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14/1/10

転職大魔王伝「オレ、女子高生にデッサンを教える。」2

Image by Olia Gozha

オレ、美術予備校の講師になる。

W先生のアトリエに入るにあたり、いくつかの条件を出されました。

・週5回、1日2時間くらいは高校生の指導をしてほしい。

オレ「結構短いな。まぁいいっか。」

・生徒は全員女子校の生徒だ。変な気を起こすな。

オレ「約束はできません。が、留意いたします。」

・余った時間は自由にアトリエを使って制作をして構わない。

オレ「ん?別に制作はしなくてもいいんだけどなぁ。」

・もう一度、東京芸大を受験しなさい。

オレ「ん?それは別に構いませn… 構う!なんじゃそれ!なんじゃそれ!」


先生…

本音はそこだったか…

ホント、泣きそうでした。

オレはホントに幸せもんだわ。

そして、学歴無しの予備校講師(半浪人生)が生まれたのでした。


オレ、鬼講師になる。

はすがない(-_-)

いざはじまってみると、受講生は全員女子校に通う女子高生。専門が「絵画」なので比較的大人しめ。

オレのような専門的な学校のコたちではなかったので、レベルはかなり低く、W先生も自由にやらせている感じだったので、基礎ができてないコがほとんどでした。

とにかく、絵筆は持たせずにデッサン(超得意)だけを重点的に指導しました。(それこそ鉛筆の削り方から矯正)

人数はMAXで10人くらいだったのですが、講師未経験のオレにとっては目が届くギリギリの人数でした。

何よりも...彼女たちを見ながら、自分も同じものを描きあげなきゃいけない(講師レベルのもの)というのは、なかなかハードでした。

ですが...

JK ⑴「先生。おはようございます。」

JK ⑵「あの...先生。質問があるんですけど。」

JK ⑶「先生。ちょっと見てもらえますか?」

JK ⑷「先生、すごーい!」




何という甘い響き...

たまんない…

真面目で素直で素朴なコたちが、この薄汚れたオレをそう呼ぶわけですよ。

こういうの、何プレイって言うんですかね?(違


ですが、変な気を起こすところまではいきませんでした。


だって… 彼女たちったらピュアでもう眩しくて眩しくて…

(もったいないことをした)

オレ、甘い夏を終える。

夏休みも終わりに近づき、オレ先生の夏期講習も残り僅かとなりました。

何人か爆発的に成長したコもおり、W先生からもお褒めの言葉をいただきました。

ただオレ自身はあまり成長が見られず、「受験をする」という約束でお請けしたため、不安の残る夏となりました。

講習も終わり、東京へ戻るオレに、彼女たちの何人かが贈り物やら手紙をくれました。

さすがに涙はなかったのですが、オレはどっぷりと金八気分でした。

オレ「東京にくる時は連絡してな!つーか、来年は同級生になろうな!」


そんなカッコいいセリフを残し、オレは東京へと戻りました。

そして、以前通っていた予備校に頼み込んで、冬の間だけスポットで通わせてもらいました。

オレは、最後の闘いに必死でした。



ベイビーたち。

オレたち、次に会う時は同級生だぜ。


オレ、優秀な先生なのかも。

時は過ぎ、受験シーズンに突入。

オレは今まで通り、東京芸術大学油絵科一本で受験しました。

その先の人生設計なんてありませんでした。もうホントにプライドだけ。

それなりの手応えを感じて試験終了。


運命の合格発表の結果は、、、、


、、、、、、初の一次(デッサン)での不合格。。


オレ「終わっ、、、た。。」




うちひしがれているところに、電話が鳴りました。

W先生「おー!タイチー!どうだったかねー!」

オレ「あ、、、すみません、、、、一次で、、、落ちました。」

W先生「そうかー!残念だったなー!君はねー!見所あるんだけどねー!」

W先生「それよりねー!私のアトリエから4人合格したんだよねー!新記録だよー!」


    えっ


W先生「君がねー!基礎を叩き込んでくれたからねー!見所あるからねー!」


   ぁぁぁぁ…


W先生「それでねー!来年の夏もねー!君にお願いしたいんだけどねー!」


さすがに、丁重にお断りました。

先生。マジ無理っす。


というわけで、可愛い生徒たちからブチ抜かれたオレは、ショックのあまりに一般企業へ就職。

結局その後、人生の目標が定まらないままに渡米。天職大魔王への道を歩み続けたのでした。 ←今ココ



ちゃんちゃん。

まとめ

●業務内容

美術予備校講師(絵画科、夏期限定)

●就労期間

約2ヶ月

●給与

内緒

(アトリエ使用自由)

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