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15/2/8

2度目に通った声優養成所/新世界編(最終話:前編)「 そして現場へ . . . 」

Image by Olia Gozha




またまた長らくお待たせいたしました。


ついに最終話(前編)です。

ごめんなさい、ちょっと長いかな?と思ったので、

前後編に分けました。

後編は間を空けずにすぐアップしますので、ご安心を( ´∀`)



ボイスアクターズスタジオに入所してから早一年。

ついに最終審査の日がやってきました。

この審査の結果で全てが決まる!

私のこれまでの人生の全ては、

この日の為にあったといっても過言ではありません。


あ、ちょっと大げさかなヽ(°▽、°)ノ


でもまぁ、今までで最大の「人生の岐路」に立たされていたわけです。

なにしろ落ちたら声優になるのは諦めるつもりでしたから。

これまでほんっと芝居しかしてこなかったし、

他に興味が持てるものなんぞなーんにもないのに

「もし落ちたらどーすんだお前( ̄д ̄)」

とか自分で自分にプレッシャーかけてましたが、

「そんなもん落ちてから考えるぉ( ゚д゚)」

と、もう一人の自分があっけらかんと答えてました。

やる前から心配したって何の得もないし、意味もない(キッパリ)

最終審査までの間は、こうやって自己対話をひたすら繰り返していましたね(笑)

焦る自分と、それを諌める自分との闘いです。


他のライバル達はどうだったのかな?

今となっては知る由もなく(´・ω・`)

...が、例のN君からは聞くことができました!

話の流れの関係で、これは後編にてご紹介しますね。



どうぞお楽しみに。





さて!

ちょっと前置きが長くなりましたが、いよいよ最終審査の日です。

審査対象は全部で12名。

過去の記事でも書きましたが、過去最多人数です。

そして、何名が所属を勝ち取ることができるのかは、全く分かりません。

そもそも、ウルトラクイズのように通過できる人数が決まっていないのです。

もしかしたら全員所属になるかもしれないし、

逆に、全員が落ちるかもしれません。

こうなってくるともうほとんど運否天賦ですね。

これは毎年そうです。


しかし、運だけに頼ってなんとかなるものでは決してありません。

その運を掴めるだけの、最低限の力を持っていないといけない。

その最低限の力というのは、

「このまま現場に出してもとりあえず何とかなるんじゃないか?」

と思ってもらえるくらいのレベルに達していること。

ではないかな?と、私は思います。


当日、一人あたりの持ち時間は約5分程度。

(あ、もう少しあったのかな??7分くらい?あやふや御免)

これまでの授業で研究してきた「自分の売り」を

最大限に活かして詰め込んだものを、各々完成させてきました。

もちろん、自分(商品)を良く見せるための衣装も各自でチョイス。


正直私、衣装が一番困りました。゚(゚´Д`゚)゚。

自分が「こう見せたい」と思っている姿と、実際衣装を着た時の自分の姿、

ちゃんとマッチしているだろうか?大幅にズレてはいないだろうか?と、

結構長く悩みましたね(笑)金がないから凝れないし。

それに、これまで外見にはあまり拘ってこなかったこともあり、

ここに来て初めて、服選びというものを慎重にやったような気がします。

稽古ばっかり一生懸命で、見た目には一切気を使わない。

ダメな声優志望者の典型ですね。すみませんでした。

誰に謝ってんだ。



さて。

当日の私の服装はというと。


・タンクトップに近い型の白ピタTシャツ

・お気に入りの足長デニム

・ヒールの高いサンダル(サンダルじゃなくて靴(ブーツ)だったかも?)

・テンガロンハット


でした。

慎重に選んだわりに.....( ´_ゝ`)エート...


てか、このクソ寒い時期におま...!( ´゚д゚`;) みたいなね。

3月でしたから、まだまだ寒い季節。

でもね、やっぱ薄着だととにかく痩せて見えますし

(自分は着太りするタイプだと分かっていたから)、

高いヒールで足長に見せて、小さめのTシャツでさらにウエストも強調してみたり。

「オシャレは我慢」という言葉が身に染みた日でしたね。

今考えれば全然オシャレじゃなかったですけど、

この時はこれが精一杯だったのです...。


そして肝心のアピール内容は...

こ れ だ ↓


・自己紹介(1分弱)

・セリフの掛け合い(男の子キャラ✕2)

・映画の番宣ナレーション(子供向けアクション映画)

・朗読&セリフ(ある小説(王宮もの)の一節を読みました)

※ 間にフリートークを挟んで各項目を繋いでいく形



さて、お分かり頂けただろうか?


