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14/2/5

季節の話

Image by Olia Gozha

掴んでみても


こんばんは

寒波が来ているようだ。西日本では大雪という報道である。東京の空も寒々しく、身を切るような風が吹き抜けていく。今年は暖かかったけれど、この時期の寒さで季節の移り変わりを改めて実感する。気付けばもう2月だ。帳尻を合わせるかのような冬将軍の襲来に、これを越えれば本格的な春の到来であることを知らされる。

木枯らしや雪、春一番や桜。台風、紫陽花。残暑と紅葉。これらは訪れる時期やその様子などがどんどん変わっているような気がする。入学式の時期に桜が満開であることなどめったになくなってしまったし、秋の中頃までうんざりするような暑さが続く。猛暑と厳冬は激しさを増し、4月に雪が降ることも珍しくはない。もっとも、これは一時的なもの、軽微なことで、長い目で見れば結局同じような形に落ち着くのかもしれない。しかし。季節は巡るけれど、今日目にする彼らは以前の彼らではない。同じ時節が二度とないのは当然のことだ。

散ってまた咲いた桜は同じものではなく去年同様甘いけれど今年の梨は唯一無二だ。帰り道肩に降りかかる雨の滴や窓から出した手に落ちる雪のひとひらはそれきり消えてなくなってしまう。

言葉や思いもまた。同じ単語を並べてみても、似たような事の後に感じる気持ちも、過去をなぞることは出来ても、その時と全く同じくすることなどできない。今吐いたセリフも、この瞬間浮かんだ感情も、それきり消えてなくなってしまう。こうして形に残してみても、彼らが失われてしまったことを再び思い知るだけだ。そう思うと、この、日記を書くという行為が、たまらなく切ないことのように感じられる。

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