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13/12/10

生まれてこのかた【生きることは掻きむしること】と思い続けてきたアトピッ子のボクが、ツルツルピカピカの肌を取り戻すことができたストーリー(2)

Image by Olia Gozha


さて、では具体的にこれからボクがどうやって克服していったのかを書いてみますが、もしかしてこれは「副産物的に手に入れてしまってラッキー」と言った方が正しい表現かも知れないけれど、書くだけ書いてみます。



ボクの暮らしとアトピー

では、ボクがどうやってアトピーを克服したのか?

理由はとても簡単でした。

 

「食えない時代」がボクをアトピーから脱出させたんです。


もっと言っちゃうと、「貧乏生活」が

ボクをアトピーから解放してくれたんです。

これじゃぁぜんぜん分かんないですね(笑)


もっと詳しく書きますと、そう、アトピーは現代病とよく言われるように、(あくまでもボクの考え方ですが)「現代の飽食の時代の産物に他ならない」と、今となっては、思わずにはいられない…ってこと。

はい、ものすごく端的に書くと、



「食べなかったら治った」んです。






アトピーを克服したときに思いあたること




思い起こせば27~30才ぐらいまで、ボクはフリーランスの広告プランナーになりたての頃はとても貧乏で、『1日パン1コ、あとは水だけ飲んでりゃ死にゃぁしねぇよ』みたいな生活を送っていたんですが、まぁ、そんな生活を約2~3年過ごしたんですね。

とはいえ、ときには業界が業界だけに、豪勢に他人からごちそうになったりもしたけど、基本的には「1日おにぎり2つ」とか、「パン2コ」・・な、誰が見たってひもじい生活だったことは間違いありません。

でも、そしたら、どうでしょう、、、

ある日、我に返ったらアトピーが良くなっていたんです。

 

そう、ボクが言いたいのは、結果的に・・・


「過食をやめた」ということです。




でも、この場合の過食とは、食べ過ぎるという意味の過食ではなくて、【栄養摂取過多】という意味の過食であり、言い換えれば「粗食のすすめ」が正しい表現なのかも知れません。


『粗食のすすめ』…現代人は食べ過ぎなんじゃないか?


いみじくも、これは最近になって知ったことだけれど、 幕内秀夫さんが「東洋経済」でも連載していた【粗食のすすめ】とまったく考え方は一致していた、ということです。


まぁ、ボクの場合は、独立して食べられない時代が、期せずしてそうなってしまったんですけどね…(笑)





ちょっと紹介します。

第一章:粗食こそ健康の基本

 ● 食生活の常識に疑問を持ちましょう

 ● 今は現代型栄養失調の時代です

 ● 食生活改善の十か条があります

といった内容で、ボクが図らずも体験したことと、そのときに思っていた考え方が第一章の内容と偶然にも一致していたという事実です。

もちろん、栄養面のバランスの問題はあるかもしれないけれど、とりにもかくにも、現代人は『いいもの食べ過ぎなんじゃないですか?』ってことです。


ボクのアトピー症例と克服プロセスの詳細


では、ボクのアトピーの症例は、どんな症状で、どのようなプロセスを踏んで、綺麗な肌になっていったのか、ということを書きます。

ボクは前章の(1)でも書いているように、1日24時間、カユくないときはないほどに、常に寝ながらもどこかを掻きむしっていたし、血も流していました。


掻いたところはジュクジュクして、カピカピにもなってヒフがつれて(特にヒジの内側とヒザの裏側)、痛くてカラダも思うように動かせない…というような症状でした。

しかし、(フリーランスの広告プランナーとして独立して)食事も満足にとれない生活を送っているので、お金を稼ぐために、肉体労働のバイトを掛け持ちしながら身体を動かさなきゃいけませんでした。一番、アトピっこにとって嫌な汗だくの日々です。





この「汗」というのが実はアトピっこにはくせ者で、放っておくと死ぬようなカユさが襲ってくるものなんです。

だから、ボクは汗をかいたらすぐさま、外だろうがどこだろうが(トイレなどで、裸になれるような場所であれば服を脱いで)、水道水で汚れと汗を洗い流しました。そして、すぐにフルコートというステロイド系の薬を薄く薄く、騙すように塗っていました。