そう。

なんと、ナレーションが1つしか入っていない!(笑)


というのも、私の一番の売りは「芝居ができます!」ということだったので、

とにかくセリフを多めにする方向に持っていきました。

そう。

ぶっちゃけナレーションにはあまり興味がなかったということもあり、

セリフ系以外はほぼ切り捨て状態(どーん)

最後に披露した朗読の中身も、ほとんどがセリフの掛け合いでして、

自分が一番得意とする「緊迫感」のある場面をチョイス。

(ある架空の国で起こった謀反の場面/女王・公主・兵士の3人の掛け合い)


そう。

とことん自分の得意分野しか入れなかったのです。

「もしかしたらこれがイケるかも...?」なんていう実験的なものはナシ。


しかし、これはあくまで私の場合です。(あまり参考になさらぬよう)

他のみんなは、ナレーションもセリフもバランス良く取り入れていたように記憶しています。

やはり、色々できます!というアピールをしておきたいという思いは

誰しもありますよね。

(※ 中には私とは正反対の、ナレーション重視の人もいましたよ)


私も、もう少し持ち時間があったとしたら、

もう一つくらいナレーションを入れたかったところですが、

残念ながら時間オーバーはNG。

それに、自分で言うのもアレなのですが、色々できるという自信はありました。

というか、自分の用意した内容で十分それは伝わるだろうと踏んだのです。

なにより、とにかく「芝居がやりたい!芝居が好きだ!芝居をやらせてくれ!」

というアピールを最優先にしたかった。

だって、そのためにここまで駒を進めてきたのだから!


とにかく後悔したくなかった。

自分のやりたいこと(※ あくまで商品として成り立つレベルのこと)を

やりたいように120%やりきる。

審査員の評価なんてもうどうでもいい。

そんな心持ちで挑んだ、この最終審査。

自分の出番が終わった後の爽快感といったらもう!(笑)

この時の爽快感、今でもはっきりと覚えています。


レベルはどうあれ、持てる力は全て出しきった!
やりたいこともやった!
これでもう、私にできることは何もない!!(パァァッ...!/爽)



この、なりふり構わずの特攻姿勢のおかげで、

「これで落ちても悔いはない」と、すんなり思えるようになりましたね。

あ。

ちなみにこの最終審査は、事務所ではなくボイスアクターズの稽古場で行われました。

なにせ人数が多かったですからね。

そして当日観に来ていたのは、マネージャーさんが数人と、

俳協の先輩方が何人かちらほら。

この日、ギャラリーは意外と少なかったように記憶しています。

あとは、はっきりとは覚えていません。

ただ、寒かったことだけは強く記憶に残っています(笑)

今後の人生を左右する日だったというのに、

覚えていることがこれだけなんて。

記憶とは、時間とともに確実に薄れていくものなのですね...(´・ω・)




さぁ。

審査が終わったら、

次は結果発表を残すのみ。



結果は後日、郵送で知らされるとのことでした。

郵送されてくるまでの期間はどれくらいだったかなぁ??

これまたよく覚えていません。


というかですね、


私のところにはですね、


送られてこなかったんですよね!(;゚Д゚)



「ざわ. . .ざわ. . .」



ちょ、待っ、一体どういうことなんだっ!?(焦)

もしや忘れてんのかっ!?(怒)

そんなに存在感なかった...!?(哀)

てゆーかやっぱり落ちたのかっ!!?(泣)

(↑ もう悔いはないとか言っておきながら結局このザマ)




色んな可能性が頭をよぎりました。

で、とりあえず強敵(とも)たちに連絡して聞いてみたわけですよ。

結果は来てる?って。そしたら

「来てる」って言うじゃないですか!?((;゚Д゚))


えーーーーー!!

なんで私だけ来ない!?


「ざわ.... ざわ.... ざわ〜〜.....」




ヒグチ:「おかしい....」(←カイジ風


Na:「 お か し い !!」(←立木さんNa


ヒグチ:「おかしいっ...」


Na「 お か し い !!」


ヒグチ「おかしいっっ...!!」


Na「おかしい!!だが!!どうしようもない!!!」






....それはもう、悶々としておりました。

他のみんなは続々と結果が来てるのに、自分だけがまだ分からない。

ぐるぐるぐるぐる、たくさんの嫌な予感がめぐりました。

元来、私はネガティブな人間。

「あぁ、やっぱり私は華がなかったんだ...」とか、

「プロとしては認められない器...だったら、もう芝居なんかやめよう!」

「つーかそもそも挑戦したこと自体が間違いだったんだ...!」

そして最後は


「もう...いいや... 新しい仕事でも探そう....

バイトじゃなくて、正社員に...」


と、魂が半分抜けたような状態で求人雑誌をぬるりと手にした


Na「 そ の 時 !!」


「 ヒグチの携帯電話が!!」


「 鳴 る !」

「 鳴 る!!」

「 鳴  る !  !  ! 」


ヒグチ「......?知らない番号....?」



〜続く〜



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