お腹がすいて近所のコンビニに行ったときの話。
中東系の男性が僕に密着してきたので、すかさず離れる。
だけど、なんか背中に熱い視線を感じる。
ゆっくり振り返る。
そこには…
子犬のような眼差しで僕をじっと見つめる中東。
もう仕方なく近寄る。
すると、うれしそうに英語でべらべら話しだすのです。
日本語がまったく通じないみたい。
そして。
どうやら、即席めんを買いたいけど味がわからないらしい。
目の前の棚にはカップヌードル。

中東さんが黄色を指差す。
僕「Curry!」
今度は青色を指差す。
僕「Seafood!」
ちょろいな、中東さん。そんなもんか。
すると最後に赤色を指差した。
僕「(Oops...)」
これはどう説明すればいいんでしょうか。
僕のなかでカップヌードルの味と言えば…
「赤:普通のやつ、青:シーフード、黄:カレー」
という概念しかない。
もう思考回路はショート寸前。
なぜか真っ先に韓国語がぐいぐい来る。
僕「이거(これ)…いや、あのー、普通のやつよ、その、一般的な?일반적인(一般的な)?ちがう。」
そして出てきた渾身のイングリッシュ!
僕「あ!Usually!」
まじでもう消えたいと思った。
さらに中東さんは…
中東「どれが1番おいしいかな?(英語で)」
僕「Seafood!Seafood!」
迷わず僕は、青いやつを指差し、そう連呼した。
ただ、中東さんは僕に聞こえるか聞こえないかの声でぼそぼそとつぶやく…
中東「Curry...Curry...」
だったら聞くなよ…
てゆうかおまえ今まで自分の国で散々カレー食ってきただろ。
日本に来てまでまだ言うか…
もうこうなったらこっちも意地です。
何としてでもこいつにシーフードを食わせる。
ひたすら連呼する僕。
僕「Seafood!Seafood!」
さびしそうにつぶやく中東。
中東「Curry...Oh...Curry...」
もはやそこには故郷を想う哀愁が漂っている。
そんなやりとりが数分つづき。
ようやく折れたのか、中東さん。
中東「Okay!Thank u!Seafood!」
負けたよ、君の言う通りだ、的な感じで笑みを浮かべてきた。
そして…

