top of page

14/1/27

【第1ステージ】無名の大学生が「スポンサーを集めて自転車で西ヨーロッパを一周する」という夢を実現した話

Image by Olia Gozha

「日本は、本当に地図通りに存在しているのだろうか」

地図帳を眺めるのが好きだったぼくは、中学生の頃から漠然とこんな疑問を抱いていた。

「日本は、本当に地図通りに存在しているのだろうか。地図通りに、道はつながっているのだろうか」

大学生になっても、その疑問はずっと頭の片隅にあった。こんな疑問はバカげているし、多分、日本は地図通りになっている。けど、自分の目で確かめてみたいと思った。2009年の夏、ぼくが大学3年生のときだ。

「一冊の日本地図帳を持って、家のある神奈川県横須賀市から九州まで、自転車で行ってみよう」

もちろんそれは、日本に無数にある道のうち、ほんのわずかに過ぎない。でも、もしも九州までの道がこの地図通りに繋がっていたら、ぼくはこの地図を信じることにする。自分の中で、そう決めた。

生まれて初めての一人旅だった。高校生の頃から好きだった世界最高の自転車レース「ツール・ド・フランス」にあやかって、この旅を「ツール・ド・西日本」と名付けた。ルートはこんな感じだ(当時作成した地図)

ぼくは出発の日(2009年8月12日)まで、電車の中や授業の合間など、毎日のように地図帳を眺めては、旅の計画を立てていた。

しかし、出発が近づいたある日、些細な事件が起きた。

授業の休憩中、隣に座っていた学科の友達に話かけられた。

Sくん「ちゃいにー(ぼくのあだ名)、さっきからなんで地図帳見てるの?」

中村洋太「夏休みに、横須賀から九州まで、自転車で行くんだ」

その後に続くひと言に、普段温和なぼくは珍しく、強い怒りを覚えた。しかしSくんには感謝したい。その言葉があったから、今の自分があると思う。


←前の物語

PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

高校進学を言葉がさっぱりわからない国でしてみたら思ってたよりも遥かに波乱万丈な3年間になった話【その0:プロローグ】

2009年末、当時中学3年生。受験シーズンも真っ只中に差し掛かったというとき、私は父の母国であるスペインに旅立つことを決意しました。理由は語...

paperboy&co.創業記 VOL.1: ペパボ創業からバイアウトまで

12年前、22歳の時に福岡の片田舎で、ペパボことpaperboy&co.を立ち上げた。その時は別に会社を大きくしたいとか全く考えてな...

社長が逮捕されて上場廃止になっても会社はつぶれず、意志は継続するという話(1)

※諸説、色々あると思いますが、1平社員の目から見たお話として御覧ください。(2014/8/20 宝島社より書籍化されました!ありがとうござい...

【バカヤン】もし元とび職の不良が世界の名門大学に入学したら・・・こうなった。カルフォルニア大学バークレー校、通称UCバークレーでの「ぼくのやったこと」

初めて警察に捕まったのは13歳の時だった。神奈川県川崎市の宮前警察署に連行され、やたら長い調書をとった。「朝起きたところから捕まるまでの過程...

ハイスクール・ドロップアウト・トラベリング 高校さぼって旅にでた。

旅、前日なんでもない日常のなんでもないある日。寝る前、明日の朝に旅立つことを決めた。高校2年生の梅雨の季節。明日、突然いなくなる。親も先生も...

急に旦那が死ぬことになった!その時の私の心情と行動のまとめ1(発生事実・前編)

暗い話ですいません。最初に謝っておきます。暗い話です。嫌な話です。ですが死は誰にでも訪れ、それはどのタイミングでやってくるのかわかりません。...

bottom of page