
これは
すべてを捨てて駆け落ちした友達”と”友達がネトゲで知り合った彼女”と”僕”とが1K8畳で一緒に暮らすことになった話
の続きになります。
これをみていないと分からない展開などもあると思いますので、興味のある方は先にこちらを見てやってください。
あと、この記事で書いた分も追加してあるので、わざわざ戻って見なくても大丈夫なようにしてあります。
あと、創作かもしれないと思うかもしれませんが、
すべて僕が体験した事実であり、真実です。
まあ信じてくれない人も多いと思いますが、
それがウソかホントかなんて僕だけが知ってればいい話ですので。
あなた様が楽しんでこのくそったれな馬鹿者のストーリーを読んでくれれば、
それで誰かがこいつらあほだなって、
そんなことを思ってくれるならそれでうれしいなって。
そう思います。
あ、でも多少は脚色しているところがあるかもしれません。
102%くらい。
あと吹き出しは使いにくいのでなくしました。
小説っぽいほうが僕にはあってるなって。
いや、言い訳してすみません。
この謝罪の言葉を免罪符にしてものぐさな僕を許していただきたく。
ではドゾ。
2章 残金0円で生きていく方法(仮)
事実は小説よりも奇なりとはよく言うものです。
ははぁ、大変だなぁと言いつつ、
「まあ大変そうだけどまだ僕にゃあ関係ないな、へっ。」
と思っていたのはここで僕の物語をよんだあなたと僕だけの秘密にしておいてくださいね。
(本人はFBをやっていないし、こんな物語をここに投稿してるなんて知りません。)
これは予想でしかないのですが、
首吊り現場の死体ってグロテスクな場合が多い気がします。
舌が飛び出していたり、
失禁していたり、
顔が腫れてものすごい色になっていたり。
うう。書いていて気分が悪くなってきました。
そんな状況を家に誰もいない状態(まあ正しくは母だったものと二人ですが)で、
いるのは非常に辛いでしょう。
僕の母がそうなっていたらと考えると涙がうっすらと出てきました。
その状況下で彼女の心をなんとか彼が繋ぎ止めてたと考えると、
彼は非常に男らしい決断をしたものです。
ですがこの物語の題名では彼は全てを捨ててとなっていますよね。
会社での正社員という社会的地位だけではなく、まだまだ彼は何を捨てて何を取るかの決断を迫られます。
ここから彼が"嫁"の為に何を捨てたのか、
というエピソードをまだ当事者でない僕は語り部として話していきましょうか。
ーーー。
「親父にぶん殴られた。いきなり来やがって。」
親父は激怒した。
自分のコネを使って入社させた会社をすぐさま辞められたからです。
自分の顔に泥を塗った息子が許せぬ。
そして御天道様に顔向けできないような生活をするなという若干の親心(と言う名のエゴ)も見てとれます。
親父は思い立つと地元から3時間かけて札幌までやってきたようで。
息子を殴りに。その為だけに。
「てめえは何してんだ、ふざけんじゃねぇ。」
「もう2度とこねぇからな!てめえなんて知るか。」
凄い暇な親父さんだなーと当時親心を知らない僕は思っていました。
まあ、僕の父親が
"人生なんて本人の自由だー"
という放任主義という名の投げ捨て思考だったのもありますでしょうが。
この時の彼の親父さまの気持ちは今でもよくわかりませんが、
この行動に納得はできます。
このバカ息子、と喝をいれにきたんですよね。
きっと。
それからも親父さんを無視しつつニートになった僕の愛すべき友人は、
見事なまでの引きこもり生活を続けました。
車は親父さんが帰りがけに乗って帰っていったそうで。
だから足はなし。
職もなし。
そして、金もじわじわとなくなっていく。
そりゃあ引きこもっていればお金がなくなっていくのは当然ですよね。
僕は実際に通帳を見ていたわけではないのですが、
通帳の残高が3ケタを切った時の絶望は形容しがたいものがあるでしょう。
「金なくなったから実家帰るわ」
そして、
その一言を残し実家に帰って行った彼はどのような気持ちだったのでしょうか。
