top of page
Copy of STORYS_edited_edited.png

13/10/25

童貞だった僕に彼女が出来た時の話 第二回

Image by Olia Gozha



みんな僕のくだらない話を読んでくださってありがとうございます。





さて、続きを書くとします。



彼女の部屋に行く!!と覚悟を決めた僕ではあるが、まぁへたれな僕にいきなりそんなことが出来るわけもなく数日が過ぎて行った。



なにか、キッカケさえあればなぁ…。と思っていたところに、思いがけないチャンスが。彼女がパソコン関係のトラブルがあると話していたので、(パソコンのケーブルが焼けるように熱くなるとか何とか)そのケーブルを見せてもらうことに。



彼女の部屋に行くぜ!と僕は意気込んでいた。…が、僕の期待はあっさりと彼女が僕の部屋にいきなりケーブルを持って訪れたことによって打ち砕かれてた。彼女が思いがけず僕の部屋に来た時、僕の部屋は汚く、脱いだ白いシャツは部屋の隅に固めて積まれており、なんとはなしに悪臭が漂い、そのなかでだらしなく韓国ドラマを観ている僕、という最悪の光景だった。



あわてた僕は、彼女とまともに目を合わせることもできず、そそくさとケーブルの電圧をチェックし、いくつかアドバイスをするだけ(原因は日本の電圧とオーストラリアの電圧が違うため彼女のケーブルがショートしかけてたからだった)で部屋の扉をしめてしまった。



そんなこともあったものの、とうとう僕はある夜、彼女とFacebookチャットをしていたときに、今までほとんど韓国映画を見たことがないという彼女に「僕がお勧めの韓国映画をあげるから」という理由をつけて部屋に行くきっかけを作った。



その日は寒く、季節外れに僕はマフラーを巻いていた。彼女はピンクの上下ジャージ姿だった。彼女の肩まで伸びた黒髪は緩やかにカールしており、ちょっと自信なさげな笑顔が僕を迎えた。



「USB持ってる?」と僕は聞いた。映画は僕のUSBに入っていたので、彼女にあげるには容量の大きなUSBが必要だった。ただ単にDVDかなんかを手渡してくれるだけだと思っていたのだろう彼女は、「え、ちょっとまって」と、ごそごそ引き出しの中を探し始めた。



彼女はもしかしたらしぶしぶだったのかもしれないが、待たせるのも悪いと思ったのだろう、僕を部屋に入れてくれた。たぶんまだオーストラリアに来たばかりだったし、あんまり人を撥ねつけるのもまずいと思ったのかもしれない。彼女の部屋は、ベッドのカバーがパステルカラーの緑、ピンク、ブルーなことを除いては特に女の子らしい点はなかった。洗濯物の入った洗濯ネットが二つ、服を入れる引き出しの手前に置かれていた。



彼女のUSBに映画を移し終わった後、僕は彼女がお勧めだという「カンナさん大成功です」を床に並んで体育座りをして観た。デブでブスな女性が全身大整形して有名歌手になる話だ。途中で彼女が、もし僕の彼女が整形しまくっていて、つきあった後にそのことを知らされたらどうするか、と聞いてきた。そして彼女自身、自分の外見に自信が無く、もっと二重を広くしたいと本気で思い詰めていたことがあるそうだ。そんなことはないと僕は思った。彼女の眼は、知的で美しいと思ったが、そんなことが直接言えるわけもなく…。



映画が終わった後、僕は何を話してよいかも分からず、気まずくなるのも嫌だったのでそそくさと部屋を出てしまった。でも、少しは仲良くなれたかもしれないという達成感はあった。






PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

大嫌いで顔も見たくなかった父にどうしても今伝えたいこと。

今日は父の日です。この、STORYS.JPさんの場をお借りして、私から父にプレゼントをしたいと思います。その前に、少し私たち家族をご紹介させ...

パパが仕事を頑張れる理由

私のお父さんは今単身赴任中です。
今は単身赴任中ですが、元々は家族で転勤族をしていました。

私が生まれた時は香川県にいて、高知に移って、ま...

テック系ギークはデザイン女子と結婚すべき論

「40代の既婚率は20%以下です。これは問題だ。」というのが新卒で就職した大手SI屋さんの人事部長の言葉です。初めての事業報告会で、4000...

あのとき、伝えられなかったけど。

受託Web制作会社でWebディレクターとして毎日働いている僕ですが、ほんの一瞬、数年前に1~2年ほど、学校の先生をやっていたことがある。自分...

私が今死んでない理由

虐待、施設育ち、家出、援交、風俗、身元不明者、借金私の生きてきた足跡はぐちゃぐちゃだ。私は両親から手を離され施設で育ち、途中から親の元へ帰る...

【第1話】父子家庭パパが所持金2万円からたった一人で子供2人を育てた10年間だったけど、これで良かったのか今でも分からずに文字にした全記録を、世に問いたい。

ひとりで生きていくという本当の意味を、理解するのは難しい。それは、誰もがひとりでは生きていけないと思っているからであり、誰もがひとりで生きて...

bottom of page