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15/2/4

Rickenbackerに憧れて(8)

Image by Olia Gozha

電話に出た店の主人は「ああ、まだありますよ。色?ベタの青ですね。まあ年式なりの中古です。」という返事。そこで「買います。手続きはどうしたら良いですか?」と尋ね、購入手続きを進めてしまった。

数日後、仕事から帰ると黒いハードケースでソレは届いていた。#360のシルバーハードケースを開けた時の独特の香りと感動を思い出しつつ、留め具を外して蓋を開けると、やはりあのカリフォルニアの匂い('84年製以前のRickenbackerは独特のラッカー系塗料を使っているのだが、たぶんその匂い)が広がる。

そして、目の前にはいつかヴィンテージ楽器専門店で釘付けになったあの「青=アズレグロウ」の#4001が紺のモケットに鎮座していた。アズレグロウには他のメーカーの青色には無いなんとも言えない艶かしさがあるのだが、実物を手にいれた事でこの色に益々魅了され、以降アズレグロウばかりを探し求めるようになる。

このベースは量産過渡期のモデルで'73年末製だがノーマルバインディング、ハイゲインピックアップ、指盤内に収まるトライアングルインレイでネックの握りが丸い、74年〜75年のスペックに近い。ペグがオリジナルのグローバーからシャーラーのごついタイプに交換されていた。

ベースアンプにつないでみると「嗚呼やっぱり」Rickenbackerのベースでイメージするあの音、そうRUSHのゲディ・リーやYesのクリス・スクワイアのようなゴリゴリでガキガキの音が出た。

Rickenbackerの中でも#4001はメジャーだが特に調整の難しい楽器だ。オクターブも弦高もジャズベースやプレシジョンに比べるととても面倒臭い作業が必要になる。好きでなければ弾ききれない。バイクのガンマと同様に乗り手を選ぶジャジャ馬である。

そして、RickenbackerはGuitarもBassも唯一無二の音色を味わう事で止められなくなる。ここから、ズブズブのRickenbackerコレクター生活に突入していくのだ。。

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Image by Jukka Aalho

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