
何年前だろうか。
ある日の夜、ふと海を見ながら考え事をしたくなり、
ひとり港へ向かったことがあったのです。
ベンチに腰かけ、ぼーっと東京湾を見つめる。
まわりには誰もいませんでしたが、
さすが東京、夜でも明かりが眩しいほどです。
すこし経ってから、かなり体格のいい外国人男性が近づいてきました。
英語であいさつしてきたのですが、
僕「…英語わからん。。」
そう言ったら、
片言の日本語でしゃべりだし、僕の隣に座ってきました。
話によると…
その男性はインド人(でかい)で、家族を祖国に置いて日本に働きに来たのだそうです。
10分くらい、そのインド人男性(でかい)と海を眺めながら話した後。
(以下、彼を「タージ」としましょうか)
タージ「アッチニ、イイ公園アルヨ!ココヨリモットイイトコ、アルネ。イキマショ!!」
すごいカタコトじゃないか。
改めてそう思いながら、
なんとなくついていくことに。
途中、コーヒーとかおごってくれました。
それで、ふたりで歩いてたんですけど、
周りはどんどん暗くなっていく。
たどりついたのはビルとビルの間にある、
外灯すらない真っ暗な公園。

(※写真はイメージですが、ほんとにこのくらいのレベルだと思っていただいて大丈夫です)
タージ「ココ、スワリマショ!」
僕「え…はい。」
タージ、ノリノリじゃないか。
そしてベンチに腰掛けたんですけど、
タージは何故か僕の背後に回り込む。
はいごにまわりこむ。
何故だ?何故回り込むんだタージ?
タージ「マッサージ…シテアゲルヨ…」
…タージ??
いきなり肩をもんできたんですけど、
タージの手は、肩→首→胸→腹にシフトチェンジしていき、
気づいたら僕の股間に。
僕「いやいやいやいや!」
慌てて僕はひな壇芸人ばりに突っ込む。
タージ「…ダメ、デスカ??」
満場一致でダメだろう
頼む、うちに帰ってタンドリーチキンでも食べててほしい…
それで喉が渇くなら好きなだけラッシーを飲んでもいい…
そんな気持ちでいっぱいだったんですが、
別に逃げようと思えば逃げれたし、
そういったスタイルの人を頭ごなしにただ否定するのも、
いち人間としてダメなのではないかと思ったのです。
そして僕は言う。
僕「いや、違うんだタージ。僕には今お付き合いしてる女性がいるんだ。その女性がいる限り、男女関係なく、ここでこんなことをしてはいけないだろ?」
言葉を発しながら思った。
何でこんなこと見ず知らずのインド人に言ってんだろう、と。
タージ「アナタ、ニポン、彼女イル。」
僕「うん」
タージ「ワタシ、ニポン、彼女イナイヨ。」
僕「うん」
タージ「ダカラ、」
僕「うん」
タージ「アナタノ手デ、ワタシノ、サワッテホシイ」
そうゆう問題じゃない
それでもタージは粘る。
タージ「ダメ?」
僕「だめ。」
タージ「ホントニダメ?」
僕「だめだよ。」
タージ「オネガイ」
僕「いやいや」
タージ「今日ダケ…!」
僕「いや、まじで」
タージ「チェッ…」
ちぇっ?
こんなやりとりを5分くらい続けたあと、
タージはションボリと夜の芝浦に消えていきました。
価値観は人それぞれですが、
相手に強要するのはよくないですね。
皆さんも気をつけましょう。

