ニューヨークの地下鉄、というと、
まだニューヨークに来たことがない人は、
落書きだらけの地下鉄を想像するんじゃないだろうか。
俺も来るまではそんなイメージがあった。
でも実際は落書き一つとしてなかった。
これはニューヨーク前市長の「ジェニアーニ」
が行った大改革の功績だ。
地下鉄はもちろん、
街中の落書きも消えていった。
何がポイントだったのか?
彼はいった。
小さな犯罪をなくすことが、
大きな犯罪をなくすことにつながる。
想像して欲しい。
落書き一つないピカピカの地下鉄、
そこに落書きすることができるだろうか。
でもそこに一つふざけた落書きがされていれば、
なんとなくやれそうな気がしてくる。
真面目な中学生が一度タバコを吸ってから、
ヤンキーに転換していくのはよくある話。
結婚まで浮気を全くしなかった真面目な男が、
結婚後に遊びを覚えて止まらなくなるのはよく聞く話。
小さなルール違反が、
雪だるま方式で拡大していく。
橋下さんがなぜ国歌斉唱を義務づけたのか。
事実だけで見れば奇怪な行動も、
本質をみれば立派な政策になっている。
日本にいたときは、
俺は事実ばっかで物事を考えていた。
国歌斉唱なんてどうでもいい、
天皇なんてどうでもいい、そう思ってた。
事実に対して自分の主観で判断するだけだった。
竹島問題も尖閣問題も北方領土も、
別にどうでもいいじゃんって感じだった。
そんな熱くなんなよって感じだった。
でも今は違う。
ニューヨークにきて、
いろんな人種、色、宗教、文化、歴史をもつ人に触れ、
いろんな情報、いろんな価値観にふれ、
その本質を考える習慣ができてきた。
いや考えざるを得ない状況になった。
今までどうでもいいと思ってた上記の外交問題も、
本質をみると日本の未来を左右する重要問題ばっかだった。
本質を考えないと国際社会では絶対生きていけない。
そう気づかされた1年だった。
2年前の自分では見えなかった世界が今は見えている。
ありがとうニューヨーク。