会えなかった、初恋の人。
Episode1 出会いはチャット
Episode2 会いたい
Episode3 会えなかった理由
Episode4 別れ
Episode5 彼が去った後
Episode6 15年後の今
Episode6【15年後の今】
Kと出会ってから、約15年が経った。
当時15歳だった私と、25歳だったK。
Kに背中を押されながら入学した高校を順調に卒業し、その後は専門学校へ進学。
卒業後に20歳で社会に出て、5年経った後、奇しくも当時の彼と同じ25歳で海外へ渡った。
未来を不安に思い、心を曇らせていた私に光を射し込んでくれたKという存在。
15年後の今、私は海外の自宅で彼を思い返し、これを書いている。
海外で暮らして4年。未来が見えずに不安を抱いていた15歳の私には考えもつかない未来だろう。
それでも29歳になった今の私も、いまだ人生にもがいている。彷徨い続けている。
15歳で将来なんて見えるはずがなかったんだ。30歳目前でもまだ見えないのだから。
でも、それでいい。
彼が言ってくれた
『自ずと見えてくる。だから今は自分が行ってみたいと思う、楽しめそうな所に行けばいい』
私は今も、自分が行ってみたいと思う、楽しめそうな所を飛び周っている。
もうすぐ私は日本へ帰国する。
到着は関西国際空港。
彼と出会った、夏の始まりの大阪に私は降り立つ。
そして、彼が生まれた秋になると必ず思い出す。
Kの名前と同じ、秋の景色を見ると思い出さずにはいられない。
自分の人生の中でいちばん輝いていた人。
会えなかったからこそ、いつまでも綺麗な思い出のままなのだ。
今でも会いたいと思う。
会えなくても、彼を思う。
15年経っても、まだ色褪せないKという人。
それだけ、すっごい人だったんだ。
もしも、どこかの街で偶然にすれ違っても
お互いに気付くこともない。
私たちはお互いに顔を知らないのだ。
何度でも言う。
Kという人と私は出会った。
私の中には今でもKがいる。
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最後まで読んでくださってありがとうございました。
これは、ずっと誰にも言わずに胸に秘めていた私の初恋でした。
このKという人にヒントをもらった私の人生は
思いも寄らなかった、海外という場へ繋がっていました。
この後は、私が海外へ出るまでと、出てからの話を書いていきます。
暇つぶしにでも、読んでいただけたら嬉しいです。
そして万が一、
Kという人に心当たりがある、
もしくは自分はKです!という人が居たら
ぜひ、ご連絡ください。笑
特に何かを望むわけでもなく、
ただ純粋に、今でも本当に会いたいと思う人です。