額なんですか?」
税理士さん「まぁ、だいたい顧問料の相場が3万円くらいなんですよ〜」
わたし「会社の売上が上がると顧問料も上がるのは、なぜですか?」
税理士さん「まぁ、その分処理することも増えますし〜」
わたし「面談をするとすごく顧問料があがるけど、その面談ってどういう価値があるんですか?」
税理士さん「実際に会って、雑談になることが多いのですが、その中で節税の話になったりするんですよ〜」
皆さんが全てこういう感じだったとは言いませんが、逆にこれらの質問にはっきりと答えて頂ける税理士さんは少なかったように思います。
他にも色々なことを思ったものです。。。
「先生、先生って呼ばれてて、なんか偉そうにしてるけど、質問し辛そうだな・・・」
「なかなかご年配の方が多いなぁ。「クラウド」ってあまり理解されてないんだろうな、こうやって会話していく中で・・・。これでクラウドサービス事業をやっている会社のこと、分かるのだろうか。」
その中で、印象の良かった方で、若手で、IT企業を担当してるという税理士さんに顧問をお願いすることになりました。
いよいよ顧問契約開始。
「さぁ、顧問契約が始まったけど、とにかく税務のこととか分からないことだらけだから、気になったことはどんどん聞いてみよう。」
会計ソフトへの記帳のことや、経費のことなど、些細なこともメールで質問しました。
基本的な質問が多いですが、初めてのことが多かったのでレスポンス速く回答してもらった助かりました。
「なるほど。こうやって税務のこととか分からないことがあるときに聞けるっていうのは、これは助かるな。」
「会計ソフトへの記帳は自分でやれるボリュームだから代行の必要はないし、こうやって分からないことを相談できるってのが顧問契約によって享受できることの1つなんだな。」
でも、ちょっと疑問も。。。
「分からないことを質問すれば、すぐ回答してくるから助かるな。でも、何かしらの提案をしてくれるわけではないし、会社経営に関わることもないんだな。税理士さんは、税務のことを相談したら回答してくれる、っていうのが価値で、そこに30,000円の顧問料っていうのは違うような・・・」
また、中小企業の経営者さんにも、機会あれば士業の顧問契約について聞いてみました。
「○○さんは税理士さんにいくら払ってて、何をお願いしてるんですか?」
A社 社長「月に3万円払って、会計ソフトへの記帳代行をお願いしているよ。領収書やレシートをまとめて送って、1ヶ月後くらいに入力完了するから、そしたら会計ソフトに反映された数字を見るかな。」
「月に1回の面談では、何を話してるんですか?」
A社 社長「月次で締めた、簡単な試算表を見ながら売上とか費用とかのことを確認して。あとは雑談。」
A社 社長「ビジネスとして同じようなことをやっているから、そうそう困ったり質問することなんてないしなぁ。」
A社 社長「特に今の契約に不満はないよ。」
しかし、これってよくよく考えると・・・
「領収書とかまとめて入力してもらって楽だろうけど、1ヶ月以上前の試算表見て話してもなぁ・・・」
「なんか丸投げして楽だっていう話だけど、経営者がちゃんと数字見れてるんだろうか・・・」
「最初のうちは、分からないことも多いだろうから質問するけど、確かにだいたい分かっちゃうと聞くことなさそう・・・」
「もっと会社経営に関するアドバイスとか、せっかく面談する時間があるならそういう話になってないんだなぁ。」
なんかなぁ。。。
どうもしっくり来なかったんですよね。
もっと自分で納得のいく税理士顧問の形が欲しい!