ステロイド系の薬は今さら言うまでもなく、長期間は使ってはいけないと言われている代表的な薬なんですが、そんなことは百も承知だし、「そんなきれい事は聞いてらんねぇ」っていうか、その薬抜きでは生きていけない状態だったので、極力使わないように努力しながらも、しょうがなく使い続けてました。

 

でも、汚れや汗を洗うときには、絶対に「石けん」は使わなかったし(それも貧乏だから高い石けんなど買えなかったし)、それはイコール、石けんを必要とするような物質も身体に付けることをしませんでした。それは例えば、整髪剤などはシャンプーを使わないと落ちないので、絶対に使いませんでした。

そして、水洗い(もしくはぬるま湯で身体を洗い流すだけ)をしたあとにも、とても神経を使いました。

なぜなら、放っておいて乾燥すると、今度はひび割れを起こし、カユさのあとは「痛(いた)くなる」ので、「肌水」や「ベビーローション(クリーム状の)」など、お金がないので、これまた安めのローションを塗り、薄く薄く必要であればステロイド剤を塗り、あとは、ロングTシャツを着て“保湿”を心がけました

しかし、こんなに気をつかっていながらも、

食べるものは、

いつもいつも

「粗食」でした。 


くどいようだけど。

ごはんと海苔とうめぼしとか・・・

でも、当時を振り返ると「アトピーが良くなってきたな、、、良い調子だな」とか、感じている余裕はまったくなかったんです。


なぜなら、当時は、その日その日を食べてゆくことに精一杯だったし、お金にならない企画書を書き続けることで頭がいっぱいだったし、昼間は肉体労働もしなきゃいけなかったし、それに・・・・

アトピーとのつきあいは一生なんだろうなぁ

・・・と、ある意味、あきらめというか、そういう覚悟で、割り切っていたからです。

ある日、突然気がついたんです。

でも、粗食の生活、そして、自分がかゆくなる前に汗や汚れをじゃぶじゃぶと水洗い、「肌水」とか「ベビーローション」などで保湿、そして、あまりに我慢が出来なかったら「ウナコーワA」(これもステロイド系ですが強烈にかゆみを取り去ってくれます。しかし、傷口があると死ぬようにしみます。でも、かゆくて掻きむしるよりマシです)という薬を塗り、早め早めにケアすることを心がけていたら、、、、、



ある日、自分の体質が変わっていたことに気がつきました。

そう、アトピッ子にしか通じないかも知れませんが、汗をかいてもアトピっこ独特の、あの、へんな汗のかき方をしなくなってたし、薬を塗る頻度も少なくなっていったんです。

でも、汗をかいたらすぐ水で洗う、保湿を心がける、あまり高カロリーなものは口にしない(っていうか、しばらく贅沢はできなかったし)という生活習慣はあいかわらず続たまんまでした。

ハワイ留学とアトピー


ちょっと話しは逸れますが、ボクは高校を卒業してすぐにハワイに留学した経験があるんですが、実は、その留学している約1年間は、「アトピーは嘘のように消えた」という経験も持っています。

「海はカラダに良い」とはよく言われていますね。


でも、最初は全身のアトピーの部分が痛くて痛くて、仕方なかったんですけれど(一度、水の中になれちゃえばなんとかなる…)あっという間に跡形もなくなった体験は、ボク自身が信じられませんでした。

 なぜだ?

