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14/1/26

ルーラストーンなんていらない

Image by Olia Gozha

某有名RPGのオンライン版をプレイしているユーザー(以下、冒険者と呼ぶ)は、こう思っている人はまずいないだろうと思う。

かく言う私も、その冒険者の一人であり、口が裂けてもそんなことは言わないからだ。

いや、出来ることなら1つでも多く欲しい。

そういう冒険者が多数ではないだろうか。

例えば、もしも現実の世界に、これまた某有名子供向けアニメの「時空を超えるドア」が存在したら。

そのドアの行く先が常に固定であるとしたら、やはり、そんなドアなんかいらない。

と思う人も、まずいないのではないか。

そして、できるだけ多くのドアを所有したい。そう願うのが、やはり人の常ではないだろうか。

ただ、時々怖くなる。

前述した「ルーラストーン」や「どこでもドア」(言っちゃってんじゃん)はまだしも、自分の身の回りにも似たような物が溢れ出したからだ。

いや。

溢れ出した。というのは正しくない。

これ等は私などが生まれるより、はるか昔から人間たちの間に静かに忍び寄っていたのだ。

便利、という言葉は甘美なささやきで人を虜にする。

何よりも、浸透し始めるとそれが「標準」になってしまう。

今まで数時間かかっていた作業が、数分でできてしまう。

これほど恐ろしい媚薬はあるだろうか。

そして、さらに恐ろしいことにこれらの媚薬は

「使わなくてもいい」位置にいて私たちを見下ろしているのだ。

そう、ルーラストーンやどこでもドアなんかなくても、別に生活することは出来るのだ。

ただ「不便」だというだけで。

テレビのスイッチを入れて、数分後にようやく画像が映り始める世界を知っているだろうか。

それでも離れた場所の画像を見ることが出来るという便利さがあったにもかかわらず、その数分間を私たちはどこかへ飛ばしてしまった。

この「消えた数分間」を恐ろしく感じるのは、私だけだろうか。

まあ、起きてしまった事は変えられないし、これからも「より便利に」が標準になっていくのだろう。

きっと、今の私に出来る事は、いつかそれらが一切合切なくなったとしても、

「無くても生活する事が出来る」世界があったのだ、と記憶しておくことだけなのだろう。

カップラーメンにお湯を注ぎながら私は考える。

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