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14/5/6

エンドレス系大掃除

Image by Olia Gozha

GWも今日で終わりである。

この休みはひたすら寝て、起きて、掃除して、の繰り返しだった。


なにせ部屋の中には1ページも読んでない大量の本やら、撮影機材やら、ほとんど袖を通していない服やら、何故だか捨てずに山のように積み上げられたAmazonのダンボールやらで埋め尽くされており、もはや「部屋」というより「倉庫」と言ったほうが良い状態。


とにかく物を捨てて居住空間を確保せねば!と片っ端から捨てれるものはドンドン捨てていった。


とりあえず面白くなかった本や、もう二度と聞かないであろうCD、そしてAmazonのダンボールを捨てる!。仕事がらみの古い書類なんぞも捨てる!


こうしてドンドン部屋のスペースが確保されて一安心と思った矢先!

本棚の、あるスペースで手が止まった。


そこにあるのはもう十数年前に買った数冊の映画雑誌だった。


当然そんなもんは即ゴミだ!と手に取る、っが!ある思いが頭をよぎる。


「俺は・・・俺はなぜ今まで捨てずにいたのか?」


そこから「過去の自分」との戦いが始まった。


捨てるチャンスは今まで何度もあった。


だのになぜ「過去の自分」は捨てるという選択をしなかったのか?


何か貴重な記事が載っているのか?とパラパラとページをめくるも特に資料価値のありそうな記事など無い。


もしかしたら誰かに借りたままの本を返しそびれてるだけなのか?と心当たりを探るも該当者は無し。


まさか一万円札でも隠しているのかと慎重に調べるがお宝は見当たらず。


考えれば考えるほど路頭に迷い「過去の自分」からの謎解きは暗礁に乗り上げた。


結局このままでは掃除がストップしたままになるので、

「いつかきっと分かる日が来るだろう」と渋々本を棚に戻す。


その時である。自分のボヤキで何かを悟った!


思うに最初は本当に「とりあえず資料として保存」。


その後時間が経つにつれ今日の自分のように「なぜ捨てずにいるのか?」→「何か理由があるのでは?」→「しかし理由が不明」→「いつか分かる日が来る」→「再び大掃除で発見」→「最初に戻る」。おそらくこの繰り返しであったのではなかろうか?


自分は映画や小説でお馴染みの、主人公が同じ出来事を延々とを繰り返す「エンドレス系」が大好きであるが、よもや掃除でそれを体験するとは!恐るべしリアルエンドレス系!


とにかく!そうと分かれば話は早い。「エンドレス」から抜け出すには「今までと違う選択」をすれば良いのである。


意を決して雑誌を紐で結びつけ廊下に放り出す!

ついに!ついに!エンドレス地獄から抜け出せた!


これでようやく中断していた掃除も再開できる。


そう思い、再び本棚の本を手に取る。


それはえらく古い本だった。


もう捨ててもいいようなボロボロの本だった。


その時僕の頭の中で、どこかで聞いたフレーズがよぎる。


「俺は・・・俺はなぜ今まで捨てずにいたのか?」


僕はボロボロのゴミのような本を片手に、ただ部屋の中で立すくむだけだった。


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