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14/4/10

会えなかった、初恋の人。2

Image by Olia Gozha

会えなかった、初恋の人。

※エピソード1が非常に見にくくなってしまいました。

編集したいのですが、スマホからの編集は出来ないのでしょうか、編集画面が見つかりません(泣)

見にくくて申し訳ありません。


Episode1 出会いはチャット

Episode2 会いたい

Episode3 会えなかった理由

Episode4 別れ

Episode5 彼が去った後

Episode6 15年後の今




Episode2【会いたい】


毎日のようにチャットで話していた私たち。

当時、携帯は社会人の一部、若年層にPHSが普及し始めた頃で私はそんなものは持っていなかった。

デジタルカメラや、スキャナーも一般家庭にはそんなに普及していなかったその頃は、

メールだけがプライベートなやりとりだった。少なくとも私たちの間では。


オンライン友達の一部とは、自宅の住所や電話番号、手紙での写真の交換などもしていたけれど

彼にはなぜかそれらのプライベートな事が何一つ聞けなかった。

今思えば、私は怖かったのかもしれない。

プライベートな事を聞いて、彼が居なくなってしまうことが。

それでも彼との時間を重ねるごとに、募っていく気持ちがあった。


会いたい



ある日、彼からのメールにいつもと違う差出人の名前が表示されていた。

名前は見覚えのある人で、以前から時々チャットで話していた、Kのイトコにあたる女性だった。

彼女ともチャットやメールで親しくしていた。

こう書き表してみると、なにやら怪しい気もするけれど、彼らとはいい関係が築けていたし、

個人情報を聞かれることも、写真を求められることもなかった。

それに、これが何か違う目的で私を騙そうとしているわけではないことは、

中学生の私にも分かっていた。

だって、彼らは私の話や愚痴、相談を聞いてくれて、楽しませてくれるだけで、

私から何かを得られるはずもなかったのだから。

むしろ私の方が、彼に会いたいという気持ちを募らせていたのだから。


さて。そのメールにはイトコの女性Nのフルネームが表示されていた。

イトコと言うことで、Kの名字もこれなのかと聞いてみたら



「Nの母親と俺の母親が姉妹なんだ。

 だから名字は違う。俺の名字は篠原。Kは本名だよ。

 女みたいで嫌なんだけどな。。秋に生まれたからって安直過ぎるだろ、この名前(笑)」


私はKの名前が大好きだった。とても好きだった。



「初めて知った事がたくさん!Kは何も教えてくれないんだもん。

 すごくKの事知った気分だよ!」


そんな私にKはこう言った。


「俺が話さないのもあるけど、お前も聞かねえじゃん?」




私は怖かった。Kを知りたいという自分の欲望よりも、Kが居なくなってしまう事の方が怖かった。

だから私は何も聞けなかった。私にとってKはそれほど儚く見えていた。

触ったら壊れそうな、繊細な何かのようだった。




彼はよく私の相談にも乗ってくれた。

私にも時々、彼のことを話してくれた。


「俺はお前を15のガキだと思ってたけど、今はそんな風に思わない。

 お前と話すと何かホッとすんだよな。

 仕事で疲れて帰ってきても、なんかお前と話したいって思うんだよな。何でだろな。」



目前に迫る受験、焦る気持ちとは裏腹に身が入らない勉強。

何のために高校に行くのか、どう将来を考えたらいいのか、そんな私の漠然とした相談に

彼は親身にアドバイスをくれた。


「高校なんて、とりあえず卒業すればどこでもいい。

 こんなこと言ったらお前の両親に怒られるかな?笑

 でもさ、本当だぜ、これ。将来を探しに行くのが高校、大学だと俺は思う。

 その内さ、自ずと見えてくるから。自分の将来が。

 だから今は、自分が行ってみたい、楽しめそうな所に行きゃいんだよ。」


一生の選択を迫られていると思っていた高校受験。

私の肩がふっと軽くなった。

そして彼は、1曲の歌をメールで送ってくれた。



19のあの紙ヒコーキくもり空わって だった。



「こいつらの曲聴いてると、何か元気出んだよなぁ~

 お前も聴いてみ」



夢を描いた テストの裏、紙ヒコーキ作って 明日に なげるよ。

いつか… このくもり空わって

虹を架けるはずだよ? みんなをつれてくよ?



このお礼に私は、修学旅行で行った時に撮った夜の東京タワーの写真を送った。

ペイントで書いたメッセージも添えて。。

そのメールの返信に、


「実はちょっと仕事の事で落ちてたんだ。

 でもお前のメールと写真で元気出た。サンキュな。

 お前がアホみたいに騒いでるの想像できたわ。笑」



そしてその後、真冬の私の誕生日に届いたKからのメール。

雪の結晶の画像にメッセージが入ってた。

私はそれをプリントアウトして、肌身離さず持ち歩いていた。


他愛も無いチャット、メールが続く。



「あ~スノボいきて~な~。お前スノボできる?」(できません。)


「ウチのリン(当時流行っていたポストペット)そっち行ってる?」(来てますよ~)


「家でタバコ吸ってたら、いつの間にかゴミ箱が燃えてた!やべ!!」(おいおいおい)



会いたい気持ちが、爆発寸前だった。




そんな頃だった。チャット仲間のH(30代後半、既婚女性、東京在住)と話していた。

彼女はKとも話す、共通のチャット仲間で、私とKの仲をいつも温かく見守ってくれる人だった。



「私、来月大阪に出張なの。ねえ、名古屋でリサを拾うからKに会いに行こうよ!」



心臓が飛び出そうな申し出だった。



「でも私、中学生だし大阪に行くお金なんてないし、親にも何て言えばいいか・・・!」



「お金は心配しないで。出世払いで貸してあげる。

 必要なら私がご両親に挨拶に行ってあげるから!」


「そんな事絶対だめ!お金は借りれない。それに、Kが会ってくれないと思う。。」



Hはいつも私とKの仲を心配し、見守ってくれていた。

私が中学生だから、Kに相手にされないと思っていることも知っていた。

もう私は完全にKに恋していた。




ある日、Hが教えてくれた。



「Kとね、この間深夜にチャットで会ったの。いつもリサの話になるの。

 Kが言ってた。 リサと話してると落ち着くんだ、って。

 子供とはとても思えない、すげーやつなんだ、って。

 ガキだと思ってたらさ、なんかすげーハッとすること言うの。泣かされんだぜ。

 すげー素直だからさ。待てって言ったら、一生待ってそうな、そんなだから。

 だからそんな事言えないんだ、って言ってたよ。。」



「だから会いに行こうよ」


そう熱く語ってくれ、誘ってくれたHの思いに

私はやはり答えられなかった。


それは中学生だからでもなく、お金がないからでもなく、

親に反対されるからでもなく、私自身の問題だった。

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