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14/5/2

ちょっと大阪からママチャリで神奈川まで帰った話 第4回

Image by Olia Gozha

ない!ない!ないない!


鞄の中も机の中もさがしてないからみつからないけど


まだまだ探す気もない。


それより僕は何を言ってるのか。


前回の終わりで「東大寺!」ってなって、


今回、その東大寺の写真を


ババーン!!と、プロジェクションマッピングでお見せしようと思ったのですが、




技術がない事に今気づきました。←探してんじゃねーよ


というわけで、睡眠時間わずか1800秒という過酷な状態で


台風から逃げおおす。


という、新たなミッションが加わりながら、一路超重い足取りで自転車をこぎすすめて15分もたたない頃。


僕は自転車を降りた。。


もぉ、山口百恵もビックリな程潔く降りた。。。


人生において、三つの大事な袋という話を耳にしたことのある方は、結構いらっしゃると思う。




1つは


「お袋」母親である。


2つ目は


「コブクロ」男性2人組アーチスト


そして最後が


「大塚愛」である。


坂が。。いや、もはや坂と言うにはあまりにもあまっちょろい、壁のような道が永遠に続いている。案の定、コンビニは....ないそれどころか、自販機もない。


ちょっと背伸びをしても、山しか見えない。そらそーだ。だって


真っ直ぐ東へ向かってるんだもの(泣笑)


引き返そうか何度も自問自答しながら、迫り来る台風の事を思えば、前へ進まざる負えなかった。




帰りたいけど、帰れない...


まるで、お酒一滴も飲めないのに、スタッフが歓迎会を居酒屋で開いてくれた、新人社員のような!!


道の選択肢を間違えたか。。(・д・)チッ...


こんな時に役立つのが、5000円の地図です。地図を開いて奈良県のページへ。あたりにある、名称を書いた標識や、建物などを探す(・ω・* 三 *・ω・)




杉が多数と、どこまでも曇った空






地図で探す。









ガ━(ŎдŎ;)━ン


な....ない!!?




馬鹿な!!5000円もしたんだぞ!!?


何故無いんだ!!?




パニックである。そらそーだ。自分の位置が確認できない。今でこそGPS搭載なんて、当たり前のようになってるが、当時の携帯はまだ、例の折りたたみ世代だった。


きっとコチラのことは、衛星からは確認できているはずだが、残念ながら


コチラから衛星が確認できない!!


そして、充電もなくなってきていた。辺りを見回したが、そこにあるのは自転車だけ。。。


何か、コイツこいで発電とか出来んじゃね!?


幸い充電器は持ってるけど、差し口がない。そこをクリアすればどーにかなるんじゃないか!?などとあがいてみたが、


そもそも自転車で発電できる機械を作れる頭を持っていたら、







ママチャリで神奈川に帰る




なんて思考に辿り着くはずがない。




だから、俺の勝ちだ!!


話がトリプルアクセルになってしまったが。


あ、これは着地点が見えないと言う意味で使いました。


追い討ちをかけるように雨が、静かに降り始めた。。







正解はカッパである。






先ほどのコンビニでの究極の選択


カッパか水か。




僕は水を選んだ。


「「クソッ!!」」

「「あの時ライフラインを使っていれば!!」」

「「ふぃふてぃーふぃふてぃーを使っていれば!!」」

打ちひしがれた。。荷物が濡れるといけないので、少し登ったところに上を道が通っている橋みたいなものがあった。


そこで雨宿り。少し濡れてしまった体は凍えていた。着替えを行い、地図を除きながら、


そののまま道路で寝てしまった。


睡眠不足と、坂道の疲労が重なり、目覚めたら2時間程経過していた。道路の端で、荷物広げて人が2時間も寝ていても、誰も通らないような所だった。


雨はやんでいた。また、降ってこられては叶わない!!急げ!!


僕はこいだ。


あれほどまでに必死になってこいだのは人生でも13回目くらいだった。


恋だの愛だのはおいといてこいだ!!


迷った!!迷いまくった!!


正直、いまみかえしても、どこをどう走ったのかさっぱりわからない。だから、説明のしようがない。


だが、お昼頃だろうか。突然山の中に1件の建物が現れた!!


