社会人「学生君は面接を受けるとき、面接官がどんな人間か想像したことはあるかい?」
学生「えっ?それは会社の人ですよね。」
社会人「実は最近ではすべてがその会社の人ってわけでもない。採用コンサルタントがある一定のレイヤーまで選考をアウトソーシングしているケースもある。ま、それはさておき、序盤の面接はたいていは採用を計画しているライン(営業職や技術職)の管理職以上と人事が1名~複数で面接官をするケースが一般的だ。」
社会人「そこで、彼らがどんな考えをもって面接しているか考えてみてほしい。」
学生「それは、本にも書いてありました。「一緒に働きたいと思えるような人材を探している」って!」
社会人「その通りといえばその通り。ただもう少し噛み砕いて考えてみてほしい。例えば製薬会社のA営業課長が面接官として彼がどんなことを考えていると思う?」
学生「お医者さんと良いコミュニケーションをとって、会社の薬が売れるかどうかといったところでしょうか。」
社会人「じゃあSI会社のB技術部長だったら?」
学生「お客様に対して論理立てて説明する力とか、下請けのシステムエンジニアリング会社の社員を上手く使いこなせそうかとか・・・」
社会人「なるほどね。学生君が言っていることは当たっているかもしれないし、そうでないかもしれない。ただポイントとして言えるのは、「人は自分の視野・経験以上の事を人に求められない」ということなんだ。」
学生「???・・・どういうことですか?」
社会人「さっきのA営業課長が、まったく違う業界の、例えば製鉄会社の技術者を採用面接してくれって言われたら躊躇するだろう?」
学生「ま、そんなことはありえないでしょうけど。」
社会人「製鉄会社の話は飛躍した例かもしれないけど、面接中、A営業課長の頭の中には自分が入社時から経験してきた苦労や成功体験が巡っている。あるいは今いるお客様との人間関係や課題なんかも考えているかもしれない。「彼{彼女}なら(私が経験した)苦労も乗り越えられ、{私が経験した}成功を収めることができるかもしれない」「彼(彼女)ならお客様とも上手くやって当社の売り上げに貢献するかもしれない」なんて事を考えていたりするんだ。」
社会人「ま、曲者なのが、面接官の考えなんて、学生にとってみれば、想像するしかないってことだけどね。逆に面接官も学生の考えや特性を紙切れと短い面接で判断しようとしているからミスマッチになるわけだけど。」
社会人「面接官の考えを少しでも理解しようとするなら、実は有効な方法がある。」
学生「そ、それはなんですか???」