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14/1/10

第3章 出発 七夕に願いを込めて~自転車ヨーロッパ横断4600kmの奇跡~僕たちが越え続けた死線の先にあるもの~

Image by Olia Gozha

第3章 出発 七夕に願いを込めて~自転車ヨーロッパ横断4600kmの奇跡~僕たちが越え続けた死線の先にあるもの~

7/7 朝 豪華なビュッフェ朝食を腹いっぱい食べて、お世話になったホステル・モステルをチェックアウトをした。

自転車にサイドバック、テント、バックパック、マット、貴重品が入ったデイバックっを取り付ける。

さらに、取り出しやすい場所にペットボトルを結び付けた。パッキングは慣れっこだが、自転車旅は初めてなので不安緩くないか?使い勝手はどうだろう?電子機器類の振動は?考え出すと終わりはない。

旅で学んだこと、ものごとを進めるときは、70%の完成度で動かし、動かしながら考えて改善をし続ける。あれこれ考えても仕方がないときは、諦めてまずはやってみる。初めてのことなので失敗して当たり前。日々刻々と変わり続ける環境にどう対応していくか!と自分の都合のいいように解釈して、パッキングを終えた。(今からみると本当にダメダメなパッキング。)

前日の夜に、今後の大まかな自己紹介と大まかなルートを皆で打ち合わせを済ませた。

ゴールはスペイン。ここブルガリアからの距離はおよそ5000km毎日100km進んで、50日かかる計算である。ブルガリアから西に進路を取りセルビアという国にはいる。その後、南下して海に向かうか、北上するかが最初の分かれ道。ここは、紛争地帯コソボを避けようということで一致し北上してクロアチアを目指すことになった。イタリアかオーストリアの選択肢があるが、ネームバリューの高いイタリアが勝利した。

出発前に決めたことなんてこの程度。

今日の目標とルートを確認しペダルを回しスタートした。

先頭は、リーダー星野

次にシゲちゃん、私、最年少で経験豊富な周君の順番である。

出発そうそう、リーダー星野は、本日の道をロスト6kmのロス

なんとも、先行きの思いやられる幕開けであったが、道に関しては、しっかり者のシゲちゃんが途中から先頭指揮を取り出す。最後方を走る周くんは、チーム全体を見ながらトラブル対処。

走り出して早々に、皆の特性が節々に顔を出す。

最年長のシゲちゃんは、石橋を叩いて渡るタイプ。

体力はイマイチだがそんな中でも常に頭は冷静に働く男で、無駄を嫌がる。

リーダー星野コウダイは、夢高く、ノリもよくて、面白い。

がしかし、極度の方向音痴。

最年小の周くんは、年上を気遣う優しい男。まだまだ未知数。

私浜吉勇馬は、猪突猛進、細かいディテールは気にせず突き進む。

まぁずっと写真を撮っているから、意外にマメな一面も。

出来の悪い、2人と優等生2人といった何ともバランスの取れたチームで、右に左に道を間違えながら午前中を乗り切り、国道沿いのレストランで昼食をとることにした。

そのレストランには、なんとプールがあり東欧美女が悩殺ボディを揺らしながら、水遊びをしている。

私たちも、プールサイドに席を取りサンサンと降り注ぐ太陽のしたで美女を眺めながら休憩をとった。

この時ランチを食べながら、自転車旅ってなんて素敵なんだろうと

その後、美女に後ろ髪を引かれるながらも、なんとか自転車にまたがりペダルをこいだ。

坂を上り、辿り着いた場所はパスコントロール、旅中に幾多の国境を越えてきたが自転車で超えるのはもちろんみな初めて緊張しながら全員で国境を越えた。

ブルガリアからセルビアへと入国して感じたことは、家のデザイン特に屋根の色が一気に変わったこと

オレンジ色の家たちが疲れた体を癒してくれた。

自転車にも慣れてきた我々は、チームで走ることを考え出した。

先頭を行く自転車の後ろにつくと、空気抵抗がなくなり楽に走れることを知った。順番で先頭を走り後続車は数センチの間隔で後ろにつく、そうなると視野がどんどん狭くなりじっと前を行く自転車のタイヤばかりみていることになっていた。




そんなことにも気づかずに、どんどんどんどんとのめり込む。新しい技術を吸収している感覚に酔いしれている。そんな時事件は起こった。

先頭は勇馬、次に広大、シゲト、周 みんなでまとまって走り、速度もどんどん速くなってきて時速30kmを超えだした矢先のことである。

広大の自転車にシゲトが接触し、バランスを崩し落車、その後ろをいく周もシゲト衝突。勇馬と広大はすぐに自転車を止めて2人のもとに駆け寄った。

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