「ま...幻か...!?」


正直目を疑った。人っ子一人の気配すら数時間ない中で、その建物はしっかりと、


「 そば 」


と書かれていた。遠いのに。


「め...めし...」


すっかり忘れていた。お盆のせいでお金を下ろせずに、買おうとした朝のおにぎりを棚へ戻し、泣く泣くここまで来ていたことを。


「じゅ....充電も..させてもらえるやろか....?」


うち震えながら、店の戸を開けた。


カランカランカラン


昔懐かしい喫茶店の入口の音だ。

定員さん「いらっしゃいませー」

中にはお客さんも数人。


「(人だ~~~!)」




目立たぬように隅っこに座る小汚い男。


しばらくして、店員の女性が注文を受けに来てくれた。



「あ...あたたたかいそばを....」













噛んだ。








寒かった。




いや、空気の話じゃない!!凍えていたので上手く喋れなかったのだ。

「そッ...それと...」

定員さん「はい?」

「携帯を....充電させてもらっても..いいですか?」

定員さん「(笑)どーぞぉ(^-^)」

別に何日も人に会ってないわけじゃない。数時間前には




コンビニ定員「200円です。ありがとうございます」





という、素敵な会話もちゃんとしているのだ。それが、何て温かいんだ(T-T)...人ってええなぁ。。


そして、程なく蕎麦が運ばれ、2分で平らげた。。腹が減っていた。いつの間にか客も僕一人になり、一段落終えたおばちゃんが話しかけてくれた。


「(なんだなんだ?)」

おばちゃん「どっから来はったん?」

「大阪です」

おばちゃん「ああ。大阪からぁ?ドライブか何か?」

「いえ、家へ帰宅中です」

おばちゃん「家どこなん?」

「川崎です」

おばちゃん「え!?どーやってかえるん?」

「あそこの、自転車です」

そう言って、窓から見えるママチャリを指さした。最初遠くを探しながら、ママチャリにピントが合うおばちゃん。


全盛期の加藤茶を彷彿させる


二度見(笑)



笑った。そらそーだ。何年もきっとこの場所へ勤めてきたんだろう。標高もかなり高い。遠いところからきっと車のお客さんも沢山おいでたんじゃないかな。スタッフだって車で数十分かけて出勤してる。でも、駐車場に




ママチャリ




がとまってるのは初めて見たんじゃないかと、思わせるほどの見事な二度見だった(笑)

「(笑)」

おばちゃん「何があったん?!」

そーいうと、おばちゃん

「え....とですね...」

おばちゃん「ちょっと!ちょっとー!!来てきてー!」

奥へとスタッフを呼びに行くおばちゃん。さぁ、尋問タイムのスタートだ。


何故ママチャリなのか?


何故ママチャリなのか?


どうしてママチャリなのか?


一通りのいきさつをお話する。するとどうだ。涙を流してくれる人までいるではないか!?




アホのアホな話のアホな結末に涙


一周回って感動秘話に(笑)


「だから今からまた出発なんです。」

おばちゃん「そんなんきいてしもーたら、お代はもらえんわ。」

「え!!?」

「いやいや!!そーはいかん!!」

おばちゃん「えーよえーよ!その代わりちゃんと無事に帰るんやで」

「おばちゃん...(´;Д;`)」

おばちゃん「ほら!お腹も空くやろうからこれもってき!」


と、大きな大きなおにぎり(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)



「え...!?こ..これ..!?」

おばちゃん「喉もかわくやろ?入れもんあるか?お茶入れてけ!」

「・゜・(ノД`)・゜・」

おばちゃん「道もわからんかもしれんな、おばちゃんの電話番号教えといたるから、いつでも迷ったらかけてきーや!!」











「_| ̄|○ ぼばぢゃぁぁぁーん!!!!!」






何だ!?この溢れ出る優しさにともなって出る、


脇汗は!!!!!


こういうのですよ。旅って。凄い嬉しい。こんな経験してると、頑張ってる人を応援したくなるんです。助けたくなるんです。 さらに続けた。


「シクシク...」

おばちゃん「おーい、この子ちょっとあんたんとこの近くまで連れてってあげられへん?」

奥から、一人の男性が姿を表した。どーやら1週間に1回、この店へお酒の配達に来ている酒屋さんだった。例にもれなく訳わからんまま出てきて、話聞いて外見て、


「二度見」(笑)


男性「凄いね!?かまんよ!乗ってき乗ってき!」

神様....。


当初は誰の力も借りずみたいにおもってもいたが、そのあたたかな出会いと、優しさに喜んでお願いした。


つづく

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