社会人「さて、人事の視点について話をする前に、前提条件を確認しておきたい。」
学生「前提条件って?」
社会人「先に「人は自分の視野・経験以上を求められない」と話したように僕の話も、あくまで僕の社会人としての経験がベースになっている。」
学生「ということは・・・」
社会人「ま、すべてを鵜呑みにしないことと、これから話す内容も人事専業(採用とかを専門にやっている人)をイメージして話をするから、ラインと兼業していたりする人は当てはまらないこともあると思うので、注意してほしい。」
学生「わかりました。」
社会人「で、人事が考える「①優秀な人材とは」だけど、人事の役割から紐解いたほうが理解が深まると思うんだ。」
社会人「人事の役割って何だと思う?」
学生「それは採用とか教育とか・・・」
社会人「それはなんのためにやるんだい?」
学生「優秀な人材を集めたり、優秀な人材を育成したり・・・」
社会人「それもいわゆる手段ってやつだね。」
社会人「人事以外の職能もそうだろうけど、すべてはお客様のため、ひいては儲けるためにつながっていると考えたらいい。」
学生「つながりがよくわからないのですが・・・」
社会人「会社が儲けるためには、シンプルにいえば売上(利益)を増やすか、支出を減らすかの二通りの方法がある。人事は人を扱う視点からこの二点を実現する仕事だ。」
社会人「例えば、ファミリーレストランをイメージしてほしい。学生君が注文する時、ウエイター(ウエイトレス)は正社員かな?」
学生「たぶんバイトの人だと思います。」
社会人「おそらくそうだろうね。場合によっては店長以外は皆バイトってケースがあるかもしれない。それはなんでだろう?」
学生「それはバイトのほうが安く雇えるからです。」
社会人「そうだろうね。正社員をバイトやアウトソーシング、シェアドサービスなんかに置き換えすることは、さっき言った人事の「支出を減らす」施策の一つだ。言い換えれば同じ仕事をより支出を抑えて実現することで会社に利益をもたらしているってことなんだ。」
学生「逆に言えば、置き換えができない仕事を正社員には求められているってことですね。」
社会人「察しがいいね。その通りだと思うよ。」
学生「置き換えができない仕事ってなんだろう・・・」
社会人「次の回に行く前に読者の皆さんも少し考えてみたら面白いかもね。」
学生「(誰に話かけてるんだろう・・・)」