まず、顧問料を払うためにいくら売り上げないといけないのか。
「税理士の月額顧問料が3万円で、決算が15万円が平均相場みたいだから、年間50万円か。純利益からその50万円を捻出するんだもんなぁ。利益率5%だとすると、20倍の1,000万円の売上が必要になるのか!税理士の顧問契約のために1,000万円を売り上げないといけないなんて、きついな・・・」
これって、すごいことだな、と。
多くのスモールビジネスにおいて、売上げ1,000万円を作るのは楽じゃない。
「この50万円の費用のうち、例えば半分でも違うことに投資できたら、どれだけいいか。」
そもそも、税理士さんに何の価値を期待するのか。
「クラウド会計ソフトも出てきてるし、スモールビジネスはそんなに丸投げするほどのボリュームもないもんな。というか、税理士さんって本来そいう単純作業を提供するわけじゃないもんな。」
「でも、なぜか顧問契約は30,000円から、っていうのが一般的になってる。そもそも選択肢が少な過ぎるよ!!!」
「最初は分からないことたくさんあるけど、会社を経営していくうちに少しずつ分かるようになって、質問したいことも減っていくな。」
「でも、困ったときにすぐに聞けるようなところは欲しいなぁ。」
「税理士さんには、①プロフェッショナルとして経営コンサル的なものを期待することと、②税務などの知識を教えてもらうことと、③記帳代行などの単純作業をしてもらうことと、これらの期待が混ざってるんだな。」
「これ、スモールビジネスでまずは②税務などの知識を教えてもらいたいだけを安価に提供してもらいたいってありそうだな。」
こうやってぼんやりとサービスのイメージができてきて、
一緒にやってる税理士さんに投げてみました。
「○○さん、税理士の顧問契約の選択肢が少なすぎるんだけど、私のところのようなスモールビジネスに適した顧問を作りたいんですよ。」
税理士さん「なるほど。確かに、2002年に報酬規定が撤廃されましたが、実態としてはまだまだその名残がありますからね。」
「そうですね。なので、月額顧問料を3,000円くらいにして、決算も含めて年間10万円くらいでやってもらいたいんですよね。っていうのも、経営コンサル的なプロフェッショナルの提供価値は別にして、シンプルに税務相談にフォーカスする、と。」
税理士さん「なるほど。しかし、年間10万円ですか・・・」
「スモールビジネスはそれくらいが妥当なんじゃないかな、と。選択肢の1つとして、ですね。この方向でぜひ一緒にやりましょうよ!」
税理士さん「わ、わかりました。とりあえず詳細を詰めてみましょう。」
実際のビジネスモデルはもう少し複雑ですし、
税理士法などの業法の確認などもあって、
サービス実現まで詰めることはたくさんありました。
Bizerは、決して世の税理士さんの仕事を奪おうっていうサービスではないのです。
「税理士さんに期待することって、記帳代行とかの単純作業じゃなくて、本来のプロフェッショナルとしての提供価値って、会社経営へのアドバイスだったり、金融機関とのリレーションだったり、Bizerでやれることとは別の価値になるんだよな。」
「プロフェッショナルのサービス提供が必要なユーザーさんには、Bizerをベースで利用してもらって簡単な税務相談なんかをしながら、税理士さんと顧問契約してガッツリ個別で経営相談できるといいんだよな。」
サービスになるまでの根本はシンプルです。
「自分が経験してみて、自分が納得できなかったら、だったら自分で作っちゃおう!」
「自分と同じようなステージの人にも喜んでもらえる。そしたら、絶対にちゃんとビジネスとして成立するはず。」
「さらに税理士さんと競合することなく、共存することでもっとスモールビジネスを支援できる!」
「日本のスモールビジネス300万法人に、ちゃんと新たな価値を提供できる!」
こうやってBizer(バイザー)は生まれました。
会社のステージに合わせて、
顧問契約の1つの選択肢を作っただけなのです。
スモールビジネスが次のステージになったときは、
さらに税理士さんなど士業の皆さんの専属顧問が必要になると思います。
そのときは、Bizerとは別の価値になる、顧問契約となるんですね。
そして、Bizerはきちんと価値を提供できていなければ、
ユーザーさんは離れて淘汰されていくでしょう。
そうならないために、
Bizerはしっかりユーザーさんに向き合っていかなければならないと思っています。
これからもっともっと起業が増えて、
新しいビジネスが生まれてきてほしいです。
Bizerで少しでもそのお手伝いができたらと思っています。
私と同じような、まだまだ規模も小さい経営者の方に、きっと喜んで頂けるサービスだと思っています。
ぜひ、検討してみて頂ければ幸いです。