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14/3/4

ピンチ!日本企業。10年前のライブドアから学ぶ、今の我々に足りない働き方とは(5)

Image by Olia Gozha

もっとも使っている仕事道具に、日々、どれくらいこだわっていますか?

「通勤カバン」「スケジュール手帳」「名刺ケース」・・・仕事に使うものは多くの人は自分で買って用意すると思う。しかし、毎日、一番使うのに自分で用意せず、会社が用意してくれるもの。


それは、、、

”パソコン”


私がlivedoorへの入社が決まり、手続きなどの連絡を受けていた時の話である。

わたし「他には入社時に何か必要な持ち物はありますか?」

人事「それでは、、、もしお持ちでしたら仕事に使うパソコンをお持ちください。」

わたし「(えっ!!!!ぱ、ぱそこん!?)」


実際、当日、生真面目にPC(東芝リブレット、OSはWindows2000。時代を感じる)を持参したが、それは使わずに、結局、余っていたPC(といっても、白サーバーと呼ばれる、サーバー用に調達されたデスクトップ機)を適当に用意されたのだが、見渡す限り、ほとんどの社員は持参した自前のPCで仕事をしており、中には、1Uと呼ばれる、サーバーラック用のマシンを使っている猛者もいた。(ファンの音がすごくて、とてもオフィスでの利用には向かない・・・)


スタートアップのITベンチャーならいざしらず、マザーズとはいえ社員数200人以上の上場企業で、これには面食らった。

スマホのBYOD(Bring Your Own Device)問題どころの騒ぎではない。PC、モニタ、マウス、アプリケーション、すべて基本すべて自前持ち込みの世界。


一般的な企業では、ここまで持ち込みを自由化してしまうと、やれ「企業データが持ちだされて漏洩だ」、やれ「イントラネットのアクセスのセキュリティが」、やれ「ウイルスに感染して業務が停止する」などを心配事がてんこ盛りのご時世だが、最初から全て自己責任で、不調の対応や、データのバックアップ管理なども自分でやると決まっていれば、それはもう四の五の言わずにやるしかないのだ。


情報システム部や総務、サポートデスクにかけるコストを抑えられることはもちろん、インターネットの会社にいるのだから、自分のパソコンくらい、自分で面倒を見る、という意識が芽生えるのは大事なこではなかろうか。


#とは言え、そんな想定をせずに入社してくる社員もいるわけで、用意されたマシンを立ち上げたらTurboLinuxが立ち上がって(WindowsでもMacOSでもない)、ショックのあまり、入社日の午後に退職した社員がいるという伝説もあった。


プロフェッショナルなら道具にもこだわろうよ!

「パソコンなんてみんな一緒なもんじゃん」 果たしてそうだろうか。

特に、アプリケーションを開発するエンジニアにとって、パソコンやキーボードは一番の仕事道具であり、それの使いやすさ如何が能率や成果物のクオリティを左右するといっても過言ではなかろう。他人のギターで演奏するプロアーティストがいるか?、他人の包丁を使う板前がいるか?、である。


のちに、毎月12000円x最大12ヶ月支給のPC購入手当というのがはじまり、自作PCを作る社員もいれば、大型液晶モニタを追加する社員、PCを安く上げてソフトウェアを買う社員、利用方法は様々だったが、この制度はかなり、うまくいっていたように思う。

(当時の私のデスク)


これらのルールは事件後、PCは会社が一元調達するというルールが敷かれ、極々普通でどこにでもありそうな分厚いノートPCがActiveDirectory(Microsoft製のアクセス権限管理の仕組み)管理のもと500台配布され、二度と持ち込みPCが復活することは無かった・・・。


企業側にも色々守らないといけないことはあると思うが、ユーザーに、顧客に、良い物を早く提供するためにはどういう仕事環境が必要か?そこから考えてみることで、どこにお金をかけるべきか、どのリスクをとるべきか、答えは見えるはずだ。


※誰も知らないと思うが、80年代に、六本木パソコンと呼ばれたパソコンがあった・・・。何が六本木なのか、いまだにわからない。

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Image by Jukka Aalho

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