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14/4/15

甲状腺腫瘍を経験したアラサー女子のお話(手術~術後編)

Image by Olia Gozha



こんにちは、おおぬきです。この甲状腺腫瘍もいよいよ手術編に入ります。手術後にツイッターに掲載した写真が残っていたので、この回から実際の画像を載せていきます。また、血の話などのちょっとグロイ話も出てきますので、大丈夫な方だけお進みくださいませ。

4月25日

手術当日。前日からの絶食で胃の中はスッカラカン。(手術の日…というか全身麻酔をする時の絶食理由は、麻酔後、人工呼吸器を差し込んだ時に嗚咽→胃の物が上に上がってくる→器官に入る→肺炎になるのを防ぐためと聞いております)

まず、午後になるまでが長かった!暇すぎたので、また病院内をウロウロしてました。しかも、午前中の手術が長引いて、実際に手術室へお呼びの声がかかったのが14時前。

病衣の下はパンツ一枚で、2人の看護師さんに付き添われ、歩いて3階の手術室へ向かいました。

入り口で髪の毛を収めるキャップを被り、健康保険証の提示と腕に付けられたバーコードリングのチェックを受け、いざ手術室へ入室。

ここでも研修生の方々?と思わせるような人たちが十数人いらっしゃいました。

はじめての全身麻酔

手術台まで自分の足で登り、仰向けに寝るとまた首の後ろ側に厚めのタオルが差し込まれました。(首の筋肉を伸ばして切るためです)

左手に点滴用の針をさされ、右手の人差し指に脈を採る機械のクリップ。全身にも心電図用?のクリップが付けられました。点滴から麻酔が入り、口にはマスクを装着。

担当医「はーい。じゃあ数えますからねー。1、2、3、、、、、、、、、、おおぬきさーん?」




ハッと我にかえると同時に、口から何か管のようなものが引き抜かれた感覚で覚醒しました。そう、すでに手術が終わっており、麻酔から覚めた後の異様な寒気に襲われ、自分の足が伸びたり縮んだりしている感覚がありました。(ちなみに口から出ていったのは人工呼吸器と思われる)

手術中の記憶? そんなものはぜんぜんありません。というか、麻酔が効いた瞬間に一瞬で真っ暗闇に落ちた状態です。かすかに、旦那が夢に出てきていたような気が…する。

せーの!という掛け声で、手術台からストレッチャーに移され、口にはまたマスクが付けられました。身体は全く動きません。覚醒したばかりで動かないんだなあ…ってこの時は思ってました。

担当医「おおぬきさん? 病室帰りますからねー。気分は悪くないですか?」

アタイ「ハイ(うなずくだけ)」


病室に帰るまでは、とにかく寒くて寒くて、身体がこわばっていました。全身麻酔から覚醒するとこんな状態になるらしいです。

動けない苦しみとの格闘

病室に帰ると義母が待っていてくれました。ここでもまた、いちにのさん!でストレッチャーからベッドへ移動してもらい、酸素マスクを付けられました。

義母「大丈夫? 気持ち悪くない? ちょうど3時間だね~」

アタイ「コクコク(うなずくだけ)」

義母「声出る?」

アタイ「はい(しっかりとした発音)」




どうやら声は神経モニタリングのお陰で掠れることもなく、無事だったようです。

気分は悪くなかったのですが、ここから「動けない」苦しみが私を襲います。とにかく動けないのです。寝返りを打ちたくても力が入らない(後日わかったことですが、身体が動かないように首から肩にかけて錘のようなものが乗せられていたようです)

身体が合わない病室のベッド……ずっと仰向けで寝ていたら腰がだんだん痛くなってくるわけです。唯一できることは足の曲げ伸ばしと、右手を腰の下に入れて身体を少し浮かせること。それでも腰の痛みは柔らぐことはありませんでした。(左手は抗生物質の点滴をしっぱなし)

この右手の場所……実はお尻の下あたりに尿パックが敷いてあり、位置を間違えると変な生暖かさが手に伝わってくるという……。実際に排尿しているっていう感覚はないものの、体験したことある人はわかるであろう…膀胱炎の初期のような気持ち悪い感覚でした。

しかも寝ては起きて寝ては起きての繰り返しを短時間で行なっているため、消灯後はとてもじゃないけど寝れたもんじゃない。だんだんと尿管の気持ち悪さも身体が感じてきて、この夜は最悪でした。夜中に巡回でくる看護師さんに、何度も時間を聞いてました。



鎖骨の近くから出た謎の管

手術後の自分の身体の変化にはもう一つ大きなものが。それは、悪い血を外に出すための管が、鎖骨の近くから出ていて謎のパックへと繋がっていました。しかもそのパック、術後から3日間ほど首にぶら下げて持ち歩くものらしい。

明け方、尿を捨てる巡回さんの後に看護師さんがまた来て、このパックに貯まった血の量を測定し抜いていってくれるのです。(血の出る量が少なくなるのが術後3日くらい。少なくなったら管を取ってもらえます)



白い物体は麻酔のせい?

