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14/4/19

ピンチ!日本企業。10年前のライブドアから学ぶ、今の我々に足りない働き方とは(11)

Image by Olia Gozha

2003年12月24日 歓楽街で僕らは

「(てくてく λ.......)」

「お兄さーん、ちょっと寄ってかなーい!」

「(・・・そうか、今日はイブか・・・)」

クリスマスイブの深夜。自分はエンジニア(♂)と二人都内の歓楽街を抜けてある場所へ向かっていた。トナカイのコスプレをしたオネエチャンにポン引きされたのを全力でスルーしたのを今でも思い出す。

※確かこんな感じ。

向かっていた先は、「データホテル」

歓楽街でホテルって今となっては笑い話だが、ライブドア(当時はエッジ株式会社)で行っていたiDC(インターネットデータセンター)事業のことである。


サービスの増加に対応するためか、西大井から新宿へ移転が決まり、この日は(物理的な)サーバの移行作業を行うために、アクセスが少なくなる午前3時に現場にいる必要があったからだ。

(ちなみに「近代麻雀」という麻雀雑誌のiアプリを提供するサイトの移管だった)


#エンディングのスタッフロールに名前が載ってる(笑)


自社でインターネットデータセンター事業を行う理由

一口にサーバーといっても「Webサーバー」「データーベースサーバー」「画像サーバー」「キャッシュサーバー」機能によって色々あるのだが、いずれにせよ、ネットサービスを立ち上げたければ、絶対サーバーは必要である。

有名ドコロでは「さくらインターネット」や「ロリポップ」、最近ではクラウドのアマゾン「AWS」などの、”ホスティングサービス”なとも呼ばれる、これらのデータセンター事業を、ライブドアがしかも基幹事業の1つとしてやっていたことは意外と知られていないように思う。


インターネットサービスが雨後の竹の子のように次々のように立ち上がっていた時代なので、データセンター事業は、もちろん手堅く収益化できていたのだが、そもそもの理由はそれではない。

以前にも書いたが、ホリエモンが深夜にブログを書いていた時にサーバーが重くて、その場で担当者に電話してサーバーを追加させた、という逸話からもわかるように、


自社でデータセンターを持っていれば、サーバーが必要なときにすぐに用意できるから(=ネットサービス立ち上げ時のスピードと自由度が上がるから)


が、データセンターを自社で運営した真の理由だった。(サービスは開始は2000年である)


ライブドア事件の前も後も、データホテルがメディアに取り上げられることは少なかったが、「livedoor」のポータルサイトを始め、livedoor blogや数々のオリジナルサービスがここまで発展できたのも、表側のアプリケーションの開発力だけでなく、インフラ・基盤・サーバーチューニングの技術力の高さ、そして内製による、自社サービスにあった的確なサーバーセットアップの環境がそろっていたからこそ、と言える。


ハードからソフトまで一気通貫できるという強み

もちろん、自社の強みとして、なんでも抱え込むのは得策と言えず、強みに特化することで競争力を獲得できるので、アプリケーション開発に注力して、サーバー部分はアウトソーシングしているところがほとんどだと思う。


しかし、Googleがまだ伸び始めて間もない頃、なけなしのお金でサーバー追加に全力を注いだことや、GREEのエントランスには、1台目のサーバーが飾ってあるなど、サービスクオリティにダイレクトに係る部分を自前で触れる強みは大きい。

ソフトウェアとハードウェアを両方見れることで一番うまくいってるなあ、と思うのは月次の話だが、「Apple」のiPod、iPhoneといえよう。それぞれITunesMusicStoreや、iOS、Appstoreといったソフト面も自社で一体となって作り込めることで、ハードとソフトの調和した使いやすいサービスとなっている。

賛否両論あると思われるが、Androidでは、そういった面ではバラバラな開発されるため使い勝手の部分でかなわない部分もあるように思う。



とはいえ、今後、Android(に限らず、Googleのソフト資産)を利用したGoogleカーやGoogleグラスのようなものが出てきた時、そこはまた、面白いものが出てくるのではないか、そんな予感を感じるし、3Dプリンタのようなデバイスによって、どんどん、ソフトとハード、両面を見ることによる総合的なサービスが増えてくるように思う。


#当時のネットワーク事業部運営のデータホテル事業は、現在はLINEの完全小会社「株式会社データホテル」として今もなお運営されている(きっとLINEのサーバとかもあるのかなあ)

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