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13/10/4

ゲーマー野郎が一人アカペラでYouTubeの再生回数100万回、そして本気でグラミー賞をめざすまでの話 PART 8

Image by Olia Gozha

YouTubeの反響

ツイッターやフェイスブックなどのSNSは絶対使った方が良いというのはもちろん感じていたので、この動画が出来たとき、

「やっと動画できたーー」って感じでツイートしました。

本当に、それだけでした。

で、深夜の1時だったので、寝ました。

ぐっすり寝て、昼前にゆっくり起きてきたのですが、信じられないことが起きてました。

まず、ツイッターの返信とリツイートが大変なことになっていました。

もちろんフェイスブックのシェアも。

で、動画を見ると、完全に無名で、たいした宣伝もしていない僕の動画が、その一晩の数時間で再生回数は3,000回を突破していました。

そしてその日に、どんどん信じられないことが起きていきました。


どうやら知り合いの知り合いがやっている大きなブログがあって、そこで僕の動画を気に入ってくださって取り上げてくださっていたみたいでした。

それをきっかけに、その記事のリツイートも含め、

ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカルの後藤さんが取り上げてください、

ゴスペラーズの北山さんがリツイートしてくださいました。

再生回数はその日のうちにみるみる上がっていき、2万回を超え、

次の日にはヤフーニュースのトップに載り、

はてなブックマークに載り、

NAVERまとめに載り

その勢いで3日後には5万回再生。

本当にびっくりしました。

正直その3日間は、ほとんど家にいて、反応だけ見ていました。

ニヤニヤと。

どんどん増えていく反応を。

 

その後の数ヶ月は、雑誌やテレビの取材やラジオ出演など、さまざまなメディアからオファーを受けました。

雑誌だと「AERA」や「ミュージックマガジン」など

テレビは「ZIP!」、「やじうまテレビ」、「大阪ほんわかテレビ」など

ラジオは「FM802」、「Inter FM 76.1」などなど。

まるで有名人です。


多重録音作品

作品の話を少しします。

編曲は「Duwende」というカナダのグループのものです。

イキり続けている僕は、この編曲はもっとリズムを改善できるのではないかと思っていたので、マービン・レノアーさんに教わったリズムの知識を元に、ドラムやギター、シンセサイザーを加えていきました。コーラスの歌い方は、長いこと大学でアカペラサークルにいたので、自分なりの知識と経験で少し自分色にしていきました。

ただ、グループで歌うのとは違い、1パートずつ録音するので、なにも無い状態で1つ目のパートを録ったときは、苦痛でした。練習の量はもちろん、他のパートと混ざらないように覚えなきゃいけないし、

なによりも、一人で歌ってると、ヘタでしょうがないのです。

へっっっっっっっっっっっっっっったくそ。

全パートを重ねると意外と良い感じになるのですが、その過程は、自分のヘタさを受け入れながら、重ねたときの完成形をイメージして我慢し、次に無理矢理進んでいく作業でした。

あれは大変だった。 

まるで一人SMのような。

直接会う方々には「ギターはどうやってるの?」とか「シンセサイザーどうやってるの?」とか聞かれるのですが、別々に聴けばそこまで音色が似ているわけではありません。

というか、アカペラをやっている僕としては、楽器の音に近づけることはしたくなかった。


大道芸になっちゃうアカペラ

アカペラって、どうしても"大道芸"に見られてしまうと書きました。

「あの曲を声だけでやりました」、「楽器も全部声だけでやってます」みたいな。"びっくり人間ショー"とでも言いますか。

"アカペラで歌っていること"そのものが目的になってしまい、"びっくり人間ショー"にとらえられてしまうことが多いんです。逆に"大道芸"として、楽器のパートを全部声で再現するという方法もあったのですが、それでは「楽器でやったらいい」となるので、やめました。

いや、これはこれですごいんですけど。

でも、僕の作品は、アカペラのよさ、声のよさを残すことにしています。


よく、アカペラグループのパートは、リードボーカル、コーラス、ベース、ボイスパーカッションに分かれて認識されていることが多いのですが、それは分離して考えるものじゃないと思っています。

アカペラに限らず、"音楽"をするには、自分のパートがなんであれ、すべてのパートを知っていないとできないと思いました。

だから僕はアカペラサークルにいるとき、いろんなパートをやっていました。リードボーカルは本当に大事なパートなので、一番たくさん練習しました。

アカペラはハモリのイメージがあるので、合唱経験者が入ってくることが多かったのですが、僕が合唱団をやめてアカペラサークルに絞ったほど、合唱とはちょっと違うのです。

少なくとも今、世界のアカペラは、全員がメインボーカルのように歌って成り立つものだと思っているので、周りに溶け込む"コーラスの歌い方"をするなんて考えたらダメだと思っています。


それまでは自己流でいろんな方法を試して練習していましたが、もっとボーカル力をあげるために、音楽スクールのようなものに通っていたこともあります。

大学2年生の時でしょうか。知り合いの紹介で、ある音楽スクールにいきました。そこはブラックミュージック専門の音楽スクールで、「どうやったらソウルフルに歌えるのか」、「どうやったら黒人のようにかっこよく歌えるのか」みたいなことを教えているところでした。

今考えると、普通のボイトレスクールじゃない、非常にマニアックなスクール。こういうところに巡り合えたのは、本当によかったと思います。

ブラックミュージックにどっぷりはまり、Stevie Wonderをはじめ、いろんなブラックミュージックが好きになりました。僕を、"歌好き"から"音楽好き"にしたきっかけでしょうか。僕の一人アカペラ作品はブラックミュージックでスタートしているのですが、僕とブラックミュージックの出会いは実はここでした。


でも、まずはどうアカペラを"音楽"にするか、とにかくそれを考えていました。

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