あ、親父にまた殴られながら荷物をまとめさせられたそうです。
なんだかんだ言っても引っ越し手伝うなんて、
親子の情というものはまだあるみたいですね。
ーーー。
「俺、あいつに会いに行くわ。」
あいも変わらず唐突です。
というか前々から考えていたのでしょうか、
そんなことを言い出した・・・職を投げ出した無一文な彼は、
おうじ理論によって一番最強で素晴らしい独自の方法を思いついたようで。
「じゃあどうすんのお金ないじゃん」
「ん?ひとまず適当にバイトか何かで稼ぐよ、10万くらい。」
「いやいや、会った後どうするんだよ。」
でもその理論は人から見れば穴だらけの”独自”な理論は、
「ひとまず深夜バイトか何かで1ヶ月みっちり働けばそのくらい稼げると思うんだよ。」
「実家だから食費とか生活費もかからないしね。」
「まあ親父がすごいうるさいけど。」
「人の話聞けよ。」
彼を心配する”僕ら”には到底理解できないものだったりするもので、
「まあいいじゃん。何とかなるって。」
「いや、心配して・・・んーもう決めたんだよね。そうするって。」
「ああ。」
だけど、勇気が”ありすぎる”彼にとっては、
その選択肢を選んだ結果自分に何が起きてもすべて受け入れるつもりのようで。
「じゃあ僕は何も言うことはないよ。」
「何かあった時は言ってくれ。お金はないが生活くらいなら何とか助けられるよ。」
「まあ自活できるように努力はしてもらうけど。」
「すまないな、ありがとう。お世話になります。」
「いやいや、最初から頼る気満々とかねぇよ。。」
「・・・愛って大変だな(ボソッ」
だから僕たちはそいつを応援するしか道は無かったりするんだ。
”友達”として。
「え、なんか言ったか?」
「べ、別に大したことは言ってないよ?」
「まあ何にしてもお前らの気持ちは凄いありがたい。」
「腐れ縁のような感じもするが、友達っていうのは本当にありがたいものだな。」
「・・・ああ。」
つまりこいつとは、長い付き合いになるってこと。
「そして、愛なんてそんな大それたものじゃないさ。」
「きこえてんじゃん・・・恥ずかしい。」
落としどころもしっかりとわきまえる彼には本当に頭が上がらない。
ーーー。
FENDER JAPAN
BASSWOOD、
MAPLE OVAL TYPE, 432 SCALE、
ROSEWOOD, 184R, 20F VINTAGE
・・・だとかのベース、
(よくわかっていない)
ワンピース全巻(当時の)
灼眼のシャナ全巻(当時の)
...etc
被害額。
おおよそ10万ちょい。
おおじはとても怒っていました。
というのも彼の昔アルバイトで購入した私物が日に日に減っていく。
問いただしたら犯人は親父だそうで、
まあ色々と気持ちはわからないでもないけど、
陰湿すぎないか?親父さん・・・。
「俺、全部買い戻すわ。」
様々な気持ちを抑えながらその物体を買い戻すおうじ。
ん?なんで買い戻す必要があるんだろうか。
そんな日々を過ごしながら彼はコンビニの深夜バイトを始めました。
実家に戻って3ヶ月。
バイトを始めて2ヶ月。
そして、彼女のいる愛知に行くまで1ヶ月のことでした。
時々コンビニの廃棄の食品を貰ってきて地元の友人にふるまったりしていたそうな。
(廃棄を貰ってくることは業務上横領です。)
そんな余裕があるんだかないんだかよくわからないまま、
時間は進みます。
ーーー。
「親父に売られると嫌だから」
と、友人宅にPC一式と人には言えないようなものを預け、
「そいじゃ、一回行ってくるわ。」
ああ、行っちゃったな。
味噌カツが実は凝ってるのは味噌だけであって、
カツ自体は普通だからがっかりしないかなって思ったり、
彼女の親への挨拶に白い恋人かマルセイバターサンドのどちらがベストか、
なんて議論をする暇もなく。
彼は旅立っていきました。
名古屋空港、いや中部国際空港へ。
帰ってきたらどうすんのかな、
札幌で職探すのかな?
