top of page

14/4/16

もう粉々に、音もなく堕ちていったバカ 7

Image by Olia Gozha


翌朝早く目が覚めた。

午前6時過ぎ。


あー頭まわらねえ...

まだ出勤まで時間早いし

ハーブ一服するかな...


そう思いハーブのパケ袋を見る。

もうハーブがない....


優希はそこから頭の中がハーブでいっぱいになった。


くっそ...吸いてえ...


優希はどうにか吸えないものかと考え始める。

ただまだ時間は朝早い。

誰かに電話して少しわけてもらうのも気が引ける。


どうするかな.....


はっと優希は思いついた。

優希はハーブとパイプを黒い小箱にしまっていた。


その小箱の中にハーブが少しこぼれてるんじゃないか...


優希は小箱を開けた。


2服ほどできそうなほど

こぼれてるんじゃん!


優希は頭の中が、悩み事から解放されたような気になった。


その時気付く。


俺完璧に依存してるな....


ただそう思うのは一瞬であり、

他人からみたら自分がどう映るのかなんて優希にはわからない。

ただ晴れやかな気持ちでパイプにハーブを詰めた。


そして大きく一服。

カーテンを開けて空を見た。


今日はいい天気だなぁー...


と優希はニコニコしていた。


それから2時間ほど経ちもうハーブがない。さすがに優希は諦めた。


どんどんハーブが覚めてシラフに戻っていく。その時優希は思う。


俺はハーブがなくてどうしても吸いたくなった。誰かからハーブをわけてもらえたら..なんて思ったりもした。


祐介もこんな感じでハーブがどうしても吸いたくなって、自分が見えなくなっていったんだろうな...


俺、なにやってんだろう......


サッパリしよう。

と思い優希はシャワーを浴びた。

シャワーから出てソファに座り


ダメだダメだ。気持ち切り替えなきゃ。

仕事の準備しよう。


ん?気持ち切り替えなきゃ?....

俺の頭の中はハーブしかないのか?...


あーダメだダメだ。考えたらダメだ。

そろそろハーブやめなきゃな...


と思い優希は仕事の準備を済ませ、

家を出た。


店に着いた。

仕込みのバイトのおばちゃんが


おはようー!


とにこやかに挨拶してくる。


よし、仕事仕事。仕事しよう。


優希は深呼吸して、店の制服に着替えて

仕事を始めた。


←前の物語
つづきの物語→

PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

フリークアウトのミッション「人に人らしい仕事を」

情報革命の「仕事の収奪」という側面が、ここ最近、大きく取り上げられています。実際、テクノロジーによる「仕事」の自動化は、工場だけでなく、一般...

大嫌いで顔も見たくなかった父にどうしても今伝えたいこと。

今日は父の日です。この、STORYS.JPさんの場をお借りして、私から父にプレゼントをしたいと思います。その前に、少し私たち家族をご紹介させ...

受験に失敗した引きこもりが、ケンブリッジ大学合格に至った話 パート1

僕は、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ、政治社会科学部(Social and Political Sciences) 出身です。18歳で...

あいりん地区で元ヤクザ幹部に教わった、「○○がない仕事だけはしたらあかん」という話。

「どんな仕事を選んでもええ。ただ、○○がない仕事だけはしたらあかんで!」こんにちは!個人でWEBサイトをつくりながら世界を旅している、阪口と...

あのとき、伝えられなかったけど。

受託Web制作会社でWebディレクターとして毎日働いている僕ですが、ほんの一瞬、数年前に1~2年ほど、学校の先生をやっていたことがある。自分...

ピクシブでの開発 - 金髪の神エンジニア、kamipoさんに開発の全てを教わった話

爆速で成長していた、ベンチャー企業ピクシブ面接の時の話はこちら=>ピクシブに入るときの話そんな訳で、ピクシブでアルバイトとして働くこと...

bottom of page