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14/5/11

サッカー観戦ツアーでたまたま隣に座った人から聞いた、サッカー観戦で癌を克服した話。

Image by Olia Gozha


日曜日にバスツアーで大宮に行ってきた。 

アウェイの試合はバスツアーをよく使うわけだけど、僕はその際、隣の席の知らない人とよく話をする。 

僕は知らない人の、特に年上の人の話を聴くのがすごく好きだ。 

知らない人の話を聞けるというのがバスツアーの楽しみのひとつでもある(もちろん知り合いが隣の場合もある) 


今回の隣席は五十代くらいのメガネのシュッとしたおじさんだった。身なりも綺麗だし、顔つきがいい。 

なかなか紳士で好感が持てる。不思議なもので、第一印象でこの人と話たいと思った人の話は楽しいし、ためになる。逆にこの人はつまらなそうと思った人の話はだいたいつまらない。今回もその例外ではなかった。 


僕らは、お互いになんとなく話はじめた。新チームの話、大宮の話、浦和の話エトセトラ… 


そして、いつぐらいからアルビのサポーターになったのかという話になった。 


メガネのシュッとしたおじさんがいう。  


「いや昔、癌になっちゃってね。」 


僕は何も返さずただ返事をする。はい。  


「手術することになったんだよ。そしたら、会社の人がいうわけ。〇〇ちゃん、癌なんか自分でどうすることもできないんだから、そんなん医者に任せてサッカー行こうって。」  


「ビックリしちゃってさ。俺来週手術なんですけどっていったら、大丈夫サッカーおもしろいから行こうって無理やりアウェイの大宮に連れてがれてさ。」 




なんで癌の手術をする人が、大宮なんかいけるんだ?って思ったけど雰囲気的につっこめない。  


「そしたらさー、ハマっちゃってさー。スタジアムがオレンジ色にバーって染まるでしょ。あれ見たとき感動したよ。それからはずーとだよね」 

  

嘘をつくような人でもないし、話し方もしっかりしてるからたぶん真実なんだろう。 


「病は気からっていうでしょ。サッカー(アルビレックス)みてるとなんか元気が出てくるんだよね。そしたら、だんだん病気の方も治したいって強く思うようになって、そうするとちゃんと治ってくるもんなんだよ。だから、病気になったら元気が出るものを見つけるのが一番いいよ。」


それから癌は無事完治し、健康を取り戻した。去年は大分も行ったし、大阪も行ったし、東京、浦和、鹿島、横浜2試合も行ったということだった。 



僕は思うんだけど、人生を変える出来事ってのは自分が予想もしていないところから、ふっとやってくるものなのかもしれない。  

恐らく、このメガネのシュッとしたおじさんも癌になったとき、自分がその後サッカーにハマって全国を飛び回ってることなんて想像もしなかっただろう。  


変化を選択するは自分だけど、変化を提示するのは外の力だ。僕はいろいろな年上の人の話や、本や、映画からそれを学んだ。 


まぁ、これは僕の人生観であって、人に押しつけるつもりは毛頭ないんだけども。

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