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13/11/24

【教壇から見た世界】カンニングシークレットマニュアル。生徒がカンニングしたとき、僕はどう対処したか。2【通知編】

Image by Olia Gozha

生徒は片手だけ机の中に入れている。

僕:「おかしい。。。」

その生徒は、

窓側の一番後ろの角に座っている。

オセロだったら、ぜひ欲しいところだ。

僕は机間巡視をしながら、

生徒の背後に位置し、事実確認を試みる。

当然、

生徒は僕が背後にいるのは知っているから、

警戒している。

僕が考えたのは、

「彼は机の中に携帯電話を持っている」

ということだ。

数分の間、

膠着状態。。。

テスト時間は進行している。

プレッシャーもある。

しびれを切らしたのは、

生徒の方だった。

ビンゴ。

はっきり見えた。

何を見ているかすらわかった。

「ヤフー知恵袋」

僕:「あら、いいですねー、便利ですよねー、

   僕もよく使うんだよ、そうそう、それ。。」

ってなってしまうのが、

僕の悪い所だ。

教師失格だ。

人間失格だ。

生まれてすいません。

ITの台頭は、

人間の様々な部分を侵食し、

隠していたものを、あらわにする。

科学の進歩、利便性の追求は、

欲望から始まるゆえに。

今更言うことでもないか。。。

ともあれ、

僕は、もってきた紙一枚のはじを手で破り、

その切れ端にこう書く。

「あとで、職員室に来なさい」

僕は、再度、

彼の近くに立ち寄り、

その切れ端をそっと解答欄にのせる。

紙がひらひら舞い、彼の名前欄に落下する。

僕は、

そのまま流しそうめんのように、

スムーズに机の間を通り過ぎ、

教壇に戻る。

教壇から、

ちらっと彼の方をみる。

動揺の色は隠せないようだ。

僕は警察ではない。

即、現行犯逮捕とはいかないのだ。

まずは、

ただ、彼と話したかった。

試験最終日。

帰りの会は午前中に終わる。

12時55分、彼はやってきた

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