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14/4/27

アメリカンサクセスへの覚悟

Image by Olia Gozha

長女「ママはアメリカで死ぬ覚悟をしなければだめよ、子供が4人もここで住んでいるのだから。」

車を運転できなくなったら、日本に帰って毎日温泉に入って美味しい日本のごはんを食べて暮らそうと軽く考えていた私に、キャリアウーマンの長女から、きつーい一言。

長女「年をとったら、うちの一部屋に住んでもいいよ、子供と犬の世話をしてくれたら助かるし。」

最近ボストンに大きな家を買った娘からの現実的な申し出。でも、もう何十年も家事をしてきたので、家事からは自由になりたいとわがままな私。

長女「ママが日本で暮らしても、子供たちは遠すぎて滅多に会いに行けないよ。子供たちに会えないでママが淋しくないわけないでしょ。現実的に考えたほうがいいよ。」

ごもっともごもっとも。なんで、うちの子供たちは、こんな夢見るママから生まれたのに、しっかりしているのかと、感動してしまう。やっぱり、夫のおかげだ。

娘との会話から、私はアメリカで死ぬ覚悟をしなければならないと気づかされた。つい最近までは私が教えていたと思ったが、最近では子供たちから学ぶことがいっぱいである。まずい。いつ立場が逆転してしまったのだ。

それまでの私の心は漠然と日本に向いていたと思う。いつ帰っても暖かく私を迎え入れてくれる日本、そういう日本に甘えている自分がいた。何かあっても、例えば夫が他の女性に走って離婚なんてことになっても(夫は100%女性には持てないタイプ)、日本にかえればいいやみたいな、駆け込み寺みたいな感覚がいつもあった。アメリカで死ぬ覚悟はできていなかったのである。

でも、一番下の4人目が今、大学に飛び出そうとしているとき、自分がアメリカで根を張ったのだと気づかされた。子供たちが葉っぱをつけ、花をつけていっている木の根っこが今住んでいるこのアメリカの土地なのだと気がつかされた。もう逃げ出すことはできない。ここで生きていくことを選択したのは自分だ。アメリカで死ぬ覚悟をしなければならない時がきた。

これからこの土地をもっともっと愛し、感謝し、そして、今ゼロから出発しよう、だれのためでもない自分自身の中のアメリカンサクセスストーリーに向かって。日本人としての感謝の心を忘れずに私がアメリカで本当にやりたかったことを始めよう。その覚悟は今できたばかりである。



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