あいつもう家には戻れないし・・・。
まあ、僕たちで適当に家を回ってもらいながら、
職探しと家さがしすればいいか、
なんて僕たちの中でも自然と決まったりして、
彼がホテルで全裸の写真を当時全盛期のmi〇iにアップして、
友人全員をドン引きさせたりして、
(下な部分は謎の逆光でもちろん見えなくなっていました。)
彼は戻ってきました。
バックパック一つに手提げを持って。
「じ、じゃあひとまず寿司屋でミィーティングするか(苦笑い」
「そ、そうだな海鮮〇でいいかな?(苦笑い」
僕たちが苦笑いしてるのは別に彼の生き方を、
服装を馬鹿にしているわけではありません。
それはもう一つの”荷物”を見て・・・
もう一度言います。
彼は戻ってきました。
バックパック一つに手提げを持って。
そして、”旅行鞄を持った”彼女を連れて。
彼女を連れて?
ああ、こういう奴だった。
僕らはこの時思い出したのです。
この人の行動力を。
そしてそれに伴う苦労を僕たちが背負うことになるのだと言うことを。
ーーー。
少し愛知へ行く前の話をしましょう。
まず彼は親父に愛知に行くということを告げたのですが、
もちろんそれはケンカに発展するわけで。
「親父になんてわかんねぇよ!」
「もうお前に人生がどうとか言われる筋合いもないから。」
「2度と、2度と家になんて戻らないから!」
というやりとりがあったのかどうなのかは正直わかりませんが、
(今まで見たことがないほど怒っている彼に詳細を聞き出すなんてやりたくないです。)
親父と勘当したのは確かであって、
まず、彼は帰るべき家と肉親を失いました。
そのせいで彼には前に進む(彼女と会いに行くという選択肢)しか残っていないのです。
それをロックだとか、男らしいという言葉でかたずけていいのかどうなのか、
僕はまあこういう生き方もありだなって納得したり、
今現在隣の頬がひくついてる友人をどう説得するかに悩んだり。
赤マンボウ、シイラ、ウミヘビとおそらく偽装魚と言われる魚たち。
ここの回転寿司でも使われてるんだろうなぁと思ったり思わなかったり。
(隣のひくついている友人が今のように有名になる前から得意そうに話していました。)
そこで作戦会議と言う名の魔女裁判の判決をどうするか悩むのは当然と言えば当然でしょう。
ひとまずサーモンをほおばりながら僕たちは”この後の”ことについてを話し合っていきます。
4人の自己紹介が終わりました。
4人というのは僕、王子、彼女、友人の4人です。
黙々と寿司をかっ込む僕らとお前らいちゃこいてんじゃねぇって感じの彼ら。
話はなかなか進みません。
一通り寿司を食べ満足したのか隣の友人は言いました。
「これからどうする?」
「僕の家でもいいけど?」
まあ約束してしまったものは仕方ありません。
約束を守らないのは人としてダメだと思ってる、僕です。
「んーどうしようかな」
「いやいやあんたの住む場所だから。」
「でも少し、というかかなり片付けないといけないからちょっと待ってほしいけど。」
「じゃあひとまず俺の家がいいんじゃね?」
僕よりも汚い家の主(友人)はこう言います。
また僕がお宅訪問してゴミ出しやら流しの片付けをやらなきゃいけないな、
なんて思いながら。
「じゃあひとまずそっちとめてもらうわ」
「おっけー」
「んじゃあ片付け終わったら連絡してくれろ」
「はいは-い」
ひとまず執行猶予が付いた僕は立ち上がり言いました。
「それでいいよね?葵ちゃん?(仮の名前です)」
「うん。」
「あと一つ聞いていい?」
「ん?」
非常に馴れ馴れしく彼女はそう答えました。
(ぼくはそういうのを気にしません)
しかし僕が気になってることは別にありました。
「あなた中学生ってマジ?」
「うんそうだよ?」
そんなふうに義務教育真っ最中の彼女は答えました。
義務教育最後の年にはふさわしくない遠い北の地で。
それは雪解けもまだ少し遠い3月の事でした。
続く。