決定的に「これで治ったんだ!」という理由は今もってわからないけれども、考えられるのは、食事(これも粗食でしたね)、湿気、気温、あと海によく入っていた、、、、という、一言で言えば、「環境の変化」以外は考えられないわけです。

しかし、帰国後、またすぐにボクのアトピーは何事もなく再発しました。

そう、何不自由することがない実家に戻り、大学生活を送ったからです。

そう考えると皮肉なモノです。



母がボクの栄養を気づかい、おいしいごちそうを作ってくれればくれるほど、ボクのアトピーは悪くなっていたのかもしれないのだから…。

 

話を戻しますね(閑話休題)




- - -

今、ボクの肌はとてもきれいです。

でも、正直に書きます。

季節の変わり目になると、頭の中にカサブタができちゃうほどカユいときがあります。そして、たまに猛烈に痒くなるときだってあるし、たまにモーレツに掻いちゃいます。

でも、掻いて良い場所は「ここだけ」と自分の中で限定する場所を設定しています。


「そこ以外は絶対に掻かない」


※どこか1箇所は犠牲にしても良いから、
他の場所は絶対に掻かない…というアプローチ


という強い意志を持って生きているのですw




アトピー克服と禁煙プロセスの関係性


こう書くと、アトピー治癒は禁煙のプロセスと似ているのかも知れません。



愛煙家が禁煙生活を続けていった場合、何年経っても「タバコ吸いてぇー」と猛烈な衝動に駆られたり、タバコを吸っている夢をみるように…


アトピー治療を心がけている人間も・・・

「あぁ、ムチムチかゆくなってきた。今、思いっきり掻きむしったら、さぞかし気持ちいーだろーなー♪」

 ・・・という呪縛から解放されることはないような気がします。



余談ですが、カユいときに掻きむしる

「その瞬間」は何よりの快感にも勝ります。

ということで、えぇ、断言します。

アトピー治療には「強い精神力」も必要なのです。

たまたまボクは、

・・・掻いたら後で皮膚がツレて痛くて身体が動かなくなる → 肉体労働もできず、食べることすらできなくなる → なんのために田舎から上京してきたんだと自己嫌悪に襲われノイローゼになる → だから最低限、アトピーのケアだけはしなきゃ → あぁ、明日も肉体労働だ・・・

という生活と、粗食の食生活を続けていたら、ほとんどヒフの薬を必要としない身体を取り戻すことができました。

しかし、時折襲ってくるカユさ対策のために、今でも「キンカン」は常備しているし、シャワーの後は必ず「肌水」や「クリーム状のピンクのベビーローション」をつけるというケアは怠りません。

なぜなら、もう二度とあのカユさでノイローゼになるような身体にはなりたくない!と思うから。

 

まとめます。

 ※アトピーで悩んでおられる方が、もしこれを読んでいたら、騙されたと思ってこれだけはしてみてください。

まず、

「この皮膚は治る」と信じましょう。

 そして、痒くなったら掻く前に…

 ・「このひと掻きが、この後数ヶ月、自分を痒さのスパイラルへ落とし込むんだ」と自覚して、覚悟してから、掻きましょう。(せめて「掻いてもイイと決めたどこか1箇所」にしましょう。)

 そして、言われ尽くされてますが




 ・石けんは使わず(ぬるま湯などで身体を洗い)清潔を心がけ、ネイルケアの意識など捨てろ。爪は深爪ギリギリまで切るべし!

 

 そして最後に、、、

 ・食生活を見直しましょう・・・っていうか、

  だらだら喰うのはヤメましょう。




食生活を見直せば必ず体質が変わるんです。

ボクのカラダが証明しています。

そして、今、食べようとしている食事を、たとえ抜いたとしても、死ぬわけじゃーないw

こんなに豊かな食生活を送っているのは、世界中見まわしたって数えるぐらいの先進諸国でしかないんだし、ほとんどが質素な食生活を送っているということを考えれば、そんなに辛いことでもないはずです。


ーーー少なくともボクはそう自分に言い聞かせた。(※まぁ、食うものが買えなかっただけなんだけれどね)

おことわり


冒頭でも書いてあるように、これはボクのケースであり、ボクは医者でも栄養学者でもセラピストでもないということを、最後の最後にもう一度お断りしておきます。

また、今のボクは、おかげさまで「食べることが唯一の楽しみ」と言っても過言じゃないほど、おいしいものを食べられるような暮らしを手に入れたし、それを満喫できるカラダも手に入れました、ということも最後に記します。

最後まで読んで頂きありがとうございました。



もし宜しければ、この次に、ボクがアトピーケアで使用した薬と、その使い方についてお話しします。

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