血液検査をしたわけでもなく、人間ドックで体を隈なく検査をされたわけでもなく、ただ幾つかの質問に答えただけで、
医師「うつ ですね。こちらとしては早急にでも治療を開始し…」
うつ 陽性(positive)。
陽性か陰性かという判断は間違っているけれど、敢えてこう自分に言い聞かせるしかなかった。
苦し紛れだけどpositiveという、一見前向きな言葉を掴んでいたかったから。
私「(あぁ、やっぱりそうか…)」
親友から病院へ行ってみたら? と勧められても決心がつかなくて数日悩み、このまま良くなると思えない限界値になってようやくメンタルクリニックの予約を入れた。
そう診断されるのは薄々とは感じていたけれど、でも心のどこかで
医師「あんた、バカいっちゃいけねえ。そんな症状で うつ って言ったら全世界全員 うつ だらけでねぇか。」
そんな言葉が聞ける可能性を信じていただけに、落ち込んでいた気持ちが更に沈んだ。
涙が止まらなくなり、自分が何を話しているか分からなくなった中で一瞬だけ冷静に
私「投薬だけは、まだ嫌です。」
はっきりと言った。
泣いて言葉もうまく出ない状態で突然冷静になる。
これは病気だ。
直後のカウンセリングでも同じように、泣き続けるのに突然冷静に答える場面があった。
完全に病気だ。
この瞬間、自分の状態をやっと自覚した。
私「そういえば、叔父もこの病気だな。」
親戚が躁鬱病と適応障害とお付き合いしているので、以前から うつ に関する情報を蓄えていたつもり。
でも、いざ自分にその症状が出たとき全く同じ方法で回復に向かわせるのは少なくとも「大正解」ではないと思う。発症した原因、元来の性格、100人の患者さんは100通りの原因と個性があるんじゃないかな。
帰宅途中、涙でマスクがびしょびしょになりながらも冷静になる瞬間を見計らって、自分の病気をどう治そうか、手探りで方法を見つけようと考えた。実験的だし今更この歳になって自分をもう一度見つめ直す作業。時間がかかるかもしれない、今以上に家族や友人、職場に迷惑をかけてしまうのは避けたい事柄だけど、もう避けることは出来ない。
私はこの日のうちに友人、家族、職場に事情を説明して一晩中泣き続けた。
どうしてこんなことになっちゃったんだろう、と自分を責めて泣くしかなかった。
これが2014年3月31日の出来事。
エイプリルフールで うつ と診断されるには1日早かった。