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13/12/20

「趣味で、やってるの?」と聞かれて、絶句した日。「フライヤーを作ってみたいです・・・・・」

Image by Olia Gozha

デザイナーさん「趣味でやってるの?」

「絶句」


 何も答えられなかった、瞬間でした。


初めて、イラストレーターとして、あるデザイナーさんとお話しした日です。イラストレーターになりたかったら、まずは、デザイナーに作品を見て頂いた方がいいというアドバイスを聞いて、早速、コンタクトを取って、出かけたのです。





 瞬発力があるとも言えるのですが、美術系の学校を出たのではなかったので、作品を見せると言っても、どういったものを用意しなければいけないかも、全く知りませんでした。




 ポートフォリオがいると分かったのは、だいぶ後になってからです。




 






デザイナーさん「イラストレーターになりたいんでしょ?名刺配っとけばいいよ。フライヤーを作りたいの?私は、学生時代には、もう作っていたけどね。」

「はい・・・」

 もう、何を言ってみても、どんどん自信がなくなっていきました。そして、そのまま、お話しは終わりました。

 
 今なら、分かるのです。
デザイナーさんに、言われたことの意味。
仕事に対する中途半端な気持ちが、気に入らなかったのだということ。


 でも、言われた当時は、分かりませんでした。ただ、気持ちに火がついたことは言うまでもありません。


 悔しかったです。全て。スマートに名刺を渡されて、おしゃれなファッションで、デザイナーに去られたこと。負けたくないと思いました。


 もちろん、時間はかかりました。だけど、1度は、体を壊したから、自分のペースで、進めていきました。



 名刺も、今年、初めて作りました。
どうせ、作るなら、自己紹介がわりに、おもちゃみたいにつくるのではなくて、きちんと重みのあるビジネス用のものを作りたいと思っていました。



 

「はい。これ。dotstarって言うんだ。いっちょまえでしょ?」

「はー。はいはい。へー。」

 
 2枚目の名刺は、母に渡しました。母に渡すことで、自分にはっぱをかけるのと、母に私も成長したんだよというところを見せたかったのです。


 私とは、逆のタイプの母。良く笑い、良く泣く、女性らしい女性です。そして、かなり変わっていて私に、美術的な要素を与えてくれる人です。私の事を応援してくれる人です。



 フライヤーを作りたいというのは、とっさに出たひとことだったのですが、あのときは、冷やりと凍りつきました。面接は、いくつになっても難しいです。今度は、私が面接をする立場になりました。時間は、確実に流れています。


 名刺の重みは、増していきますが、今年は、充実した年でした。仕事で、祝い事があったので、ただいま、喧嘩中の母にメモで報告しました。

 
「1位になったよ。以上です」


 素直じゃない母は、景品のぬいぐるみと寝ていました。本当に、素直じゃないなあ、この人。ありがとう。母さん。六角形の鉛筆じゃなくて、スクリューしている鉛筆を持たせてくれて。ママ友と競うよりも、私がかわいく見えるお面をつくってくれて。母さんみたいに、可愛くないから、まだいい人は、見つからないけれど、私も頑張っているからね。


 父さん、菊、綺麗に育てているんだね。ありがとう。あなたに、似て、気が付いたら、旅に出たりしますが、心配しないで。ちゃんと、自力で帰ってくるから。それとね、おしゃべりが上手なところと、スポーツ精神を大事にしているから、今、仕事に役に立っています。何を言っても、嘘っぽいのも、似たみたい、父さん。ありがとうございます。

 

dotstar 大野清香

 



「」

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