そういえば、手術後、右の鼻に白い物体がめちゃくちゃ詰まってたんですが、あれはなんだったんでしょうか?(笑)鼻○ソ?(同じ体験された方いませんか???)

4月26日 AM6:00

看護師「おおぬきさーん! 気分はどうですかー?」

アタイ「腰が! 腰が痛いです!」

看護師「ああー。寝返り打てなかったですよね!いま軽くしますからね!(ゴソゴソ」

看護師さんが首のまわりに置いてあった錘のようなものを外してくれました。

看護師「これで大丈夫ですよー。」

「こ、これは、起き上がってもいいんですか?」

看護師「どうぞ^^」


………………………………………………


フ、フ、……フンガー! ……いや、起きれませんから!!

……これね。甘く見てました。手術後に「早く仕事復帰するんだぃ!」なんて夢見てた私が馬鹿だったんです…。筋肉にメスを入れるということが、どういう事態を招くのか…。私はこの時点で把握しました。スポーツ選手が手術を嫌う理由、まさにこれです…。

看護師「大丈夫ですか^^?」

「す、すいません。起こしてもらえますか??」

看護師「はーい^^」

で、起こしてもらって、腰が軽くなって「フーッ」って思った、次の瞬間。

うっわ……頭を支える首がなんかおかしいwww

そうなんです。起き上がったら起き上がったで、今度は首の負担がハンパない。そりゃそうです。右側にメスが入ったわけですから、左側がパワー全開。パワー全開しても支えきれない、私の頭。ベッドに座っていることが1分で限界になりました(笑)

看護師「^^?」

アタイ「す、すいません。やっぱ寝ます;w;」

看護師「あら^^ もういいんですか^^?」

アタイ「いいんです;w;」

すぐまた仰向けに寝かせてもらい、そのまま執刀してくれた担当医を待つことにしました。

7時前ぐらいだったかな。担当医がきて、首の傷を診てくれました。

担当医「おおぬきさーん。どうですかー?」

アタイ「腰が痛いで(ry」

担当医「じゃあちょっと傷みせてねー。(華麗なスルー)」

首に巻いてあったバンドのようなものを外し、傷を診ると…

担当医「大丈夫だねー。腫れてないしキレイですよ。」

アタイ「ハヒ」

担当医「今日から歩いて大丈夫ですからね。出来るだけ歩いて体力戻してください!トイレも行ってくださいね!」

まじっすか…。起き上がっただけで凄く疲れたのに……果たしてトイレに歩いていけるんだろうか…と心配になりました。

術後初めて自力で起き上がる&寝る

さっきは看護師さんに支えてもらったので容易に起き上がることができましたが、今後はこれを一人でやらなければいけません。といっても、この起き上がり方はコツがあり、両手をベッドサイドに設置してあるバーにかけ、手で身体を支えて起き上がることができました。逆に、ベッドに入る際も傷に負担がかからないようにゆっくりと横向きで倒れて入っていくような体勢でした。

術後の初めての食事

7時過ぎ。朝食の配膳が始まりました。メニューはおかゆです。絶食後の復帰食であることと、飲み込みの負担を減らすための食事だと思います。実際に食べて飲み込むと、喉に痛みがありました。が、ちゃんと食べて早く動けるようになるんだい!と心で念じて、食事は完食しました。

術後の初めてのトイレ&階内散歩

尿管を外してもらい、実際に歩いてトイレへ。首にはあの貯血パックをぶら下げての移動です。自分の身体から管が出てるなんて、サイボーグになった気分…。

やはり起き上がっている状態からの頭を支える首に違和感を感じました。

トイレ後に頑張って懇談ルームまで行ってみたものの、そこでテレビを観賞する体力はまだなく、すぐに病室に引き返しました。(起き上がっていることに、とにかく疲れを感じてしまい、術後3日間は殆ど寝ていました。)

と、この後の話は長くなるのでまた次回!
最後までお付き合いいただいて、ありがとうございました!

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